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　（夢）鹿　は枯れ野を駆け巡る。
　角も立派惚れ惚れ、路肩に５頭の逞しい雄鹿がいた。
　一頭の雄鹿と目が合う、踵を返して車の進行方向へ走り出している、牧草地の中は走りやすいだろう。
　あの道を右折すると、雄鹿達の前に出れる筈・筈〜、雄鹿達を写メ出来る筈と計算してスピードをあげた。
　前もってスマホを立ち上げ・・走行中危険極まりない事は解っている、カメラモードにして、なんとか、絶対に写メ出来る筈、出来るだろう。
　前に出れた💦💦車を除けて雄鹿達、大きい、角も立派、冬毛に変わり背中は黒が強いグレーになっている。
　一頭一頭と目が合う、悔しい〜野生動物は足が瞬速過ぎる　悔しい〜、あっの短い声さえ出す暇もなく彼等は遠く迄走り去っていく。
　それでも未練タラタラな私、遠ざかる雄鹿達の白いお尻の毛が　ボワッ　を写メした。
　９月１０月の繁殖期が過ぎ去り、群れは雄鹿だけ、
雌鹿だけになっている。
　時折一頭だけの雌の鹿がいる、以前から不思議に見ていた。
　近くに群れがいるのに、何故一頭だけポツンと歩いているのだろうか　？
　
「一頭だけ群れから離れている奴がいるだろう、あれは撃たない」

「いますね、どうして群れにいないのですか　?　」

「婆さんなんだよ、だから群れから出される」

「そうなんですか、姥捨て山みたいですね」

「マア　そんな所だな、肉がまずい、やっぱり上手いのは産まれて一年前後だな」

「本州から鹿撃ちに来る人達は、角が目的だから雄鹿しか撃たないからな～雌が増える一方で、マア〜増えるわ増えるわ、手が付けられないな」

　その後も猟師さんと色々話したが忘れた。

　我が実家にいた雌の鹿、私を見ても逃げなかった。
　そのまま放っといて畑仕事をしたり、ちょっとひと休み、雌の鹿は２メートル後方にいた。
　２カ月位すると1メートル近く迄来る様になっていた、まんざら悪い気持ちではなく、空気の様な存在と放ったらかし続けた。
　疲れたからひと休み、お弁当食べて我が耕した畑を、これも又、自分の仕事が見えてご満悦しながら眺めていた。
　後ろで、ドサッ　驚いて振り返ると、あの雌の鹿が５０センチも離れていないで寝ていた。
　悪い気はしない、のどかで平穏な時間がな流れて行った。
　花畑に花が咲いた　😓　全部の花が奴に食べられた。
　実りの季節の一歩手前　😱😱　豆は、つるだけ　‼⁉　　葉っぱを全部食べられた。
　トウキビ　😱💦　ボキボキ折れて、まだ若いコーンはガシャガシャ食べられて、凄まじい嵐の後の様。
　残っている野菜だけでも守ろうとして、ネットを大金（笑）使って張り巡らせた。
　雌の鹿はネットの外から私を見つめている。
　私は安心していた、これで大丈夫、なんとか収穫出来るわ、かぼちゃも沢山成っている。

　♡産まれたばかりの子鹿が雌の鹿の後ろにいる😓

　この子鹿が　!!　ネットをくぐるのを見てしまった。
　潜られないようにしたが、小さな子鹿は何故か畑の中、私はもう来るな～と追い払う事にした。

　今では、私の姿が無い時に来て色々食べている、好物は桔梗とボケという赤い花、花菖蒲、アヤメ等、３年前から、実家の花畑には・・・花が咲き乱れる事がなくなった。
　

#エッセイ