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多分、この世で一番複雑なもの。

カクヨムで連載されていた、「恋を知らぬまま死んでゆく」を読んだので感想と共に作品をご紹介します!

作品情報

タイトル:恋を知らぬまま死んでゆく
著者:負け犬お捺様
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054887253318
作品の傾向:現代学園モノ(高校生)・ミステリー・アロマンティック

作品の概要

ひとりの少女の死をめぐる、恋と痛みの青春ミステリー――負け犬お捺

「失恋した。この気持ちは聖良ちゃんにはわからないよね」
高校三年生の秋、私の留守電に謎めいたメッセージを残して菜々子は海で死んだ。
事故だった。
――でも、もし本当は自殺したとしたら?
仲違いしていた幼なじみの死の真相を知るために、私は恋をしようとする。
同級生の青井を巻き込んだ、つたない恋人ごっこを通して。
理解できない他者と失われた想いを追いかける、青春ライトミステリー。

「出典:作品名/恋を知らぬまま死んでゆく 著者/負け犬お捺のhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054887253318 (2019年1月25日22時にアクセス)の概要より抜粋」

作品の感想

この作品で主題となるテーマは、「他者の思考/想い」だと思った。
きっと「他者の思考/想い」というのは、この世で一番複雑で、不確定で、あいまいなものの筆頭だ。
人間の一人一人が、毎時毎秒「思考」している。「想い」は移ろい変わりやすいものだから、尚更よくわからないものだ。
「思考/想い」というものは、結果が似かよっても、答えに至るプロセスが全く同じものになることはない。(と、僕は考えている)

さて、前置きが長くなったが「恋を知らぬまま死んでゆく」の主人公は、二つの謎に挑戦することになる。

一つは、他者の思考と想い。
もう一つは、自分の思考と想いだ。

***

「恋を知らぬまま死んでゆく」の見どころは、主人公が、二つの謎に誰よりも真摯に向き合い、知ろうとする姿勢にあると思う。
この二つの謎は、答えがあるようでなかったりする、あいまいで不確定なものだと僕は解釈している。
これは、もしかしたら一生を賭けてもわからないかもしれないことだ。
そのことを、読者である僕はよく知っている。
しかし、主人公はそんなことはお構いなく、行動して、自分と、他者と向き合おうと努力する。
僕は、そんな彼女の誠実な姿に胸を打たれた。
一生を賭けてもわからないかもしれないことに向き合える彼女が、とても眩しく見えた。

僕は主人公が「自分/他者」と真摯に向き合うプロセスを追えることに、この作品の価値を見出しました。(勝手な解釈ですが……)
なんとなくだけれど、僕は自分なりの「答え」を得たように思う。
主人公が「答え」に辿り着けたかは、是非本編を確認して欲しい。

作品情報

タイトル:恋を知らぬまま死んでゆく
著者:負け犬お捺様
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054887253318
twitter: https://twitter.com/nat_zki
作品の傾向:現代学園モノ(高校生)・ミステリー・アロマンティック

※この記事の感想はカクヨムへのレビューを修正したものです。修正にあたり、親身に協力してくれた友人に感謝を。

images : Photo by Mike Yukhtenko on Unsplash

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