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そっと他人の横顔で妄想してしまう。

人間観察が好きだ。観察、なんていうと仰々しい感じだけど、ただあれこれ勝手に妄想してしまうだけ。とくに他人の横顔を見るのが好き。こちらを見ていない人を見るのが。

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こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

この癖は大学生のときにアルバイトをしていたときからのものだ。当時、家電量販店でカメラを販売するバイトをしていた。お客さまに接客して数あるカメラの中から選んでもらう。

お客さまのお話を聞いて、服装、靴や時計などのアクセサリー、話し方、雰囲気、すべてを計算した上で、お客さま自身に選んでもらうための数点に絞り込んだラインナップを即座に組み立てる。

わたしが勝手に一点に決めつけてはいけない。

なぜなら、お客さまはそれで満足せず「それで、ほかには?」というだけだから。

無知な大学生のわたしも、いくつか選択肢がある中から選ぶという行為が大事なのだと、接客を重ねるうちに理解していった。

だから、お客さまのニーズに合わせて、性能やカラバリ、価格など、少しずつ違うものを数点提示する。

そのためには、商品知識に加えて人間観察が必要なのだ。これは推測をして仮説を立て、会話の中で検証をしていくための第一歩。

凄腕の営業さんに「どうしたらカメラって売れますか?」と幼稚な質問をしたときに「くりた、お客さまがどのカメラ買ってくれるか、声をかける前の段階で考えてる? お店の中だけじゃない、街を歩いてすれ違った人たちがどのカメラを買ってくれるか考えてるか? 俺は考えてる」と言われて自分でも修行のつもりで妄想するようになったら、これが楽しくてハマってしまい、それ以来未だに人間観察をして勝手に妄想してしまう。

たぶん、もともとわたし妄想が好きだったんだと思う。

そこから人間観察が習慣化し、他人の横顔を見ることが好きになった。行儀の悪い趣味だ。でもやめられない。

たとえば、いつ会っても常ににこにこしている人も、そっと見つめると横顔は真顔だったりする。そのとき、顔のパーツがはっきりと浮かび上がってきて、イメージ以上に精悍な顔立ちだと気づく。「この人は、かっこいい人なんだ」と認識し直したときの、発見と驚き。

その人の生まれ持った顔のパーツのすばらしさや、素の状態のうつくしさを知りたくなる。そこから、その人がひとりでいるときの顔を妄想したり、こんなことを考えてるんじゃないかとアテレコしたりしてしまう。

これ、かなり性格が悪いと思う。人が見せようと意識していないところを覗こうとするんだから悪趣味だ。だから静かに観察して、妄想する。「うつくしい」などと思っても極力口にはしない。ひとりで楽しむだけにとどめている。

人間は自分の横顔を見ることはできない。自分はどんな横顔をしているんだろう、とたまに考える。あなたの横顔は、自分ではどんな表情をしていると思いますか?

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