平賀はつこ

物書きと対人支援をしながら海の側で穏やかに暮らしています。浮かんだことをふわふわと書く…

平賀はつこ

物書きと対人支援をしながら海の側で穏やかに暮らしています。浮かんだことをふわふわと書く場所。対人支援者のわたしは https://note.com/8chyadeofficial

最近の記事

忘年会の帰りに一番後ろを歩く

忘年会の帰りに一番後ろを歩くのが好き。 一次会から二次会へ。お店から駅へ。 みんなが楽しそうに話しているのを、一番後ろから見ているのが好き。一番後ろが一番よく見える。みんなの表情が普段の飲み会よりも朗らかで、うれしくなる。 会話に入らずぽつんと一番後ろを歩くのも好き。 前を歩く二人、さらにその前を歩く三人の話に耳を傾けている。全然違う話をしているのに、同じ明るさの笑い声が響いてきて、うれしくなる。 みんなの表情が見えて、みんなの声が聞こえて、満天の星を見上げた心地になる

    • 書いたよまとめ

      (2024/01/28更新) ご覧いただきありがとうございます。嬉しいなぁ。ライター/コーチ/キャリアコンサルタントのはつこです。 このnoteでは、わたしが2018年より執筆・編集・企画した主な記名記事をまとめております。 ※コーチングとキャリアコンサルティングのご案内はこちら。 また、対人支援者としてのnoteは別アカウントにて投稿しています▼ 2024年現在、対人支援をもう一つのお仕事の柱としていくため、基本的には下記に当てはまり、掲載先へ直接納品の執筆を優先的に

      • 心の中の落とし穴

        ひまわり組のお友だちが砂場に集まり、こちらを見て何やら楽しそうに笑っている。ひとりぼっちのわたしは少し距離を置いたところにしゃがみこみ、地面に絵を描くふりをしながら、周りの会話に耳をすます。 「落とし穴を作って、はっちゃんのこと、はめようよ」 どうやら、わたしのために落とし穴を掘ってくれているらしい。 5人がかりで膝が埋まるほどの穴を掘ったと思ったら、蓋をせずに掘り起こした砂をぜんぶ穴にかけている。わたしはその様子を(それじゃあ、ただ穴を掘って埋めてるだけなのに……)と

        • ガラス越しの美容師(小説)

          ゆらゆらと歩きながら、ガラス張りの美容院を覗く。 何気なく見ているだけの通行人を装っているけど、耳には自分の心臓の音しか入ってこない。 (あっ) 一拍だけ大きな鼓動が全身を脈打つ。 ガラスの向こうでは、ハイトーンのショートやボブの美容師たちが弾けた笑顔を振りまいている。その中に、ひとりだけ艶やかで柔らかいマロン色のロングヘアの美容師がいる。優しく微笑みながらお客さんの髪を解くその姿は、誰よりも美しい。 (あの人だ) 一目でわかった。 あの人はわたしの好きな人の元カノだ

        忘年会の帰りに一番後ろを歩く

          38℃の文章を

          38℃。これはわたしが書く文章の基本設定温度です。 半身浴のように、身体の芯からゆっくりじんわりあたたまり、読み終えたあともほかほかするような、そんな文章を書いていきたいと思います。 これまで熱い言葉に救われたことがたくさんありました。 その反面、熱い言葉ばかりを集めているうちに、疲れて前に進めなくなってしまったこともあります。熱いお湯に浸かっているときと似た感覚です。 熱いお湯に浸かって、さっとやる気が湧き上がって、ロケットダッシュをきめる人もいれば、ぬるめのお湯でゆ

          38℃の文章を