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【美術】ロココとフラゴナール

久しぶりに美術について書きたいと思います。

余談ですが、美術について書いた記事をマガジン設定しました。是非プロフィールからご覧ください。

本日はロココとフラゴナールについて。

ロココとは、18世紀、位置付け的には以前書いたバロックの後の時代に当たります。バロックに比べて、貴族的で優雅・繊細な印象を受けるロココですが、バロック時代の一部に位置付けることもあるようです。
テーマ自体はバロックと共通しますが、それをもっと軽快に描いた、とイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

ロココはロカイユ(rocaille)に由来する言葉です。ロカイユは岩の意味で、バロック時代のグロット(庭園洞窟)に特徴的な貝殻で装飾された岩組を指しましたが、そこから転じて、1730年代に流行した、貝殻の曲線を多用したインテリア装飾をロカイユ装飾(ロカイユ模様)と呼んぶようになりました。

こんなイメージです。

ロココは、ルイ14世(在位1643年 - 1715年)の威圧的な壮麗さに対する反動として、開放的なものが求められる時代の流れの中で発展しました。ルイ14世は72年もの在位期間(ギネス記録)を誇る「大世紀」を築いた人物です。文化的にも反動が生じるのは自然のように思います。しかし、ルイ16世(在位1774年 - 1792年)が即位した頃から、装飾を抑え直線と均衡を重んじるルイ16世様式(広義の新古典主義様式)に次第に取って代わらるようになりました。

宮廷の煽りを大きく受けた時代ですね。


ロココ時代の有名な画家は何人かいますが、今回は、ジャン・オノレ・フラゴナールに触れます。

フラゴナールは、自由奔放な想像力と高い技術で、自然を舞台とした自由な恋愛情景を描きました。「恋愛」がテーマとして描かれるようになったのもロココ時代の特徴と言えます。

こちらは有名な『ぶらんこ』という作品です。

よく見ると左下に青年が描かれており、中央の女性のスカートの中をのぞいています。
しかも、この青年こそがこの絵を描くよう依頼した人物というのですから面白いですよね。

このように、ロココ時代の絵画は軽薄、とも評価されがちです。そのため、当時はほとんど評価されなかったとも言われています。


当時の抑圧から解放された貴族の楽しみと思うと、ロココの絵画も微笑ましく見えてくるのではないかと思います。

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