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3児ワーママのソムリエ試験体験記(独学一次になる前②きっかけと妊娠出産、申込まで)


じつは約10年ちょっと前に、一度ソムリエ試験を受けていて、そのときは一次試験合格したものの、二次試験を放棄しているんです。

当時、武蔵小杉のタワーマンションができる前の東横線を通り、緑を感じる落ち着いた都会にある奥沢駅のワインスクールに通っていました。

とはいえ、通い始めは本気で資格を取ろうと思っていたわけではなくて。

多分、ワインという飲み物の不思議な魅力に惹かれたのかもしれません。
スクールに通う建前としては、本の中の歴史や地理、絵画で描かれているようなワインの本質や教養をもっときちんと体系的に学ぶためにでした。
本音はお酒が大好きで興味があったからなんですけど。

わたしはもともと接客が好きで、それもあってホテルに勤務をしていました。
スクールに通っているうちに、ソムリエ試験に合格したら、ワインを勉強したら、仕事でもスキルアップできるし話の幅も広がる、
ということが、私の中ですべて合致して、いつの間にかソムリエ合格のために通うようになりました。

でも、初めはゲヴェルツトラミネール??ロモランタン?シノニムって?
本当になにもわからないことだらけ。
あまりにも全然わからなさすぎて、講義を終えた講師の先生を捕まえて、
近くのワインバーでスクールメイトのお姉様達とあーだこーだいいながら、
大抵は終電まで飲んで、語り合っていました。
今となっては結局のところ、それが1番、私にとって楽しかった時間なのかもしれません。

初めはぶどう品種がたくさんあることも知らなかった時から入ったワインスクール。

勉強はまずまずでしたが、勉強が全く苦痛に思わず、このまま計画通りにいけば、みんなで合格間違いなしだとおもっていました。
試験までもみんなで情報を共有しながら、一次試験を受け、頑張った甲斐もあり一次は合格するものの、そのときに妊娠をしていることがわかりました。
初めての妊娠だったので、そのときすごく戸惑ったのを覚えています。

勿論まわりのみんなは祝福してくれました。
しかし、当時は妊娠、出産となると接客業の職場にとってはとても風当たりがつよかったもの。
『いつ辞める?』って言われた事もありました。
とても辛い思いをしたので、正直そのときのことはあまり思い出したくありません。
つわりもひどく、一時期休職もしました。
いつも通り動けないプレッシャーがあったんだと思います。悔しかったんです。

そして子どもが生まれるとまた状況は変わります。
当時、先輩女性たちには仕事のことでも子育てのことでも、かなり助けてもらってなんとかなりました。
いまでも彼女たちには頭が上がりません。
それからも、本当に悩みに悩んで、けっきょくのところ子供を育てながら仕事を続けました。

でも、ソムリエの資格をとることはあきらめました。

その時の仲間たちは結局わたし以外みんな合格していました。
そのころのわたしの気持ちは複雑な心境で、受けれなかった、目指せなかった悔しさや、一緒に頑張ってきた仲間たちへの申し訳なさとか、
お酒を飲みながら、すっきり話したかったけどそれも叶わない。
ともかく、いろんな感情が入り混じった事とだんだんと一緒に楽しめなくなってしまって。
だから、少しずつみんなとも距離をおくようになっていました。

それからというもの、仕事に復帰しても、ソムリエという資格からは少し遠巻きに見ていたと思います。
なんだか別の世界の話にも思えてました。
わたしには関係ない、と。

そして月日が経ち.....
気付いたら3児の母になっていました。
仕事も順調に続けていて、いまは少し余裕が出てきたんだと思います。

ある日、たまたま通ったシャッターの閉まっている近所のワイン屋さんがあって。
不思議なことに、そこでまた、自然とワインの事を教わるようになりました。

フランスワイン、日本ワイン....
ナチュール。仕立て方や醸造技術、
素晴らしい生産者達。

あの時飲んだ感動する程の香りや味わい
その表現方法。

話せば話すほど、教われば教わるほど、
ああ、あの時やり残していた事が思い出されます。
そういえば、まだ、わたしには学びたいことがあったじゃない。
今年は頑張ろう。いまなら頑張れる気がする。
と、気がついたら、ソムリエ試験に申し込んでいました。受験番号を見る限り8番目。

どうせなら、やらない後悔よりやって後悔したほうがいいに決まってる。
もともとわたしはそういう性格だし、今は一次試験は2回受講可能できるし。
(昔は年に一回でした)

ダメならもう一回チャンスがあります。
それでもダメなら、何回でもやればいいか。
もう一度、全てはここからスタートしようと心にきめた瞬間、わたしの中のモヤモヤが晴れたのです。

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