着物を着て生活したいのですが

着物って、いいですよね。でも堅苦しいのは嫌だなあと思っています。なので、できれば明治時代ごろまでのような着付けを習得したいのです。なぜ明治時代までなのか?を今日はちょっとお話させてください。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

わたしは大学の卒業制作で椅子をつくり、卒業論文も椅子について書きました。実は古くから日本に入ってきていた椅子文化。しかし、貴族や僧侶のあいだで使用されるくらいで、戦後までふつうのひとたちに使われるには至らなかったのです。

それに比べて、中国では明の時代につくられた椅子の背もたれにはすでにS字カーブがありました。北欧の巨匠デザイナー、ハンス・ウェグナーはこの明の椅子をリデザインし、それが彼の出世作となっているほどです。

なぜ着物の話をするのに、椅子のことをつらつら語っているのか、とお思いかもしれません。ここから着物の話に戻ります。

では、いろんな文化を取り込んできた日本では、なぜ中国などのように椅子の文化が発展しなかったのか?

それは、もちろん気候や住居など複合的な要因はあるのですが、大きな要因として、着物という文化があったからなのです。

この着物の機能性については、谷田部英正さんという方の著書で知りました。

ざっくりいうと、着物の帯が内臓を保護し、胸や肩の力みを抑制し、骨盤まわりを引き締め、姿勢の補助をしていました。していました、と過去形にしましたが、じつは現代の着物の着付けでは、そういった効用が失われてしまっているのです。

女性にはとくに共感してもらえると思うのですが、七五三、成人式などで着た着物、苦しくなかったですか? 着物=苦しいもの、と感じませんでしたか? どうして綿やタオルを入れないと着られないのかと思いませんでしたか?

苦しい着物。でもでも、日本人はずっと、着物を着て毎日暮らしてきました。椅子の背もたれなどいらないほどの機能性をもつ着物で。それが、苦しいばかりのはずはないんです。何が違うのか。「着付け方」が違うんです。

谷田部さんの本のなかに出てくるのですが、明治時代の女性と、現代の女性の着物を着た写真のシルエットはまるで違います。ゆったりと流れるように着物をまとう、明治の女性の写真。浮世絵に描かれた女性も、ゆったりと着物を着こなしています。

わたしは、できれば将来的には着物を着て生活がしたい。着物っていいなあと憧れています。けれど、現代風の着付けで窮屈に暮らしたくはない。もっと自由に、明治のころまでのようにゆったりと、からだに合った着付けをしたい。

そんな着付けを学べる場所はないものかなあ、と思っています。ご存知のかたがいたら、ぜひ教えていただきたいです。

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