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何故か抜けてた「入院2日目」

2019年11月1日 金曜日  2日目

♦︎朝七時半、快適な目覚め。 
酒もタバコもしていないと、目覚めがいい。 良いどころの話しでは無い。

瞼の重み0で、ゆっくりと目が開いた。  
実験が成功した、魂を吹き込まれたアンドロイドの目の開け方。

♦︎実はその前の朝六時が、本当の起床時間。 
その朝六時の起床時間と同時に、ベッドの上で、検査の為の血を抜かれた。
忍者みたいに、物音立てず、抜いていた。
、 
左腕だけをささげ、半分寝たまま血が抜かれる。
「寝ながら血を抜かれたことある、お知り合いっています?」 
と、後で誰かに聞きたい。

ヤクルトぐらいの量を、三本分。 くたばっている人間から抜く量では無い。
まぁまぁの量だ。 そして、なんのキャッシュバックも無しと、きている。

♦︎午前九時、本当は自分が出ているはずのラジオを聴く。 
産休中のはずの、喜多アナが出ている。 
先々週「お産、頑張って下さいね!」と、盛大にお別れの儀式をして、
花束をもらっていた人が、当たり前の様に、ラジオで喋っている。
、 
物凄い違和感。 あのお別れの儀式は、なんだったのか。
しかし、代演、ありがとう。

♦︎今日は金曜日。
安静にして様子を見た後の再検査は「土、日、月」の連休明けの火曜日になり、、
そこで、外科的な手術をするかが決まる……と報告を受ける。

一昨日の夜から、僕は絶食だ。 非常に耐え難い。 何か口に入れたい! 
もう……戻す前の「高野豆腐」でも良い。 

火曜日までの、とんでもない丸5日の絶食の旨を、主治医に、さら〜っと説明れたので、、
慌てて再度確かめると、、当たり前のように
「はいっ、そうです、、水分も、少しだけで、お茶、水、スポーツドリンクだけで、、それも、口を湿らす程度しか取らないで下さい!」とのこと。

完全絶食あっさり報告の刑! 本人の受け止め度合いとは裏腹に、報告はあっさり。

「は〜い、じゃ西森さんは、ひ〜ふ〜み〜よ〜、で、免許取り消しで〜す」 みたいな感じ。

度合いに対しての、言い方!!  

そして、僕はスポーツドリンクが好きでは無い。 味気ない、お茶、水、のみ、、信じられない。 

贅沢三昧の坊さんに言いたい……
「今は俺の方が坊さんやからな!」言いたい。
「金の腕時計して、お経あげるな!」言いたい。
「エンジンついてるもん乗るな!」言いたい。
「そうしたいから、してるだけのスキンヘッドとみなすからな!」言いたい。


♦︎午前10時50分。 まだラジオを聴いている。 
たっぷり三時間もあって、聴く側としては嬉しい。
午前11時、ラジオから「西川パンっ」のCMが、流れてくる。 
いつもなら、ここで8分間の休憩が入り、、毎回僕は、喫煙所で、タバコを吸う。
が……今は入院中で吸えない。 刷り込まれた条件反射、パブロフの犬状態。
タバコが吸いたくて仕方がない。 

やってくれたな「西川パン」!

普段なら「西川パン!」と聞こえて来るだけで、テンションが上がる。が、、今は逆。  

苦しい。
、  
病気よりも、酒、タバコ、などの嗜好品の断絶が苦しい。 もう既に、病気はどうでもいい。


♦︎13時……直接訊いて駄目だ、と言われると嫌なので、、
黙って「ブラックコーヒー」を飲んでいた。
すぐに見つかり怒られた。 
主治医に「コーヒーも刺激物ですよ」と、すぐに怒られた。

