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「つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた」

 伊藤絵美さんの本。今年は認知行動療法を自分でなんとかやってみることできないか、と思い手に取ってみた。

 架空の事例をベースに治療の進め方(どういうプロセスで進めていくのか)が、非常に分かりやすく、途中途中に挟まれる認知行動療法の解説もわかりやすく、とても役立ちそうな内容。
 認知行動療法のカウンセリング受けたい人にはどんなものなのかとても分かりやすいと思う。カウンセリングでどんなことをするのかよく分からないと思うので。

 セルフモニタリングが肝だと思うのだが、私はそれがかなり苦手。セルフモニタリングするのがめんどくさすぎて。めんどくさいという言葉に逃げているけれど、本当は怖いのかな、と思ったり。
 マインドフルネスの立ち位置がよくわからなかったのだけれど、セルフモニタリングの延長線上にあるとのことでしっくり来た。この本の事例ではマインドフルネスを身につけるのに半年から一年とあって、やっぱり結構時間がかかるものなのだなぁ、と。

マインドフルネスとは
自らの体験(自分自身をとりまく環境や自分自身の反応)に、リアルタイムで気づきを向け、評価や判断を加えずにそのまま受け止め、味わい、手放すこと

CBTを進めていくうえでセルフモニタリングスキルは不可欠です。セルフモニタリングによって「自分は今どうなっちゃっているのかな」という気づきを得ることができます。ストレス体験において「自分は今どうなっているのか」という気づきがあって初めて、私たちはその体験を乗り越えたり自分を助けたりすることができるのです。

 最初のヨウスケさんの事例の場合、セルフモニタリング、マインドフルネス、スキーマ療法とで、4年かかったとのこと。

 私は精神分析的心理療法(とは言え私個人向けに多少カスタマイズされているので厳密にそうかは微妙)なのだけれど、もっと時間がかかると思われ。4年ならば、最初からこちらにすれば良かったかな、なんて思う。まあケースバイケースなんだとは思うけれど。

 ヨウスケさんの事例を最後まで読んでみて、精神分析的心理療法も、認知行動療法も最終ゴールは同じというか、プロセスは多少違えども同じようなことをやっているのかな、と思ったり。手法は回復にそこまで大きく影響しないという論文を見たことがあるが、そんな気はする。

 もう一つの事例はワカバさんという、臨床心理士で認知行動療法を学びに来た人のもの。
 ワカバさんはなんら問題がない感じで進むのだが、マインドフルネスなどを進めていくにつれ、自分の中にあった考えのくせみたいなものに気づき、スキーマ療法に入るというものだ。
 生きづらさを認識していなくても、問題がなくともマインドフルネスを通して認知の歪みみたいなものが見つかることもあるのだな、と。
 治療のためだけでなく、より自分らしく自分の選択をするために役立つ、そんな事例だった。

 私もコツコツ、セルフモニタリング&マインドフルネスを取り入れていけたらな、と。まずはめんどくさがらず、少しずつ。1人でできるかな。

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