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【7月10日~16日】年1のともだち

年1というか、年1~2回だけ会う友人がいる。
中学からの付き合いで、ここ10年くらいはそのペースだ。

だいたいお互いの誕生日にお祝いLINEを送り、その流れで「ごはん行かない?」となったりならなかったり。
だから、年1~2回。

今年も私が先に誕生日を迎えたので、先日一緒にランチする流れになった。

お店に直接行く予定で、私はそれまで原稿を進めていた。
原稿上で、とにかくイチャコラするシーンをおもしろおかしく書いていた。
と、そこで彼女から着信があった。
ついでがあるから家まで迎えに行く、とのことだった。

「1秒でも長く私と一緒にいたいってこと?」というセリフを吐いてしまうところだった。原稿脳がすぎる。
一瞬言おうか迷ったが、口にはしなかった。

そのあと彼女が車で迎えに来てくれて、出迎えたのがうちの黒ねこだった。
彼女には、私と中2女子が揃って4~5日家を空けることになった時に鍵を預けて、ねこの世話をお願いしたことがある。
黒ねこを我が家に迎えたときにも見に来てくれた。
つまり、まだ幼い黒ねこのことも、まだスマートだった黒ねこのことも知っている。

再会を果たした彼女と黒ねこ。彼女は言った。

「なんか大きくない?」


正解である。
うちの黒ねこは獣医さんにも「頭の大きさと体の大きさの比率がおかしなことになってきたね」と言われた。
小顔なのに体が長い。そしてお腹が出ている。

「黒ねこってシュッとした子しか見たことなかった」
すまない。
でもTwitterランドとかを見て欲しい。
とってもふくよかなかわいい黒ねこさんたちがいらっしゃる。

しかしながら先日、予防接種に行った際に体重を計ってもらうと、これでも300gの減量に成功していた。
フードを変えたりもしたけどそれが理由というよりは、吐いて1日食べられない日があったり、急に暑くなって参っていた頃だったからそのせいだろう。
今年はエアコンのガス漏れがあって、6月に突然の夏日を記録したその日にエアコンが効かなかったのだ。あれは申し訳ないことをした。
早急に電気屋さんに来てもらって対処した。
そして今はたぶん、体重は少しもとに戻っていると思う。

それでひとまず黒ねこの話に区切りをつけ、やっと「久しぶり~!」という流れになった。
挨拶よりまず先に「ねこ太った?」だったことになる。

そこからは食べながらお互いの近況報告。
あまりに引きこもりが続くと、ここで本当に話すことがないから困ったことになる。あれはダメだ。
今回はネタに事欠かなかったから、私は人間らしい生活をしていたということだろう。彼女は毎回大きなネタを投下してくれるので、だいたい私が笑う。

途中、「1秒でも長く私と一緒にいたかったのか」という先述のネタを結局公開したのだけど、思っていた以上に笑ってくれたのでそれなら電話口で言っておけばよかったと後悔した。
「それは原稿脳だわ」と笑われた。

そういえば彼女は私がシナリオライターであることも、どんなゲームに携わっているのかも知っている珍しい友人だ。

親しさやその人の興味の方向によって、どんな仕事をしているのかの説明が変わるのだけど、そのあたり皆さんどうしてるんだろう。
私は理解してもらえるように説明するのが面倒で避けてしまうことが多い。

「自宅でパソコン仕事してます」

これが当たり障りないし、だいたいの人にはこれで通す。ご近所さんとか。

「文章を書く仕事です」「ライター(文筆業)です」

もう一歩進むとこれになる。だいたいWebライターを想像される。

「ゲームシナリオを書いています」

さらにもう一歩進むとこうなる。が、ここまで言うことになる機会は滅多にない。

「女性向けアプリのノベルゲームとか……します?」

さらにさらに進むとこのゴールにたどり着く。
これは相手がゲームをする人だったり、スマホコンテンツやWebコンテンツに触れる人だったり、界隈の話題に乗っかれる人だったりの場合。
彼女はこれにあたる。

お互いにおそろしくマメではないし、連絡はほぼ誕生日のみ。
趣味は異なるし、性格も全然違う。けれど、本当に心の距離が近い。
こういう不思議な人間関係が成立するのは、大人になったからなんだろう。
通勤して毎日同じ顔に会うという生活ではないから、余計にそうなのかもしれない。

ところで、黒ねこだけじゃなくて私も太りましたよね……?
とは聞けずに終わってしまった。聞けばよかった。
体重が激変したわけではないのだけど、見た目は変わっているはずだ。
また下半期の彼女の誕生日……には間に合う気がしないから、来年あたりにシュッとした姿をお見せできたらいい。

たくましい背中で惚れてしまう


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