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二人の男の子の母、フリーライター、元書籍編集者です。子どもとの生活で気づいたこと、うれ…

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二人の男の子の母、フリーライター、元書籍編集者です。子どもとの生活で気づいたこと、うれしかったこと、驚いたこと、心が動かされたことを書き留めていこうと思います。

最近の記事

喉の奥にイモを感じたら

みんなそうだと思うけど、涙をこらえると喉の奥にイモがつまったような息苦しさを感じる。 子育てを通じて、特にダウン症を持って生まれた上の子が小さいうちは、本当にしょっちゅう喉の奥にイモを感じて生きていた。 あれから10年、振り返ってみると、イモを感じた理由(涙が出そうになる理由)の根っこはだいたい「孤独感」だったなぁと思う。 社会との壁、周りの親との壁、友人との壁、実の親との壁、私の周りは壁だらけだと感じていた。 誰かに聞いてほしいけれど誰にも言えないささいなことが積も

    • 障害のある子が成人するまでに考えておいた方がよいこと3選

      障害のある子を持つ親にとって、子の成人は楽しみなこと、というよりは、ちょっと怖いことだと思う。 え?私だけ? たぶん、私だけではない、と思うので。今日は少し、子どもの成人までに親が考えておいた方がよいことを書き出してみようと思います。 というのも、成人年齢の引き下げがありました(結構前のことなのにホットな話題みたいに書いてすみません)。 怠惰な親代表である私は、「成人年齢引き下げ」は、考えねばならぬ色々な問題が前倒しになっちゃうから「やめてくれよー」と思っていた。でも下が

      • 本当の友達って何だろう

        先日、息子たちが課外活動しているところにたまたま出くわした。 授業参観や運動会とはまた違った日常の学校生活を垣間見て、 「そうかぁいつもこんな感じなのね。楽しそうで何より。」 と思ってしばし眺めていた。 息子は大好きなお友達と連れだって、あっちいきこっちいきしながらニコニコしている。 うれしそう。楽しそう。 眺める中で、大好きなお友達の○○くんが一緒に行動してくれているから成り立っているアレやこれやが多いのだろうと想像し、心のなかで「○○くん、いつもほんとありがと

        • 長男が勇者に見えた日

          先日、次男2歳のヘアカットに行ってきた。でも、行ってきただけ。カットはできなかった。 次男は生まれた時から毛がフサフサベビーだった。 出産時、頭が直径3センチくらい見えた時点で助産師さんが開口一番 「あらぁ毛がフサフサだわー」 と言ったくらいのフサフサベビーだ。 だから、生後6ヶ月くらいでカットが必要な長さになり、以降定期的にヘアカットに通っている。 長男は4歳くらいまでママカットでやり過ごしていたが、ニョッと飛び出た一部長い前髪やざん切り頭の見本みたいなアルバム

        喉の奥にイモを感じたら

          障害のある子供を持つと働けないということですか?へのアンサー

          答えは、そんなことあるわけないだろ! と言いたいところなのですが、実際は違った。 実は↑の質問は、今から9年前に、私が市の保育課の担当職員に発した問いなのである。 そして、その時の職員の方のアンサーは 「そういうことになりますね」 だった。 今考えても、衝撃的なアンサーである。 当時ダウン症のある長男は2歳で保育園の空き待ちをしていた。 「ダウン症のある子は集団に入れるとグンと伸びるから、1歳過ぎたら児童館とか、子供同士のふれあいを大事にしてね」 と専門医に

          障害のある子供を持つと働けないということですか?へのアンサー

          兄弟っておもしろい

          我が家の長男は今年10歳、次男は2歳、8歳差兄弟のやりとりが、最近の私のツボで、いちいちほっこりしてしまう。 ダウン症のある長男はおしゃべりが上手とは言いがたい。そこへ、言葉を覚えたての次男がよくしゃべる男なのだ。 理解力も語彙力も当然長男の方がまだまだ断然上だけれど、文章力と構成力では次男も負けておらず、ちょうどいい塩梅でやりとりが成立する。 車に乗り込んですぐに「お菓子が食べたい」とごねる次男に、 長男が「○○に着いたらなっ」と言い聞かせる、とか。 粘土遊びをし

          兄弟っておもしろい

          「ふれあい動物園?」から考える共生社会

          先日、車椅子ユーザーのタケヒロさんのツイッターでの発言を基にした記事を拝見した。 既視感。 今から5年ほど前、ダウン症のある長男が幼稚園の頃に園長先生に言われた言葉に私は 「うちの子は道徳教材じゃないんだけど」 と思ったのだ。 当時、私は今よりももっとぐずぐすに豆腐メンタルだった。学校やママ友、頼れる先が複数できた気がする現在では木綿豆腐くらいにはなったと思うけれど、当時はまだできたてホヤホヤの絹ごし豆腐くらいのデリケートさだった。 なので、定期的

          「ふれあい動物園?」から考える共生社会

          ダウン症の確定診断 我が家の場合

          興味本位で受けた4Dエコーで胎児の十二指腸閉鎖か狭窄の可能性を指摘され、その足で大学病院へ行くよう指示されたのが妊娠28週の終わり。 その日のうちに受けた大学病院での検査で可能性は事実に変わり、翌日からの管理入院が決まった。 赤ちゃんは出産当日か翌日、なるべく早い段階で十二指腸の手術を受けることになる。入院の説明とともにそんな説明を受けたはずだが、平静を装うことに全力を注いでいたので、途中からその辺の記憶が曖昧だ。 赤ちゃんを健康な体で産んであげられないことが申し訳なく

