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人間の髪が伸びていってしまうものでよかった、切りに行く必要があってよかった。なんの痛みもなく大きく変えられる場所が身体にあってよかった。

約6年ぶりに髪を染めた。ほんとうはブリーチしたかったんだけど、それは夏でもいいかなと思ったのだ。夏! ブリーチ! ドドーン! なんかいい感じな気がする。うんうん。

こんにちは、こんばんは。栗田真希です。久しぶりに自撮りしたらめっちゃ恥ずかしかったけど加工アプリのおかげでナチュラルに世に晒せます。

今日は陶器まつり期間中、唯一のおやすみ! ゴールデンウィークは波佐見のいろんなところをまわって取材撮影してたのだけど、客足も落ち着いてくる後半に休んでもいいだろうと上司と決めていた。

けさ、起きて鏡を見たら、顔がひどかった。ちいさなニキビ未満のポツポツが顔中に出ている。きっと疲れからくるものだろう。ここ数日オンライン陶器市の様子を見守りつつ、リアルの陶器まつりの取材やSNS発信を続けてきた。起きたらTwitter、昼間は電動自転車であちこちの祭りをハシゴし、途中カフェや家でスマホを充電しながら写真整理しつつ原稿にどうまとめるか考え、夜寝るまでTwitter。わたしがTwitter中毒者じゃなかったら危なかった。よかった、Twitter中毒者で。

まあ、ちっちゃいプツプツくらいならかわいいもんだ。化粧下地だけ塗って、パウダーをはたき、眉毛を描く。マスカラをして、リップを軽く一度塗り。肌が荒れてるから、アイシャドウもチークもなし。

車を運転して、いつもの美容室へ。夫婦で営んでいるとってもすてきな美容室で、なかなか予約が取りにくい。人気のあまり新規のお客さまを断ってるほどだ。腕もいいし、人柄も最高。

いつもお世話になっているので、陶器まつりで一輪挿しを買って、おみやげに持って行った。職人によってろくろでつくられた、ちいさな一輪挿し。落ち着いたマットなピンクグレーの釉薬がかかっていて、ふたりに似合いそうだと思ったのだ。

あんまり仰々しくしたくないので(そもそも安くなってたし)、無地の紙で巻かれたそっけない状態で渡す。その場で美容師さんが広げて中身を見て、受付の飾り棚に飾ってくれた。一輪挿しは、もともとあったみたいに、よくなじんでいた。これは、大正解ってやつだ!

「ありがとうね〜! 栗田さん、おみやげのセンスすごいあるよね。しかも、ちょうど最近おれたちお花をもらって、一輪挿しがほしいねってふたりで話しとったんよ〜」

おみやげのセンスを褒められると、すこぶるうれしい。いつも渡すまで「大丈夫かな?」とドキドキしているからだ。今回はとても場に似合っているので安心した。

お互いにこにこ鏡のなかで視線を合わせ、髪をどうするか決める。要望を伝える。夏にはブリーチしようかなと思ってること、その前にワンステップ、ブリーチなしのカラーも楽しもうと思ってること。

「じゃあ、おれも気に入ってるシナモンベージュにしよっか。赤みを抑えたやわらかいカラーで、栗田さん似合うと思う」

じゃあそれで。すんなり決まった。信頼しているので大丈夫。

髪をあれこれしてもらってるあいだに、いろいろ話すのが楽しい。先日のたのしい波佐見旅行のことも報告した。

「けっこう前ですけど、大村湾で夕日がきれいに見える場所教えてもらったじゃないですか。あそこ、このあいだ東京から来た友だちと旅の終わりに行ったんです。人もすくなくて、天気もよくて、最高でした。ありがとうございました」

そう、この美容師さんのおかげで、最高の夕陽を見られたのだ。きっとあの瞬間のために聞いておいたんだろう。そういうことってある。伏線を回収したりしなかったりしながら人生は進んでいく。

話してると、あっという間に髪がきれいになってゆく。最高の気分で店を出た。

帰り道、いつもの寄り道ポイントで。

友だちにさっそくこの写メを送ったら褒めてくれた。しめしめ。キツめの加工はしてないけど、肌のポツポツを消した。加工技術ってすごい。

髪を染めるのは、写真データを見返すと6年ぶり。地毛もちょい明るめだったからわざわざ染めなくてもいいかという気もしてたし、毛が伸びてプリンになるのもわずらわしかった。でも、一緒に働いているライターさんのブリーチした髪をzoomの画面越しに見たらときめいてしまったのだ! 同じ時期に「染めてもかわいいんじゃない?」と言ってくれた友だちがいて、たまには遊んでみるかあ〜と思って今回色を入れた。染めてよかった!

美容室って、癒される。人間は短時間で外見から変われるんだということも教えてくれる。今日、このお休みの日に、髪を切って染められてよかったなあ。

人間の髪が伸びていってしまうものでよかった、切りに行く必要があってよかった。なんの痛みもなく大きく変えられる場所が身体にあってよかった。気持ちまで明るくなった。

30minutes note No.1004

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