ヤマロク醤油_1

醤油の出番が増えたら

醤油の原材料は3つ。さて、何でしょう? 大豆、麹、塩? 我が家の醤油瓶には大豆、小麦、塩と書いてある。

小豆島のお醤油屋さんを訪ねたことがある。木桶を作る職人がいなくて、醤油屋さんのご当主自らが木桶づくりの修行に出て、自前で木桶を作るようになり、今では樽職人が弟子入りしているという場面に出会った。

ちょうど春の選抜高校野球に21世紀枠で小豆島高校が出場するという時期、昨日、木桶づくりに高校球児が参加したという。削った木をつなぎ合わせながら樽にするのだけれど、横の接着面にマジックでなにやら書いてある。

未来へのメッセージ。ここに書かれた想いを次に目にする機会は100年後。彼らの子孫がみたらと思うと、わくわくする遊び心だ。


家族総出で生業としている家内制工業、醤油は瓶づめだ。オートメーション製造でビニール容器にはいった醤油は、小豆島の蔵元では見かけない。一説には工業化の波に乗り遅れたことが、昨今の自然回帰で脚光を浴び、観光客に好まれているという。

小豆島には醤の郷(ひしおのさと)と呼ばれる地区がある。レンタサイクルで行くと、ほのほかに醤油の香りがするような気がする。


我が家の醤油は小豆島産だ。冷蔵庫には刺身や餃子用のもの、調味料ラックには新桶初絞りの瓶。醤油にもあるのだ、初絞りが。大事にとっておいたら、消費期限がせまってきたので惜しげなく使うことにした1本。

ある日の晩御飯は早生の栗ご飯、けんちん汁、かぼちゃの含め煮、ナスのピリ辛香味漬け、オクラの肉巻き。

3品に醤油を使っているのに飽きない。食材から秋の味覚を楽しむと思いきや、実は醤油味が立派な立役者ではないか。焼きサンマしかり、煮物しかり。

手始めは卓上用の小ぶりなものを買っていた。今では食卓に720mlの瓶が出る。醤油差しはいらない、瓶のデザインがすっきりとしているから。

こんぴら百段 サヌキノ了見には醤油図鑑なる記念誌のプレミアものが、こっそりある。(写真は後日)。

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