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ワーホリ奮闘、最近の気付き、教育うんぬん



自分の過去とか子供の頃の不完全燃焼な感情とかを、ある程度消化して成仏&論理的に理解して意識化できていないと、子供とまっすぐ向き合うのが難しいんだな!と思った最近。


親や育った環境に対して「もっとこうして欲しかった」という漠然とした感情が強すぎるとそれを正解だと思い込んで相手にかかわらずそれをしすぎてしまうだろうし、「こんな親にはなりたくない」「こんなことはしたくない」が強すぎても、真逆に振り切ってしまう。あ、自分の親が完璧で正しいと思い込んでいる場合も同じくらい危険か。どれにしても、目の前のその子を理解しようとせずに自分のやり方を押し付けてしまうんだろうと思う。

先週は、オーペアの仕事で9歳と15歳の女の子2人連れて10日間クルーズ旅行に行っていた。で、3日目くらいから子供達の私に対する失礼な態度とルール(寝る時間)の守らなさに頭を抱えまして。子供達とは仲は良いけど、日頃から姉妹間で口喧嘩したり、不機嫌で失礼な時には対処をする。日常から飛び出してママから離れ、いざ3人になって手に負えなくなったのが今回。


バックグラウンドを話すと、彼女達は異父姉妹でほんの5年前まで実母から虐待を受けていた。詳細は控えるけど、ママ(彼女達の里親/私のホストマザー)曰く、実母とその祖父母は基本的に誰に対しても感謝の気持ちがなく、自分たちの利益のために子供達を使って周囲の大人に嘘をつかせたり罪悪感を与えたりするようなことが日常だった。周囲の大人曰くママが引き取ってからの5年間でかなり子供達の振る舞いも良くなっているみたいだけど、過去の事実は変えられない。今回みたいにママがみてないとか、疲れや不安が溜まってたり、体調が悪かったり睡眠がよく取れてなかったりすると昔に身につけた態度が顔を出す。意地悪なことを言われたこともある。

9歳の子は、失礼な態度や約束を守らないことに対して指摘すると不機嫌になった。15歳の子は寝る時間をなかなか守らなかった。んで言い訳がすごい。「意思疎通が上手くいかなかったから時間を勘違いした!」とか「だって花都こう言ったじゃん!」みたいな事実無根なことを言い出す。数ヶ月前だったら「私が間違えたかな?英語頑張らねば!」って思ってたけど今は「んなわけねーだろ」です。なんならそこを利用してくることを見越して、ウザいくらい丁寧に確認しております。(歴代オーペア全員英語が第二言語なのでみんな同じ道通ってる笑)普段問題なくコミュニケーション取ってるのにルールの話だけ通じてないとか思えないし。自信ってこうやってつくんですね(多分違う)

ママに報告したところ「これ以上その態度を続けるなら家帰ったら外出禁止」と言い渡されていい子になった。それ以降何かあればルールを厳しくした。


ママはいつも、ルールを作って、子どもたちがそれを破ったら行動の結果として罰を与える。躾だけど、私はこのやり方に従いつつも何となくモヤモヤしてた。もちろん躾やルールを守るのは大切だし、これで子どもたちが良い方向にいってて、私もこうやって助けてもらってるけど、たまに本当にこれでいいのかな?って思う自分がいた。子供達が「ルールだから」「罰を受けたくないから」という理由で私をリスペクトしたり、ルールを守ったりするのはどうなんだろう、みたいな。あと、以前は子供が失礼な時には「どういう意味?」って会話をしようとしていたんだけど、ママには、会話はしなくていいからとにかく拒否して受け入れないでほしい、とも言われていた。


子供達自身が何故人に敬意を示さないといけないのか、何故ルールを守らなければいけないのかを考えて理解するべきでは、とも思っていた。ただ強制的にルールを守らせてる感覚が心地よくなかった。そういう自分の気持ちと行動のズレが疲れにもなっていた。腑に落ちていないことをするのは疲れる。

ママに相談した。ママは「もちろん会話は大切だけど、子どもだからルールが必要。ルールが少ないほど彼女達は安心感を失うし、行儀が悪くなったり大人を軽視したり試すようになる。会話以前にあなたへの失礼な態度が許されない」とのことだった。

私の前の前のオーペアのコロンビア人の友人にも相談。彼女は2年間この家でオーペアしてたので子供達のことをよく理解している。彼女は「あなたは優しすぎる!彼女達にはルールが必要で、それを破ったらとにかく厳しくすべき。子供達の態度はあなたに対してだけじゃなくて、私にも次のオーペアにも同様だった。でもこの方法で良くなってきてる」と。

