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また会う日を楽しみに

もう何年も会っていない人がたくさんいる。

今どこで何をしているのか分からない。連絡先も知らない。ずっと昔に少しだけ親しかった人たち。

僕は人見知りをする方なのであまり人と打ち解けた記憶がない。だから親切にしてくれた人のことはずっと覚えている。

学校帰りに一緒に遊んだ同級生。仕事が終わった後に何時間も雑談していたバイト仲間。いつも気にかけてくれた先生。僕みたいな変わった奴に優しくしてくれた女の子。一緒にデートに行った彼女。

いつだって友達ができるのは嬉しい。恋人ができるのはもっと嬉しい。

自分で自分の居場所を作ることはできるが、誰かに認められることで与えられる居場所の心地よさに勝るものはない。

そしてその与えられた居場所はあっけなく消えてなくなってしまう。ずっと続くと信じていた楽しい時間は驚くほどすぐに終わりを迎える。

人がなぜ結婚なんて面倒臭いことをするのかずっと疑問に思っていたけど、風に煽られた木の葉のようにどこかに行ってしまわない、確かな居場所を家庭に求めて誰かと一緒になるのだろうか。

今は今で周りに人がいる環境で生きているから別に寂しくはない。それに矛盾するようだが僕は一人でいる時間が好きだ。映画だって温泉だって当たり前のように一人で行く。

でもたまにひどく昔のことが懐かしくなる。僕と一緒にいてくれた人のことを時々思い返す。

連絡先も知らない時点で大した関係でなかったのだと思う。きっとこの先二度と会うことはない。

それに彼らはたぶん僕のことなんてもう覚えていない。

会ったところで話すこともない。天気の話でもしてすぐに別れるのが目に見えている。

ただ漠然といつかまた会いたいなと思っているだけだ。生きていれば偶然どこかで会うかもしれない。天気の話ができるかもしれない。

そう思うだけで生きる楽しみがひとつ増える。

夜中のテンションで気持ち悪い文章を書いてしまった。

明日確実に後悔する。

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