ディズニーランドホテルが守っているブランド力
東京ディズニーリゾートは自らの世界観を大切にしていて、それを維持するためにさまざまな戦略をし続けているという話をよく聞く。
それを実感した体験を思い出したのでその話を記事にしたい。
体験自体は些細なことである。でもその細かな所にもこだわりを感じた経験である。
その経験とはちょっと昔に東京ディズニーランドホテルに泊まった時のことである。
東京ディズニーランドホテルは2008年にできた東京ディズニーランドとほぼ直結したホテルである。
その東京ディズニーランドホテルの中のレストランで、私は食事を摂っていた。
レストランに来る前に隣に売店を見つけていて、そこの営業時間を確かめたくなった。
そこの売店はコンビニのような品揃えをしている所である。ディズニーグッズも売っているが、日用品やおにぎりやサンドイッチやペットボトル飲料などが売っている便利な売店である。
私は部屋に戻ってから、いろいろ買いたいものが出てくると思って、レストランで働く人に「隣の売店の営業時間は何時から何時まで営業していますか?」と聞いてみた。
レストランで働く人はすごく若くまだ経験も浅そうであった。その人はとても丁寧に「ルッキング・グラスの営業時間でございますね。ただいま詳しい者に聞いて参ります」と答えた。
そして数分後に「ルッキング・グラスは◯時から◯時まで営業しております」と答えてくれた。
私はここに東京ディズニーリゾートのブランド力を守る力を感じたのである。
私が売店と聞いたにも関わらずレストランで働く人は売店の正式名称であるルッキング・グラスという正式名称で答えたのである。
東京ディズニーランドホテルには売店はない。あるのはルッキング・グラスというお店である。
お店自体はほぼコンビニと変わらない形態ではある。
しかし、東京ディズニーランドホテルの中にあるものは売店などという安っぽいものにしないという強い意識を感じた瞬間であった。
それをまだ若く経験も浅そうな若い従業員さんにも徹底して意識されているのは、さすが東京ディズニーリゾートだと感じた。
世の中には、言い方を工夫することによってその物の価値を変えるということがよくある。
今ではどちらも一般的になったが、スパゲティをパスタと呼びだした時や、デザートをスィーツと言い出した時は違和感はありつつも、同じ物がなんだかおしゃれなものに変わったような気がした。
東京ディズニーリゾートでは働く人をキャストと言って、お客さんをゲストと呼んだりしている。
東京ディズニーリゾートは、このようにものの言い方を工夫することで他のアミューズメント施設と一線を画して、自身の価値を高めているのだと感じた。
細かなことであるがアミューズ施設のトップを走る東京ディズニーランドの凄さが身に染みた経験であった。
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