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【クリエイティブ・マネジメント】

アート思考という言葉が注目を浴び始めた2018年頃からアート思考をテーマに大学講師、ビジネス講師や大手企業の新規事業伴走支援などをしています。

多くの企業は漠然とイノベーション、新規事業、DX、SDGsといった表層的なバズワードに対する対処療法的に「やらなきゃ。。。」状態、つまり、外発的動機であり課題解決から始まっています。
イノベーションや新規事業は「やりたいこと」の結果でありDXは手段です。

そもそも、そのスタートラインに問題があると感じています。やらなきゃいけない新規事業ではなく、本質な自社のパーパス(存在意義)からスタートして結果的に新規事業に至る。つまり、新規事業は組織が内発的に「やりたいこと」を実現するプロセスです。
その起点として必要2つのこと
❶内発的な動機やモチベーションの維持など芸術家が持つ衝動や情熱
❷既成概念にとらわれないアイデアを生み出す創造性(直感)

私はこの2点を組織文化に実装することがアート思考だと定義しています。

アート思考は絵を描く事や美術作品の鑑賞と思われがちですが、私のアート思考は内発的動機、つまり「やりたいこと」を起点に自分軸からビジネスを創発する、いってみれば起業家精神に近いマインドを体系的に組織に実装することと考えています。
同時に、既成概念にとらわれず、新しいアイデアを生み出す創造性を養うためのフレームワークを組織に実装することを目的にしています。

 このスタートラインの掛け違いを例えると、「オリンピックに出場したい!」という人がいたとします。その人に「なんの種目ですか?」と聞いたら、「それはこれから決めます」といわれたらどう思いますか?

そんな状況に似ている気がします。オリンピックを目指すのはとても良いことですが、1つの種目(やりたい種目=目的)からスタートして結果的にオリンピック(手段あるいは結果)という舞台が見えてきます。つまり、ほとんどの場合、オリンピックは後付けのはずです。これが目的と手段の逆転です。

新規事業の開拓でよく0→1といわれていますが、これも勘違いではないでしょうか?何もない0から1を創発するという印象ですが、今までの積み重ねから、今までにない新しい事業が生み出されてこそ新規事業です。かつての成功事例を見ても一見、全く違うビジネスやサービスを始めた様に見えて、かならずそこには文脈があります。富士フィルムが何故化粧品?もまさにこの文脈。足元にイノベーションの種があったのです。その種と何かを「結びつけて」新たな市場を開拓すること。
経済学者シュンペーターやスティーブ・ジョブズもイノベーションは「結びつけることに過ぎない。と断言しています。
さらに新しければ良いのではなく、多くの人に受け入れられて、新しい価値やライフスタイルがうまれたら本当のイノベーションと言えるでしょう。

その「結びつき」=「新結合」から生まれたアイデアを、デザイン思考を活用し顧客ニーズの深層から検証し、ロジカル(客観的)に事業化する。
このフローを「クリエイティブ・マネジメント」と定義しています。

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