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はじめての撮影ディレクション

今回は私がディレクターとして携わった経験をもとに、
はじめての人でもわかる撮影ディレクションの流れやポイントなどをまとめました!
もちろん、撮影するものやスケジュール、予算などによって変わってきますので参考までにご覧ください!

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オリエン・ヒアリング

クライアントからのオリエンでは、
・撮影する目的、要望
・撮影する商品(ブランド)について
・ターゲット
・予算
・使用範囲(使用する媒体や掲載期間)
・公開日(発売日)
などを細かくヒアリングします。

スケジュール作成

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公開日から撮影予定日を逆算し、それに合わせて撮影準備・レタッチ・デザインなどのスケジュールを作成します。(予算から見積もりも作成)
最初はざっくりと作り、デザイン案が決定した後くらいからより詳細なスケジュールを作成します。

【POINT】
● 撮影予定日、制作期間はバッファを見てスケジュールを立てる
● クライアントに今後変更があることを伝える

デザイン提案・決定

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ヒアリングした内容から、デザイナーがイメージ を作り込み、2〜3案ほどのデザインを作成。

POINT
● 提案時は手書きラフの他に素材サンプル、参考写真などを見せてより仕上がりがイメージできるように

協力会社の検討

撮りたい写真を考えて、どういう写真が得意なのか、どういう実績があるのか、予算に見合っているかを基準にカメラマンを選定し、打ち合わせアポを取ります。デザイン案から撮りたい写真のイメージ・だいたいのカット数 を伝え、ざっくりとした見積もり・撮影可能スケジュールをいただきます。

POINT
● 協力会社検討の段階ではクライアント名は伏せておく
● スタイリストやヘアメイクはカメラマンと付き合いがある方を紹介いただいた方が手配が省ける&連携がとりやすい

▶︎プロダクションを使うの場合
予算がある大手クライアントの場合はプロダクションを使うことが多いです。デザインのイメージをもとに最適なカメラマンの紹介、スタイリストや撮影場所、香盤表などあらゆる手配をしていただけます。

▶︎キャスティングが必要な時
モデル事務所やキャスティング会社に依頼します。
モデルによってランクがあり予算に大きくか変わってくるのと、使用範囲や期間、競合NGなどもチェックが必要です。

協力会社決定・カメラマンと打ち合わせ

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カメラマンの実績からイメージしたものを再現してくれそうな方を選び、予算やスケジュールなど総合的に判断したうえで協力会社の決定をします。
クライアント・商品(サービス)の情報を開示した上でコンセプトや構図、写真のトーンなどデザインイメージをどう作っていくかカメラマンと具体的にすり合わせていきます。
(経験の多いカメラマンは打ち合わせの段階で色々提案してくれます)

POINT
● カメラマンやプロダクションなどとの契約は内容はよく確認

撮影場所選定

撮影する写真によって変わってきますが、
撮影場所はホリゾントスタジオ、ハウススタジオ、ロケーション撮影などがあります。
スタジオはそれぞれ利用料金や光の入り方、駐車場の有無、スタジオ内の備品も違うので事前に確認、またはロケハンが必要です。
ロケーション撮影は、事前に許可を取っておくのが必要なのと、同じく光の当たり方も重要になってくるので、ロケハンを行います。

POINT
● 時間で貸しの場合は、準備や片付けなども含めた時間も考慮
● 自然光の撮影は天気に左右されるので予備日を設ける
● 場所によってはロケハン代(交通費など)がかかる

香盤表作成

香盤表とはどういう写真をどんな順番・時間で撮影するか詳細に記載したスケジュールです。カメラマンなどとすり合わせて決めていきます。

▶︎香盤表に書いてあること
・日付・場所・時間(集合時間、終了時間)
・撮影する順番
・撮影するカット(使用する小物、小道具など)
・各カットの撮影時間(セッティングや片付けの時間も入れる)
・注意事項

POINT
● 撮影時間を考える際は、移動・準備の時間、セッティング、日照時間なども考慮し、効率の良い撮影の順番を決めていくことが大切
● 食品や花など時間経過で鮮度が落ちたり、見た目が悪くなるものは撮影のスピードが命!(子供の撮影も短時間で終わるよう考慮)

