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富岡多恵子讃


 わたしの本棚で二段使っている女性作家は富岡多恵子と田辺聖子。 それにわかぎえふも一段あるということは、お三方が大阪人であることに親和性を持ったということかもしれない。(かくいう媼も大阪女ですので。)

  冨岡多恵子は初め詩人として登場した。ローカルな話、富岡多恵子は大阪女子大の学生だった頃、近くの帝塚山学院の先生だった小野十三郎に詩の原稿を見てもらいに行ったことが自伝「青春絶望音頭」に書いてあった。着物でしかも下駄で行ったとある。へーっ。その頃の女子大生は学校へ着物を着て行ったりしてたのか。1935年生まれだから20歳の時は1955年(昭和30年)。媼が小学校2年の時。そう言えば女子大生のお姉さんは銘仙の着物を着たりしてたかな〜。

 初めての詩集出版に十万円かかり、それは実業家のお父さんが出してくれて、その詩集がH氏賞をもらった時に、お父さんは「もう元が取れたか」と言ったという。                                   そのタイトルは「返礼」(1958)。以下「カリスマのカシの木」(1958)「物語の明くる日」(1961)「女友達」(1964)。わたしの持っているのは「富岡多恵子詩集」(1967)で、上記の詩集から載っている。

その詩からはT・S・エリオットを彷彿としたが、なるほど富岡多恵子は学生時代は英文学を学んでいたらしい。大学同窓の作家河野多恵子と一緒にイギリスへ旅した「嵐ヶ丘ふたり旅」(1986)やアイルランドへの「ひるべにあ島紀行」(1997)、一昨年同島へ旅した媼は再読したくなってきた。これでは本の整理はいつできるやら。

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上の写真は@ゴールウエイ、アイルランド               
左:アイルランドの作家オスカー・ワイルド、            
右:エストニアの作家エドゥアード・ヴィルデ。



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