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バッキバキに折る

【春の花木】というコトバがある

年が明けて一番に咲く花は
木に咲く花が多い

これは山茱萸

まず咲く、から名前がついた
マンサク

喪中ならコレだよね、の優しい香り、蝋梅

黄色繋がりなら春の定番
山茱萸さんしゅゆ連翹れんぎょう

ピンク系は
梅に始まり、木瓜ぼけ、桃、桜

白なら辛夷こぶし木蓮もくれん

他にも三又とか土佐水木
青文字、黒文字
とにかく花が咲く木の多くは今時期咲く

まだまだ寒い時期に花を咲かせ
花が終わったのち、葉を茂らせる

それが日本の花木だ

植物はお外にいるときは
太陽の光を求めて
光へ光へと枝葉を伸ばす

その姿を見てひとは美しいと思う

みしみしって音が かいかーーーんっ

けど、
それを切り建物の中へ入れると
その美しさは損なわれしまう

切った段階で
その枝の命の期限ができてしまう

ならば
少しでも長持ちさせるよう
少しでもカッチョよく魅せるよう
【手を加える】ことをしなくちゃ

いただいた命に申し訳ない

植物、というものは
思っている以上にしぶとい粘り強い

ニンゲンの寿命が延びて
わーわーいってるけど所詮100年が精一杯

けど
植物なんて平気で200年500年生きる
千年生きる

扱うことを怖がることなんてナイのだョ、チミ

切っただけ
花屋さんから来た状態の枝は
色気もクソもあったもんじゃない

先ほど説明したように
お外にいるときとおうちに入ったときでは
明らかに見え方が違うだよ、チミ

だから
いただいた命を最高に輝かせるために
バッキバキに折って
折って折りまくって
最高にカッチョよくしなくちゃ
心苦しいよね

ってことを稽古でお伝えする

この折る、という技をお伝えすると
必ずビビられる

ビビッて
「怖いよー怖いよー」と言われる

躊躇われる


ソコを励ますのがワタスのお仕事なのだ

「大丈夫、これだけ折っても
 ちゃんと花は咲きます」

最初に述べたように
植物は強くてしぶとい

バッキバキに折ってもちゃんと花を咲かせる

春先、花木の稽古は
いつも以上に動かすのは口だけ

「折って折って折りまくってね
 ここだ、っていう感覚は
 わたしがやってみせてもわからないでしょ
 自分の手で折って感覚を自分の手に教えるの
 失敗していっぱい失敗して
 ここだ!って感覚を覚えるの」

そう言って励まします

去年の桜は言うことをよく聞いた
けど、今年の桜はぜんぜん言うことを聞かない

同じ桜でも太い細いもある

個体差があって
巧くいくときいかないときいろいろある

これが一期一会


今年も春の花木の稽古が続いてます

お弟子さんたちは折るときに
「怖いよ~」を連発しながらも
楽しく真摯に植物と付き合ってます

春の稽古はたまらんのです


やみくもに折ってるワケじゃないのよ
折り方の加減、技術教えてます🐰
いけばな教室 西宮市
へなうさ工房:甲子園球場そば
090-8214-8739
8739sshuho(@)gmail.com


いただいたサポートは植物で次の方へとつないでいきます🐰