【読書記録】2023年7月

毎日暑くてグッタリしています。早速、7月の読了本の紹介です。7月は10冊読んだので駆け足でいきます。


1ー2冊目:綿矢りさ『生のみ生のままで〈上〉〈下〉』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

25歳、夏。逢衣は恋人の颯と出かけたリゾートで、彼の幼馴染とその彼女・彩夏に出会う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかり。けれど、4人でいるうちに打ち解け、東京へ帰った後も、逢衣は彼女と親しく付き合うようになる。そんな中、彼との結婚話が出始めた逢衣だったが、ある日突然、彩夏に唇を奪われ――。女性同士の情熱的な恋を描く長編。

綿矢りさ『生のみ生のままで〈上〉』より

お互いに男性の恋人がいるのに、惹かれあう逢衣と彩夏。女性同士、心と身体をおもいのままに求めあい、逢衣は彩夏と一緒に暮らし始めた。しかし、仕事も恋も順調に回ったかのように思われたが、週刊誌によってふたりの関係が公になってしまう。彩夏の芸能事務所に呼び出された逢衣は、マネージャーらから彼女と別れるように迫られ、強制的に引き離されてしまい――。

綿矢りさ『生のみ生のままで〈下〉』より

すごい情熱的かつ官能的な小説だった。
前半の彩夏から逢衣への情熱も後半の逢衣から彩夏の情熱も熱かった。
好きなままに引き裂かれたとして、会うことはおろか連絡を取ることも出来ず、逢衣のように7年も気持ちを途切れさせずにいられるだろうか。
私には出来ない芸当だなあ。


3冊目:斜線堂有紀『廃遊園地の殺人』

単行本を読んだので、あらすじは省略します。

過去のある事件のせいで廃業に追い込まれた遊園地に当時の関係者が閉じ込められるクローズドサークル系の小説です。
登場人物たちの名前が特殊でちょっと慣れるまで読みづらく感じますが、ストーリーは面白いのでサクサク読むことができます。私はクローズドサークルを読み慣れていないのでゾクゾクしながら読みました。

主人公の過去など謎が残っているので、この先もしかしたら同じ主人公で続編があるのかもしれないなあ。


4冊目:三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。

バラバラだった社史編纂室のメンバーが話が進むにつれて徐々に一致団結していく感じが良かった。みっこちゃんと矢田さんに幸あれ!って感じ。
作中で幸代が書いている同人誌のお仕事BL小説がとても気になる。あと社史編纂室が冬コミで売った裏社史も読みたいなあ。


5-6冊目:三浦綾子『続 氷点〈上〉〈下〉』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

自分が辻口家を不幸にした殺人犯の子であるとして、自殺をはかった陽子。一命をとりとめ、父・啓造や母・夏枝からすべてを謝罪されたが、自分が不倫の末の子であったという事実は潔癖な陽子を苦しめた。陽子は実母・恵子への憎しみを募らせていく。一方、兄・徹はその恵子に会い、彼女なりの苦しみを知ることになる――。

三浦綾子『続 氷点〈上〉』より

心晴れぬまま大学生となた陽子は、ある日キャンパスで実母・恵子の次男・達哉と出会う。達哉は異父姉と知らぬまま、以後、陽子に直情的に近づいてくる。それをきっかけに、陽子を中心とした複雑な人間関係が白日のもとにさらされ、それぞれの罪と秘密が明らかになっていく。そして陽子が恵子と顔を合わせる日がやってくる――。人間の愛と罪と赦しをテーマに繰り広げられた壮大なストーリー、いよいよ感動の結末。

三浦綾子『続 氷点〈下〉』より

『氷点〈上〉〈下〉』に引き続き、辻口夫妻の妬み嫉みが酷くて「お前ら陽子が自殺未遂したときに反省したんじゃなかったのか?!」とため息がでてしまいました。まじ成長しない大人たちに開いた口が塞がらなかった。

続編は徹の行動も軽率だから嫌になる。陽子に味方はいないのか……。

最終的な結末も「陽子よ、それでいいのか?」という気持ちでいっぱい。陽子には幸せになってほしかったなあ。


7冊目:東野圭吾『容疑者Xの献身』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長編、直木賞受賞作。

映画も面白かったけど、原作小説も面白かった。

誰も幸せにならなくて切ない話だよなあ。せめて石神の最後の願いを靖子が叶えていたら石神だけは幸せだったかなあ。
でも、最後に靖子があの場に現れたことで本当の意味で石神は救われたかもしれないしなあ。

人間の感情難しすぎる。


8-9冊目:辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ〈上〉〈下〉』

あらすじ(文庫本裏表紙より引用)

大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番――」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。

辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ〈上〉』より

「浅葱、もう少しで会える」『i』は冷酷に二人のゲームを続けていく。浅葱は狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、兄との再会のためにまた、人を殺さなければならない――。一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。大人になりきれない彼らを待つ、あまりに残酷な結末とは。

辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ〈下〉』より

本編1000ページ超えのこの作品。夢中になって読んだら一日で読み切ったわ。

浅葱同様に月子と狐塚の関係をずっと誤解していたから、本当の関係性が見えたときに驚いた。

でも『i』の正体には正直「え……」と思ってしまった。本当の兄じゃなくてもいいけど、浅葱を利用している実態のある第三者が存在してほしかったなあ、と思ってしまった。


10冊目:中山七里『ヒポクラテスの試練』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

死因はMRIにも映らない、急激に悪化した肝臓がん?――浦和医大法医学教室の光崎次郎教授のもとに、急死した前都議会議員の司法解剖の依頼がきた。埼玉県警の古手川が捜査すると、毒殺の疑いが浮上。だが、光崎は、別の死因をつきとめる。法医学の権威の動揺ぶりに、得体の知れない恐怖を感じた助教の栂野真琴たち。さらに都議会関係者から第二の犠牲者が!

ヒポクラテスシリーズの第三弾。シリーズの中で今のところ一番好き!!
真琴先生とキャシー先生が日本を飛び出し、アメリカへ。
キャシー先生の過去が見えたのも良かったし、旧友を正論で追いつめるキャシー先生が格好良かった。

連作集で最終的につながるパターンが多かったけど、これは一冊まるまる謎を追っかけていたので読みごたえがあった。面白かった。


おわりに

7月いつもよりたくさん読んだ反動で今月はあんまり読書が捗っていません。しかし、積読が20冊を切りました。
引っ越したら書店が遠くなってしまったので、なかなか積読も増やせなくなりました。
物欲が大爆発して本を爆買いする前に、積読減らしていきましょうね。

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