見出し画像

幽遊✖️ハンター(9話)想い出

巨漢の美食ハンター、ブハラの横で幽助は

豚の丸焼きを競う様に食べていた

2人共、明らかに自分の体積以上のブタを食べている

3日以上まともに食事をしていなかった幽助は

ブラハに負けない勢いで食べた

もちろん自分が獲って来た焼きブタだけだ

「キミの食べてる姿を見るとボクも食欲が止まらなくなるよ」

普通のブタの10倍は大きいブタを数十体食べた後

に出たブラハの発言に、周りの人間はひき気味になった

一緒にいた美食ハンターのメンチがキレる

「あなた達いつまで食べているの!」

すでに全員の合格は伝えていたが、幽助が勝手に

追加の焼き豚を持って来た為食べ比べが終わらなかった

「次は私の試験だよ!」

メンチが出した試験は、東洋の小さな島国料理

すし

を想像力だけで作るというものだった

ほとんどの受験生は見た事も聞いた事も無い

各テーブルには調理道具と白米が置いていた

「材料は外から好きな物を獲ってきな」

スタートの合図が出ると受験生は我先に飛び出して行った

幽助は物思いにふける様にして腕を組んだ


温子は食材の入ったビニール袋を両手に持ってボロアパートに帰って来た

9歳になる息子の幽助の為に奮発をして買い込んだのだ

この瞬間が人生で最絶頂な気がする程の幸せを感じながらボロボロのドアを開けた

目に飛び込んできた情景を受け入れられなく固まった

実の父親が子供に馬乗りになって殴り続けている

「やめてー!」

自分の叫び声で我に返る温子

父親はゆっくり振り向き震えながら言った

「温子、やっぱりムリだわ」

私をギリギリの所で世間と繋いでくれた人

名前すら思い出せない人間から殺されても仕方ない私を愛してくれた人

知っている人は皆んな、強さだけでなく人柄も憧れ尊敬していた

そんな人が細胞から怯える表情を見せた

逃げ出すように走りだし、すれ違い際に言った

「ごめん」

彼の足音が聞こえなくなると

幽助の無邪気な笑い声が聞こえた

ボコボコに腫れ上がった顔をしながら

父親に遊んで貰った嬉しそう笑顔だった


数日後、幽助の顔の腫れが治ると馴染みの寿司屋に行った

「大将、やっぱりダメだったわ」

清々しく笑いながら大声で言う温子

深夜の為他の客はいない

「気にする事ないって。アンタは美人だから、いくらでも声があるよ」

女将さんも慣れた様に言った

「分かってるって!その気になればあれくらいの男、入れ食いよ入れ食い」

珍しく大はしゃぎの母親を見る幽助

「それにしてもここの寿司はいつ食べても最高に美味え〜な〜」

最近なぜか泣いてばかりの母親が

こんなに笑顔になれるこの食べ物は

凄く特別だと幽助は思った

カウンターにある食材を食べ尽くすと温子は言った

「お金は今度持ってくるよ」

大将と女将はいつも通りに言った

「まいど」

帰り道は小さな肩に寄り掛かり、なんとか玄関に入って倒れた

幽助は顔を覗き込み起きなさそうな事を確認する

と、走って店まで戻った

シャッターは降りていたので激しく叩く

ぶっきらぼうな顔をしながら大将が出てきた

「オレにすしを教えて下さい」

それから毎日、日が登る前に来ては寿司の修行をした

温子と唯一の約束の為昼は一歩でも学校に入る事をしていた

ただ道を歩いていても上級生や大人に絡まれる幽助

一度も負けた事は無かったが、ボロボロになって

も寿司の修行だけは欠かさずに来ていた


幽助のおかげでさらに早起きになった大将と女将

が準備をしていた

女将は食材を直しながら言った

「あれからもう5年もなるんだね。あの日まで1度も休まなかったせいで、私たちもこれをしないと落ち着かなくなったよ」

「さすがに死んでしまったら修行は出来ね〜よ
まあ、それでも生き返ったて事は別にやりたい事  ができたんだろ」

「あんなに真剣にやっていた事以上てなんだろね」

「別に寿司が握りたかったんじゃね〜よ。あいつを笑わかせたかっただけだ」

お互い手を止めず視線も合わせないまま続ける

「このまま修行すれば立派な寿司職人になれたろうに」

大将は手を止めて言った

「アホ、時間なんて関係ね〜よ。どれだけ真剣に打ちこんだかだ」

手を動かし始めて続けた

「アイツの想いは10倍詰まっているよ」

「じゃあ、あんたはもう追いつかれるね」

大将の手がまた止まった


幽助が食材を集めて戻ってくると、手を清めて心を落ち着けた

周りが試行錯誤しながら作っている中

ムダな動きを一切見せずに進める

ミンチの前は行列が出来ていた

罵倒を浴びせられながら次々と追い返させられる

幽助は堂々と行列を無視してミンチの前に出た

周りが怒号を上げようとした瞬間に

ミンチは包丁を振り上げて言った

「覚悟はあるんだろうね」

幽助はミンチの前に置く

視線を下ろすミンチ

一度手を合わせると箸を持って食べた

噛み締める度に目には涙が浮かび上がってくる

まるで初恋の人に告白された少女の様な表情になった

そして時間を掛けて飲み込むと一つ言葉が出てきた

美味しい

幽助は振り返り鉢巻を取りながら言った

「まいど」

(続く)

はい、9話はここまでです😄

黒歴史爆発の物語になりました(笑)

もはや何を言われようとも覚悟してます🙇‍♂️

展開がゴチャゴチャ過ぎますね😵

まずは言い訳

幽助の父親について語りたかった

原作でも人間の父親は少し出てきてます

私としては

父子関係は良い物だと思いたいガキです

別に私自身はそうでも無いですがね

娘は溺愛です✌️

私の父は普通のサラリーマンです。良くも悪くも

無い良い父親だと思います(結局良いのかな)😄

幽助と父親に関してもそれなりに事情があったん

だと勝手に解釈しました


できれば皆んな幸せになって欲しいけど、皆んなそれぞれ事情があるんだよ

と思っている甘ちゃんです😄

あとミンチの展開ですが

美味しい

って素敵な言葉だと前から思ってました

美しい味と書いて美味しい

日本語は素敵ですね

それで今回けっこう頑張ったのでここまでにします

読んで下さった方ありがとうございました😊

それではまたヽ(^ω^)




面白い活動や企画に使わせて頂きます(*´ω`*)