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すべつな~もう一人の女神アルテミスと薬草アルテミシア

昔からたびたび、月に魅せられては半ばとりつかれたようになる時期があった。

思い返せば学生時代。教科書に載っていた、とある月をモチーフにした歌の情景が私の想像力をかき立て、その光景が授業の内容が入ってこなくなるほど領域展開されたことに端を発する。
以降自分の中で流行が起こるたび、月にまつわる本を探し求めたり、歩きながら月を見つめすぎて電柱に激突したりしてきた。
だから前回の記事に登場したルナサンダルの購入を決めた理由の一つが、その名前に惹かれたというのも恥ずかしながら嘘ではない。



ところで。
月の神さまと言っても地域によって様々あるが、薬草としても知られる草「ヨモギ」の学名が、ギリシア神話に登場する月の女神アルテミスからとられた「アルテミシア」であることはご存じだろうか。

正確にいえばヨモギ属を指す名前なのだが、このアルテミシア属に含まれる成分「アルテミシニン」が少し前に注目を浴びていたので、覚えのある方もあるかもしれない。
古くはマラリヤに対する特効薬として利用されてきたが、一部ではガンに効果があるのでは・・とか、コロナ治療にも期待されている・・とか。そんなウワサもあるようだ。
実際ガンやコロナにどんな効果があるかは何とも言えないが、そこは昔から広く漢方としても利用されてきた薬草界の女王である。多々ある薬効により我々を癒してくれるのは間違いないだろう。



ヨモギ属がなぜ女神アルテミスの名を付けられたのか、というのは諸説あるようだが、その薬効は特に女性の心身の健康を整えるのに発揮されている。

たしかに婦人科系の不調は「月のモノ」と表現されたり、日々変化する月の姿をミステリアスな女性の表情に例えたり、もしくは出産と月のイメージを女性と重ねたり、というのは間々見かける。
そういった連想ゲームが適切かはさておき。やはり月と女性は切っても切れない縁を感じるし、月の女神アルテミスが婦人病に処方したとされるのがヨモギならば、女神の名を冠したのは実に相応しいと思うのだ。

だがしかし、ヨモギの薬効を得るのはご婦人だけの特権ではない。
普段スギナ推しの私ではあるが、万能選手のヨモギだって勿論常備しておきたい薬草の一つなのだ。<つづく>


※ ギリシャ神話に登場するアルテミスは月の女神であり、貞潔や狩猟の神でもある。また疫病や死をもたらす力と同時に治癒の力を併せ持つとも言われ、荒々しい一面も。(複雑すぎる素性・・)

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