デザインカンプ

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撮影した写真のレイアウト・比率が問題ないか確認できるようデザインカンプを作成しておくと安全です。香盤表と合わせて撮影スタッフに共有します。

POINT
● 最終的にデザインカンプと多少変わってきたり、トリミング調整ができるよう、ある程度引きの画角で撮ってもらう

撮影小物・お弁当の手配

撮影小物
スタイリストがつかない場合、撮影で使う小物などを用意します。
購入する予算がない・見つからない時は、レンタルで借りれるところもあります。

POINT
● 借りる期間によって在庫・料金が変わるので注意が必要

▼撮影小物・家具レンタルショップ参考
AWABEES
barbie

お昼ご飯
撮影は丸一日かかることがほとんどなので、人数分の昼食、お弁当・ケータリングなどを手配します。選べるよう何種類かあるといいでしょう。
やはりご飯が美味しいと現場のテンションが上がります!!
女性が多い現場だと女性受けするオーガニックやスイーツがあると喜ばれます!

POINT
● 好き嫌いが多そうなものは避ける(パクチーとか)
● なるべく時間が経っても美味しく食べられるものを選ぶ

▼お弁当・ケータリング参考
KIRARA
MOMOE

撮影当日準備

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当日はちょこっとつまめるお菓子(甘いものとしょっぱい系)、
お茶・コーヒー・水などが揃った飲み物を撮影前に買い出しします。

進行管理

スタジオは時間で借りているので、遅れがないよう時間配分には注意が必要です。(稀にデザイナーのこだわりが強すぎて深夜までかかることも…)

POINT
● 音楽をかけてその場を盛り上げる
● モデルさんへの「かわいい!」「素敵!」との声かけも大事

撮影内容の確認

撮った写真をデザイナー・カメラマン・クライアントと話し合いながらアングルや明るさなどを決めていきます。

POINT
● 撮影時、商品ロゴがしっかり見えているか向きや角度に注意
● 撮影する商品は予備含めて数を多めに手配
● 比率的に問題ないか確認(不安な場合はその場で画像をはめ込んで見る)


後片付け

撮影で出たゴミや小道具などを片付け現場復帰をします。
(合間でこまめにやっておくと時間も省けます)

写真選定

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当たり画像もらい、写真選定をします。
クライアントに確認後、レタッチ依頼。(この時点で写真の気になる点など指示書にまとめます)

レタッチ

レタッチャーに依頼後、何度か確認のやりとりをし、(このまま終わる場合もあります)最終的にレタッチャーと直接話し合いながらレタッチ立ち合いをします。印刷の場合は画面だけで確認せず、出力されたものを引きで確認した方がいいでしょう。

POINT
● ポスターなど大きく写真を使う場合は、細かい色味や明るさなどレタッチャーと調整した方がいい
● レタッチで明るくしすぎて実際の商品の色と違う!ということにならないように注意

色校正

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色指定した部分がイメージした通りに刷られているかを確認します。
必要ない場合もありますが、印刷する紙によって色が変わってくるので、刷り直し(大ロットの場合は危険です)にならないよう色校正は行いましょう。

POINT
● モデルの肌色と企業・商品のブランドカラーは特に注意して確認

デザイン制作

レタッチされた写真を仮で入れていた画像と差し替え、デザインへ反映します。

POINT
● 差し替え前の画像とレタッチ画像がゴチャ混ぜにならないようちゃんとフォルダ分けしたり、差し替え前の画像が”仮”ということが分かるよう目印をつける

最後に

ここまでの撮影ディレクションについて、いかがだったでしょうか?
最近、写真によってクオリティが左右されるなぁと思うことが多く、
撮影ディレクションの大切さを痛感していました・・・
デザイナーやカメラマンなどみんなでいいものを作って、クライアントやお客様に喜んでいただけたら最高ですよね!
これはあくまで一例なので、会社やクライアントによっては異なると思いますが、撮影ディレクションの際の参考になれば嬉しいです。


 


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