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美容室で「わたしは犬かな?」と思ったことないですか?

わたしはあります。美容室で「わたしは犬かな?」と思ったこと。なんともいえない切なさを味わいました。わんわん。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

今日、髪を切りに行って、思い出した。そういえば、犬のようだと感じた瞬間があったこと。

それはもうずいぶん前のことで、安い美容室だった。学生でお金もなかったしね。スピーディーに仕上げることが至上命題かのようなふるまいの美容師さんで、とにかく急いでた。

ただでさえ「若いときのくりたさんはしゃべるのが遅すぎたと思う。いまでもゆっくりしゃべるけど」と言われてしまうわたしだから、余計にそのスピード感についていけなかった。

髪型の完成度がどうとかより、なんかジェットコースターに乗るような不安な気持ちだった。

いちばん切なかったのが、髪を乾かされるとき。ドライヤーをかけながら、手で頭をわしゃわしゃとされて、そのときの手つきが、人間にするものじゃないと感じた。荒っぽいというか。

わたしは、犬かな?

わんわんって鳴いてみたら、この必死でとにかく早く終わらさせようと頑張ってるヒトは、どんなリアクションをするだろう?

なんて想像してはみたものの、人見知りだし、そのスピード狂の人がこわかったので、黙ったまま座っていた。とろいわたしも、急ぐ美容師さんと同じく「早く終わってほしい」と願っていた。

っていうか犬はめちゃくちゃかわいいし、もしあのジェットコースター美容師さんだって犬を飼ってたとしたら、もっとよい手つきだったんじゃなかろうか。切ない。


今日、はじめて会った美容師さんは、力みがなくて、手つきが、指さばきが、とても美しかった。

そんな洗練された動作には「自分自身が余計な力の抜けた、いい状態でいることがバリ大事」と言っていた。わたしもバリ大事と思った。

あのお急ぎ美容師さんも、力んでた気がする。頑張ろうって思って、ああいう風になっちゃってたんだ。その美容室さん目線の気持ちを、大人になって今更妄想した。

力んでると、いいことがない。自分にも、周りにも。「わん!」って吠えてみるくらいの意味のなさとか、たまにはいいかもしれない。……やっぱ変かな、家でひとりのときだけ試してみよう。

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