この二人から色んな話を聞いた日の夜、私は自分の視野が狭くて独りよがりだったかもしれないと気付いた。
自分が受けた、ルールにただ従わせる日本の教育への拒否反応が強すぎて、文化も育った環境も状況も異なる目の前の子供達にそれを当てはめようとしていたのかも。私は、ルールで固めるやり方が、自分の頭で考える機会を削ぎ落としている感じがしてあんまり好きではなかった。実際私は不快な校則や謎のルールも「面倒臭いから守っとこ」って感じで、早く自由になりたくて高卒で就職するために商業高校を選んだりしてたので笑。

そんな経験があるから「ルール」というものへの漠然とした抵抗感と、自分が嫌だったことを子供達に強いてるみたいな気持ちが引っかかってた。そして私もルールを守る意味をちゃんと考えられていなかったから、その塩梅や伝え方もしっくりきてなかったし、子ども達への理解も浅くなったのだと思う。

さらに私の、自分の親にもっと自分と向き合ってほしかったという思いも邪魔していたと思う。私はゆっくり会話をして気持ちを聞いてもらったり、感情に寄り添ってもらったりということがなかった。だから自然と彼女達にそれをするように心がけていたと思う。それが優しすぎるとのことだった。私の母は昔からバリキャリで多忙、幼い頃から私の気持ちや感情よりも先に正論や問題解決することを優先していて、私もその傾向がある。私は自分にも他人にも感情に寄り添うことが苦手な方で、今でも、意識していても人との接し方に失敗したと感じて反省する時がある。


他人の不機嫌に振り回されるとかはないし大人だったら「不機嫌でいたいならいればいい」って感じなんだけど、相手が子供で、悲しみや焦りなどの色んな感情が「不機嫌」に集約されるその子については、話を聞くことで向き合おうとしていた。ご機嫌取りのつもりなかったけど、優しすぎると言われるとまあ納得。

自分の経験から生まれた信念みたいなやつちょっと邪魔なので諸々一旦捨てることにした笑 全部間違いだったとかじゃなくて、今ちょっといらん。あとやはり主観強い。自分の経験から得たものが自分の子ですら当てはまるわけないのだから。壁にぶつかって気付けてよかった。知識も得ると偏りも少しは和らぐだろう。ママがいない10日間を通して子供達への理解も深まって、自分のモヤモヤもだいぶスッキリ。


ママは「日本はいろんなものに対して敬意を示したり感謝の気持ちを持つ文化が根付いていて、幼い頃から自然と身につくのだと思うし、あなたが育った環境もそうだろう。だけどあの子達は違う。あなたの気持ちは理解できるけど必要な時にはもっと厳しく、寄り添うよりも毅然としてほしい。あなたは洞察に満ちていて思慮深く同時にセラピストのように温かく穏やかで愛がある。この旅行で気付き始めてるだろうけど、その愛と厳しさは両立できるんだよ」(意訳)


いろんな気付きから帰宅して1週間経って、ママが言う厳しさを示すことにも慣れてきた。今までの自分の厳しさ全然足りなかったな!と自覚。最近は「I can't accept that anymore」よりも「won't」の方がいいと教えてくれた。ニュアンスの世界はわからんからフレーズそのままいくつか教わった。勉強になるます。

子供達との関係が以前より清々しい。彼女達は生まれた環境は不運だったかもしれないけど、自分の言動に責任を持っていい人間関係で幸せに生きていってほしいと願っている。本人達の努力も見えるし私も見守りたい。いろんな壁にぶつかってここに書ききれないくらい多くを学ばせてもらっている。自分自身の人としての課題も浮き彫りになる。

この家族と住んで半年が経つが、ママは次のオーペアも日本人がいいと言ってた。「ここのオーペア普通じゃないけど、誰かにオススメできそ?私たちのこと見捨てないで〜!」と慣れないお辞儀をしながら笑ってたが大丈夫だよママ、あなたがいれば笑 楽しいことばかりじゃないけどそもそも海外生活もオーペアも大変なのはデフォルトである。困難もあるけど喜びに溢れた時間もある。確かにこの家族にいるとその振り幅はでかい。私はこの家族に出会えて幸せだし、ここでしかできない経験をしていると思う。ママや子供達を始めとする周囲の人達のおかげで何かに挑戦したり日々を楽しくできる環境も整ってる。そしてママはこのクルーズ旅行みたいにオーペアを信頼して任せてくれるし、壁にぶつかれば共に向き合ってくれる人たちがいる。私も次のオーペア全力で支えたいわ。まだ半分あるけど。私はここに来られてラッキーです。感謝!


長くなりましたが最近の出来事でした。
また残り半年いろいろあるだろうけど、そん時の自分、頑張れ〜!!

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