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またね。

ちらちらと名残り惜しむか送り火よ

送り火や雨夜(うや)の星へときみ住みぬ

またね

今日は、送り盆です。父や母、大切な人たちとの
何日かの再会。
仕事で、ゆっくり 送ることができなくて、ごめん。
ひとみな 寝静まった夜。ひとり送る。
今夜も、雨が降ってる。ぼんやり街灯が灯る。
群青の昏いそらから なみだ雨みたいなしずくが
時折り 落ちる。
またね。鈴虫が鳴きだしたよ。もう、秋もそこだね。

出ていないけど きっと見て居る、そんな雨の夜の月。星。
またね。それは、こころのなかに還る約束。


ぱちぱちとひとり花火の雨月夜

きれいでしょ?

おがらの代わりに、線香花火で
送りましよう。あなたが、寂しくないように
パチパチとにぎやかにね。
そう、あなたのその はにかんだ笑顔が
すきだった。
また、あしたからは、こころのなかに居て
そっと背中を押してくれる。
じゃあね

思わず、会いたくて夜の庭に出る。
雫が落ちる。
梢を濡らし、見えぬ星々の
なみだのように。
会いたいよ。
聞き分けなくても 会いたいよ。
慰むるかな
銀色の雨の糸。

そっと吹く送り盆だね風添いぬ

さよならは、いわないね






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