その少し前は「0カロリーコーラ」を黙って飲んでいて、怒られた。 
「炭酸なんて、ダメですよ!」 僕、心の中で「やはりね」

多分、この二回で、ナースセンターの壁に「西森飲み物監視」と、貼りだされたと思う。

「飲食物強制廃棄、可」とかも貼ってそう。

♦︎夕方。
ガムや、飴は大丈夫との報告を受ける。
「それ先に言えや〜」とばかりに、速攻で地下一階の売店へ。 
点滴のキャスター付きのアレを、キコキコいわしながら売店へ。

キシリトールガムのデカい、プラスチックケースの方を買った。 
あの、ワンカップ大関サイズのやつだ。 
ガムごときで、テンションが、上がる上がる。

「ガムや、やったぞガムや! 俺は今からガムを噛めるんや〜!」

次の次で順番が回ってくる、ジェットコースターを待つ子供。

待ちきれず、上昇しながらエレベーターで噛む。
長い時間の絶食と、人との会話の少なさのせいだろう、ガムが硬すぎて噛めなかった。 

体感は消しゴム。 総括すると、甘〜い消しゴム。

普通のガムなのに、、5回嚙むだけで、顎が硬直して開かなくなる。

この時は、インスタで加工された画像ぐらい、アゴ細かったと思う。
ほぼ宇宙人。 
ぐったりした宇宙人が、病室から故郷の方角の空を眺め、点滴をしている状態。

パブリックビューイングして欲しかったです。

♦︎15時……ヨメに着替えと、禁煙パイポを電話で要求。
禁煙パイポが、ヨメには通じなかった。 
現地から電話せよ!と、ヨメを特殊工作員扱いして、電話を切る。

コンビニに着いた、、ヨメ工作員、、から電話。 素早く出る。
「あの〜、この3×41#とか、書いてるやつかな?」
訊かれた。
「そんな製品番号なんか、覚えてるわけないやろ!」と 宇宙人姿で怒っておいた。

まるで、おばあちゃんと話してるようだ。 

さすが……僕が「鰹のタタキ」が嫌いな事を10年間、覚えなかっただけはある。

16時、禁煙パイポ獲得。

♦︎17時。
見舞いに来た、よしもと社員の2人に、、主治医が病状を説明。 
「こんな大きな膿の塊がお腹の中に!」と、野球のボールサイズを、両手で作ってみせた。

フリースペースのテーブルの端で、黙ってそれを聞く。 
僕的には「ハイハイ」てな感じ。 
そんなことより、ビールはいつになったら飲めるのだ! てな感じ。

♦︎よしもとの社員帰って、晩飯時間も終わった、夜19時。
面会時間は20時までで、あと一時間ある。

僕は4人1組の大部屋に入院している。 
「何かあるかも」と、前の痔の手術時と同様、大部屋だ。

向かい側のベッドには、20代前半の若い男性。 
これまた20代前半の彼女が、見舞いにやって来て、かれこれ一時間程、ヒソヒソ話している。

カーテンは閉まったままで、声しか聞こえない。

すると、ヒソヒソ話しが、一段とヒソヒソになった。 もう殆ど声は聞こえない。
少しして、急に普通の声の大きさで、彼氏のほうが

「あ〜〜〜」

いや、絶対フェラチオしてるやん! 思わずにはいられない。

いくら水分を我慢した後のビールでも、あそこまで「あ〜〜」て、ならんやろ!

絶対してるやん。 カーテン、シャーしたい。 

♦︎そして、なんやかんやで、入院二日目が終わろうとしている。
これは実は、たまにする、リアルタイム日記でした。
しんどいけど、その都度メモしてました。

色々あったが「今日のファインプレー」を紹介します。
「ガムとかの糖分がいいって事は、砂糖の入ってるお茶の「紅茶」は大丈夫ですよね?!」
の質問で……「午後の紅茶のストレートティー」を飲む権利を獲得した。

超ファインプレー。 スポーツドリンク以外での、糖分を含む飲み物を獲得。 

今日のファインプレーでした。

絶食から……48時間経過。

おやすみなさい。

😀何人かの子供の声で「西川パン!」
その音声流されたら、タバコを吸うしかない。

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