涙 切ないね 黒髪匂う

髪は女の命、なんてよく言うけれど、小学生の頃、私はまさにその言葉を地で行く子供だった。
当時ハマっていて大好きだった漫画のヒロインの美しいロングヘアに憧れて、私も同じように髪の毛を伸ばしていた。
腰くらいまで髪があって、その髪の毛をとても大切にしていた。

シャンプーやコンディショナーはドラックストアで変える安価なものだったけれど、ダメージケアに特化したものを選んでいたし、洗い流さないトリートメントも週に1回は必ずつけていた。
学校でも常にブラシを携帯して、何かにつけて髪をとかし、授業中は枝毛を探し、筆箱の中に忍ばせておいたハサミでカットするような、ませた小学生だったのだ。

中学に入ってからはますますその気持ちが加速し、髪の毛を手入れするようになった。
洗顔は本当に好きではなく渋々行っていたのに、髪の手入れは自らの意思で楽しんで行っていた事を覚えている。
中学3年生の頃、担任の先生からあなたは本当に髪がきれいねぇ、天使の輪があるわよ、と褒められ、クラスで一番きれいなんじゃない?と言われたときは、まるで世界の美女図鑑に載ったかと思うくらい嬉しかった。

その後 受験シーズンに入り、髪の手入れに大幅に時間を取ることが難しくなったことでいつの間にか枝毛だらけになってしまい、リセットするために一回ボブまでバッサリ髪をカットすることになったのだけれど…。

しかし高校生になり、人並みに染髪を楽しんだことによって私の髪に対する執着は全くなくなってしまった。
今は髪が伸びてきたら必然的に毛先のほうは傷んでいくし、そのことに関してとくに気に止めることはない。
あの頃のような髪質はもう戻ってこないだろうなぁと宣いながら美容院へ行き、ちょこちょこ毛先をカットし、根本から染め直す日々である。
あんなにせっせと髪の手入れをしていた頃の自分が、今の私を見たらきっと驚くだろう。

だけど、1ヶ月ほど前、美容院へ行き、久しぶりにトリートメント施術を受け、あまりの髪の艶やかさとサラサラ具合に感動を覚え、以降、ちょこちょこトリートメントをつけるようになった。
もちろん美容院ほどの仕上がりにはならないのだけれど、髪を手入れしているとやっぱり少しだけテンションが上がる。ドラックストアで買えるものでいいから、ちょっとお高めのトリートメントの購入も、検討中である。
化粧には全く興味がなく、業務的に行っているだけなのだけれど、髪にトリートメントをつけているときは、ちょっと楽しい。
私はやっぱり、髪は女の命だと思っているのかもしれない。

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