浦島太郎の真実
以前、noteで昔話の真実について語るという文章を二つ書いたことがある。
一つは「カチカチ山」、もう一つは「さるかに合戦」を題材にした。
特に「さるかに合戦」の方は、上手く書けたという実感があり、コメント欄でもかなり好意的な感想をいただき嬉しかった記憶がある。
そこで今日はその成功体験に乗っかり昔話シリーズを書きたい。
今日も元気に昔話の真実を暴いていきたいと思う。
昔話の秘密を丸裸にしていく所存である。
TBS系テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」をバイブル代わりに育った世代の私だ。
昔話には人並み以上の思い出がある。
私が愛する昔話の裏側に隠れる事実を暴露したい。
今回は「浦島太郎」を取り上げる。
まず最初に言えるのは「浦島太郎」は理不尽である。
これは誰しもが感じることだろう。
亀を助けて、お礼をしたい言われて竜宮城に行ったら、えらく歳を取らされて帰らされたという話である。
恩を仇で返されるとはまさにこのことである。
「いったい太郎が何をしたというの?」と釈然としない気持ちになる。
勧善懲悪であったり、教訓的だったりすることが多い昔話業界にとっては、「浦島太郎」は珍しい話と言わざるを得ない。
太郎は何か悪いことをしただろうか?
お礼をしたいと連れられて、竜宮城で歓待を受けただけである。
もし、そこで太郎が多少羽目を外したとしてもそれは許される範囲だろう。
誰しもチヤホヤされたら調子に乗る。
ちょっと調子に乗っただけでかなり歳を取らされるなんて、罪と罰のバランスが悪すぎる。ドストエフスキーだってびっくりである。
では「浦島太郎」は現代の私たちに何を伝えようとしてくれているのか。
きっと隠れた何かがあるはずである。
私はこれをずっと考え続けてきた。
そしてようやく最近、閃いたのだ。
これは現代の歌舞伎町のある一部の場面を予言した内容だったのだと。
そのように考えれば全ての謎が解け、この話の理不尽さが納得できる。
ついに真実に辿り着けた。
結論から言うと「浦島太郎」は悪徳バーに気を付けなければいけないという啓蒙的昔話なのだ。
私は気が付いてしまった。
順を追って謎を紐解いていこう。
まず「浦島太郎」は亀が子どもたちにいじめられているところから始まる。その亀を太郎が助けるところから話はスタートする。
しかしここで亀と子どもたちがグルだったと考えるとどうだろうか。
実は亀と子どもたちは太郎を担ごうとしているのだ。
ここでは歌舞伎町のこんな場面を暗に表現していると解釈できる。亀は女性、子どもたちは実はチンピラをメタファーとしている。
すなわち歌舞伎町の片隅で一人の女性(亀)がチンピラ(子どもたち)に襲われている。
そこに颯爽と現れる若いサラリーマン(太郎)。
女性「きゃーやめて!」
チンピラ「姉ちゃんいいじゃないか。ちょっとだけだからよぉ。一緒にいいことしようぜ。ぐへへ」
女性「やめて下さい!やめて下さい!」
サラリーマン「やめろ!やめろ!その人嫌がってるじゃないか!警察呼んだぞ!」
チンピラ「ちっ!余計なことしてくれやがる。ここはずらかるぞ」
というような場面を「浦島太郎」の冒頭では実は表現しているのだ。
女性(亀)とチンピラ(子どもたち)は裏で繋がっているので、チンピラはあっさりと立ち去る。
そして女性(亀)とサラリーマン(太郎)二人のやり取りになる。
女性(亀)が助けてもらえたお礼をしたいとサラリーマン(太郎)に申しでる場面だ。
女性「お兄さんありがとう。ほんとうに助かりました。良ければお礼させて下さい。このあたりにあたしがよく知ってる店があるの。一緒に行こ(ハート)」
サラリーマン「あっはい。そういうことなら(照)」
こうしてサラリーマン(太郎)はまんまと悪徳バー(竜宮城)に連れて行かれるのだ。
こうしたサラリーマン(亀)のようなカモを一人連れ込むごとに女性(亀)とチンピラ(子どもたち)には悪徳バー(竜宮城)からいくばくかのキックバックが支払われる。
悪徳バー(竜宮城)ではバーのママ(乙姫さま)から歓待を受ける。かわいいママ(乙姫さま)がいるはじめて入ったバー(竜宮城)という非日常世界にサラリーマン(太郎)は舞い上がり、ついつい飲み過ぎてしまい気が付けば明け方である。
そこでサラリーマン(太郎)に突きつけられたのは法外な請求書(玉手箱)だ。
急にひどく歳をとるという玉手箱の理不尽さは、実は一晩飲んだだけで何十万円というお金を取られる法外な請求書の理不尽さを表現していたのである。
ここでようやくサラリーマン(太郎)は騙されていたということに気がつく。
これが「浦島太郎」の真実である。
世の中には他人を積極的に騙そうとする悪い人がいる。
たとえ私たちが善良に生きていても、そういう人に遭遇してしまうことがあるということに警鐘を鳴らしているのが「浦島太郎」である。
今後、歌舞伎町に行く機会があれば、「浦島太郎」の話を思い出し、ぼったくりに気を付けていただきたいと切に願う。
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