80歳のセンパイと暮らす。(22)

お盆も終わり、冷やしうどんを一緒に食べていたセンパイから宿題が出た。

さっき雑誌を読んでいたら、すごい話が出てたのよ。

なに?

介護士さんが亡くなった人をお風呂に入れてきれいにする話。その時に「ぜひご家族も一緒に洗ってあげて下さい」って。優しい気持ちになれるんだって。

!!それはすごいね。

あなた、出来る?私の時。

うーん(即答できない)

ま、考えておいてね。

・・・わかった。

この話、その後もひとしきり続いた。
父が亡くなった時、火葬場が混んでいて、暫く家で待機の状態になったので、いわゆる納棺師さんにきれいにして貰うことにした。冬だったが、暖房があるので傷みやすいからだ。男女2人がやってきてものすごい手際の良さで、亡くなって数日経った父を風呂に入れ、きれいにしてくれた。初めてのことで結構な衝撃だったが、やはりきれいになったのは嬉しかったのを覚えている。もう生きてはいないけど、まだモノになっていないというか、ヒトとして扱われている気がしたからだろうか。そして、あの仕事、すごいなぁと感心した。どんな気持ちで仕事に臨んでいるのだろう。
で、それを家族が一緒にやる!?
優しい気持ちになれるのはわかるように気がするけど、、、私に出来るだろうか。センパイからの大きな宿題、承りました。

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