          ダウン症の確定診断 我が家の場合

          10年経ってわかったこと。ダウン症のある子との毎日はたぶんすごく普通

          そういえば私、ポジティブなことを全然書いていないよ、と反省。ダウン症のある子との毎日の楽しさ?というか日常?みたいなものを書いてみたいと思う。 我が家の長男は今年、10歳になる。この10年はたぶんすごく普通の毎日の積み重ねだった。 長男はたぶん、とても育てやすい子どもだ。真面目で優しくおとなしい。そんなに頑固でもないし、チョロチョロもしない。強烈に慎重派なので危ないこともあまりしない。二人目が産まれたのは長男8歳の時だったので、私にとっての育児は長らくこれ↑が普通だった。

          10年経ってわかったこと。ダウン症のある子との毎日はたぶんすごく普通

          続・ダウン症のある子は戦わずして普通級に入れないのか

          さて、前回の我が家の長男の小学校進学にまつわるあれこれの続きです。 幼稚園の園長先生とも教育委員会とも戦うことをあきらめた我が家は、どうしたか、というと、 引っ越しをすることにしたのです。 職場が近いわけでもなければ、知り合いや親戚がいるとかでもない、縁もゆかりもない地域に住んでいた、という我が家特有の事情もあり、戦わねば普通級に入れない地域を脱してインクルーシブ教育を実施している学校の近くに引っ越そうということになったのでした。 しかし、これが案外難しかった。 イ

          続・ダウン症のある子は戦わずして普通級に入れないのか

          ダウン症のある子は戦わずして普通級に入れないのか

          息子が小学校に上がる際、私たちが住んでいた地域ではダウン症=支援校という図式ができあがっており、通っていた幼稚園の園長先生もはっきりと異論を受け付けない態勢を打ち出していた。 もちろん、支援校という選択が悪いわけではない。手厚いしどこより経験則があるのは大きい。けれど、本来ならば「支援校」に加えてダウン症のある子だって「普通級」や「支援級」といっった選択肢があるのに、私たちが住む地域では実質選択肢として加味されていなかった。 幼稚園で3年間仲良く過ごしたお友達はあたりまえ

          ダウン症のある子は戦わずして普通級に入れないのか

          ゆっくりだけど着実に、確実に、成長しているよっ

          朝日新聞デジタルでnoteで(勝手に)おなじみ岸田奈美さんの記事を拝見。 ダウン症のある弟さんの成長について「寿命が200年あれば、私たちとほぼ同じ生活ができるんじゃないかな」とおっしゃられていて、ちょっと納得してしまった。 ダウン症のある子どもを育てている親としては、200年と言わず、100年くらいでお願いしたいところだけれど、肝はそこではなくて、 ゆっくりなんだけれど成長し続ける というところ。 我が家の長男は、2年生の時になんとかわかりかけてたはずの足し算引き

          ゆっくりだけど着実に、確実に、成長しているよっ

          妻があきらめた色々をせめて夫くらいは労ってくれ

          今から十数年前、学生だった私は、一生働けることを一番譲れない条件として就職活動にいそしんでいました。結婚しても出産しても仕事は続けたいから続けたいと思える仕事を探そうと思っていたのです。 なので、子供を産んでも仕事をバリバリされてる方は憧れの存在😍💓💓 所属していたゼミの先輩がまさにそれで、研究者としての業績を積み上げつつ結婚、出産😍自分の両親と同居して仕事の時は子供の面倒を見てもらったり助けを借りながら、ご主人と協力して仕事と子育てをされていた。 この話を「理想だよね

          妻があきらめた色々をせめて夫くらいは労ってくれ

          息子のお友だちがくれた魔法の言葉

          ダウン症のある長男が年中さんの時のお話です。幼稚園に長男とよく遊んでくれるとってもかわいい女の子がいました。 何をするにものんびりしている長男に「今日は何して遊びたい?」と聞いてくれたり、自由遊びの時に人気のブランコをキープして待っててくれたり、同学年だけどとっても面倒見のいいお姉さん的な女の子です。 幼稚園の親子遠足で動物園に行った時のこと。 自由散策の時間になると、その女の子は 「○○○は長男くんとまわる~!」 と手をつなぎに来てくれて一緒に園内散策をすることに

          息子のお友だちがくれた魔法の言葉

          親なきあとの子どもの幸せを願う

          はじめまして。こんにちは。 ライター、元編集者で二人の男の子を育てる母親です。 長男にはダウン症があり、親なきあと対策として何かできることはないかと数年前に行政書士の資格を取得しました。 成年後見制度や家族信託などを検討していますが、子供が親なきあと「幸せに」暮らしていくための備えのシステムを構築したいと考えています。 先日、台風シーズン到来につき、長男と避難リュックの点検をしていた時のこと。リュックに物を詰めながら私は長男に 「もしもママとパパが一緒に逃げられない

          親なきあとの子どもの幸せを願う