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新型コロナウイルス対応 飲食店のBCPを考える(後編)

まだまだ収束が見えないどころか、飲食店の従業員も新型コロナウイルスに感染し、その影響で飲食店が休業するニュースが続いています。今のところは大手外食企業の店舗様が多いですが、中小規模の飲食店様でも発生し始めています。

昨日は、そのようなお店が増えないようにということを念頭に、お店の営業を継続するお店様向けに新型コロナウイルス対応 飲食店のBCP(事業継続計画)を考えるをアップしました。今日は続きとして、中小規模の飲食店様が営業を継続する中で、考えられる対応策やアイディアについて深堀してみたいと思います。

営業規模を決める。「維持」or「縮小」

コロナ以前と現在。お店を取り巻く環境(外部要因)に大差がなく、人手なども含めて課題がない場合、お店の営業規模を「維持する」ことになるかと思います。

一方で、多くのお店様は1月末以降のインバウンドのお客様の減少や企業のテレワーク推進、そして3月から始まった公立学校の一斉休校など・・、今までの営業していた環境と大幅に変わってしまった!というお店様も多いのではないでしょうか。常連さんの多いお店様でも、ご利用くださっていたお客様の行動の変化で、お店にご来店いただく頻度が激減して困っているというお話が沢山聞こえてきます。環境が変化している中、今まで同様に営業していくことが良いのかを考え、適切に変化しお店の営業を最適化させてゆくことも大切です。

お店の最適化策① 営業時間を変える

新型コロナ対策として企業による時間差通勤も顕著になっています。実はコロナ以前より早朝の通勤者が増えているそうです。思い切って、早朝から営業を開始し(朝食提供に限らず昼用弁当販売なども)、ランチを経て夕方に閉店してしまうというも一つの作戦です。夜間人口が急激に減ってしまった地域でしたら、夜営業しない代わりにランチタイムを長くするということもアリかもしれません。10時からランチタイムのお店があっても良いのではないでしょうか。キーワードは「時間差」です。画一的な働き方からのシフト、お昼ごはんの時間帯も多様化しています。

もし今まで夜型のお店様だったら、お店の営業の時間を変えるタイミングで、営業のオペレーションもフルサービス型からファストフード的な先注文先払い方式やセルフサービスを少しでも取り入れることで、少ない人数での運営が可能となります。あと、現場に出ているオーナーさんは定休日を増やして、日ごろの疲れをこの機会にしっかりと取って免疫力を高める!というのも大事です。

お店の最適化策② メニューを変える

クラスターとなることを避けるため宴会の自粛などが増えています。もう少し落ち着くまでは、この流れはしばらく致し方ないかもしれません。

そのような状況下、例えば居酒屋さんなどの業態でも、夜に定食メニューを充実させるなど既存のメニューをベースに、おひとり様向けの食事メニューを増やすことで、新しいニーズを捉えることができる可能性があります。

メニューを大幅に変えたり、新メニューを開発するような手間は必要はなく、既存のメニューをアレンジして、異なるニーズやシーンに使ってもらるように提案する。

もしくは、メニューを絞るというのも一つの方法だと思います。メニューを絞りこむことで、仕入れの品目の抑制や仕込み時間の削減、小人数体制でのオペレーションなど副次的なメリットも発生します。

お店の最適化策③ 提供方法を変える

新型コロナウイルスで最初に指摘されたのがビュッフェ形式のリスクでした。調理したメニューをどのように提供するかはお店のオペレーションに直結し価値、すなわちプライシングとも関係します。

多くの飲食関係者やメディアでも言われており、テイクアウトやデリバリーをはじめることは比較的すぐにできる方法で、実際に展開を始められる店舗様も増えています。店頭で「テイクアウトできます」という看板もたくさん見かけるようになりました。

せっかくやるならもう一歩踏み込んで、テイクアウトやデリバリー向けのパッケージ化されたメニューを用意してみてはいかがでしょうか。イメージを店頭に掲示したり、SNSにアップしてほしいです。普段から利用しているお店様のテイクアウトの内容は期待値としておおよそ想像がつきますが、利用したことのないお店様の場合、ビジュアルで訴えていただかないと、なかなか敷居が高いというのが本音です。お店様のポジショニングから外れるような価格設定(すごく安くする!など)の必要はないと思いますので、内容をしっかりとビジュアル(画像)で見せること、大事だと思います。

お店の最適化策④ オペレーションを変える

先にも、「早朝からの営業に切り替える」「メニューを絞り込む」「居酒屋型から食事系へのシフト」など書きましたが、もう少し踏み込んで「最低限の人数で営業する」というのも選択肢の一つかと思います。

もちろん雇用を守ることも大事ですが、学校の休校などで以前よりさらに人繰りが厳しくなっているお店様もたくさん出ています。

フルサービスだったお店様がセルフ型に切り替えたり、一部セルフサービスでお客様に協力してもらう、お店の席数を絞ってでも一人か二人で営業するというのも平時に戻るまでに一つの営業の形かと思います。

でん票くんとしては6月にお客様のスマホからオーダーしてもらう「ゲッ注」というモバイルオーダーシステムをリリース予定です。今すぐの提供ができず心苦しいですが、そのようなシステムを使って、できるだけ少人数で営業するというのも一つの方法です。

お店を続けるためにやれることは全部やる。無理せず継続できることを静かに続ける

最後に、大切なお店を継続させるために、思いついたやれることは全部やってみる。これに尽きると思います。その取り組みを今までのお客様へコミュニケーションして伝えたいですね。店頭はもちろん、LINEでもメールでも。

一方で、焦って頑張りすぎても良くないです。このような状況下、まわりの状況をしっかりと観察し見極めながら、体力を温存することも大事です。いざとなれば、休業も選択肢の一つとしながらも、無理せずに営業を続けることも、社会のインフラでもある飲食店様の大切な役目のように思います。

上記の最適化策①~④は現実にはなかなか難しいこともあると思いますが、思い切って書いてみました。このようなアイディアの中から少しでも貴店のヒントになると嬉しいです。このコロナ騒動の機会に、お店も進化して、多少お店の中身が変わっても、また新型コロナウイルスが落ち着いたときに、今までのお客様も通ってくださるのではないでしょうか。

長期戦になりそうです。今まで以上に健康第一で、新型コロナウイルスの感染に負けず、美味しい食事やその時間を提供してくださることをお願いいたします。

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