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小学生の息子2人の夏休みを利用して、男3人でインド旅行に行った話_5(デリー・ヴァラナシ)

前回はオウランガバードで2つの世界遺産を訪れました。今回はデリーからヴァラナシへ行った話です。

デリーは朝9時に到着。その日の20時発ヴァラナシ行きの寝台電車に乗るために、約12時間我々は暇つぶしをしました。

10年振りくらいに訪れたデリーの安宿街はかつて悠々とかっぽをしていた
野牛たちの姿はなく、また、闇両替商や違法ドラッグの声がけをしてくる者もいなくなり、すっかり別の町のようになっていた事に面食らいました。

デリーでは特にやる事もないので我々は、ショッピングや国立博物館を訪れたりしましたが、長男は段々と腹の調子が悪くなり、頻繁にトイレに行くようになりました。実は前日訪れたエローラ遺跡の前の露店で試食をしたウリ科ぽい果物をいたく気に入り、父親(わたし)の制止を聞かず「どうしても買って食べたい」という為、食べたところ調子が悪くなりました。

果物でどうしてと思う方もいると思いますが、果物は生のまま食べるため、水か手か?付着した菌が死滅することなく体内に入ってくるようです。八百屋等で積まれている果物は大丈夫なことが多いのですが、今回の果物は露店のおじさんが水洗いをしていたことと、食べやすいように切ってくれていたため危険度は高いものでした。

放っておけないので薬屋で「熱はない、下痢なんだ!」という事を伝え、薬を買い息子に与えました。

10年前の(多分)デリー。野良牛やゴミが散乱していました。
すっかりクリーンになったデリー2023年の安宿街

寝台列車に揺られ10時間。ヒンドゥー教の聖地ヴァラナシに到着。目的は、ガンジス河で沐浴をする人やプージャー、火葬場などインド人の宗教観にふれる事でした。

ヴァラナシの町は何度も訪れており、今回もベンガル・トラストリートの奥にある、毎回泊まる河沿いの宿に宿泊することにしました。

ヴァラナシの町についての詳細は書きませんが、インドっぽいところが集約されている町です。程よく観光客慣れしており、駆け引きを通じたショッピングも楽しめ、食事もインドっぽいものから、各国の料理をインド人が気まぐれにアレンジした謎飯も豊富。加えて聖地という事で、インド中のいろんな方も、サドゥー(求道者と訳すのが適当でしょうか?)もいるため、初めてで短期間しかインドにいられないという場合は、とりあえずヴァラナシを訪れれば「はぁぁ、インドに来たな~」と満足をできる場所です。

子ども達も一丁前に、自分たちのシャツやズボン(クルタ・パジャマ)を購入するために複数の店で検討・値引きを持ち掛けたり、お決まりのガンジス河のおんぼろ船くだりや、プージャーや火葬場を見たりと定番コースを見て回り楽しんでました。
特に火葬場は衝撃的だったようで、1時間近くその場に立ち尽くし、火葬の儀式と人が焼かれていくさまを見ていました。

ガンガーからも見たヴァラナシの町の様子

ヴァラナシの町の両替屋で自分がインド旅行の老害となっていることに気づく。

前回のnoteでも少し書いたように、オウランガバードではホテルの値引きがまったくされなかった(or あまり値引きされなかった)違和感をその時は流していましたが、、、ヴァラナシでも両替屋で同様のケースがありました。

20年前、空港や銀行・ホテルなどの両替率は非常に悪いため旅の最初だけもしくはどうしても手持ちの現金が不足している場合にのみ利用し、普段は町の両替屋や道を歩いているときに「アローサー、チェンジマニー?」と話しかけてくれる怪しい両替商を利用することが普通でした。

そして、同じ地域でも交渉次第で換金レートが違う為「おいおいあそこは1万円で4000ルピーと言ってたぞ!」とか「2万円チェンジするから10,000ルピーでどうだ?」等と数百円・数千円のために数十分かけて交渉をし、成功したらほくそ笑みながら宿に帰り「あそこの店はレートがいいぞ!!」等と知り合った旅行仲間と話し合っていました。こういう情報交換や駆け引きも、面倒ながらも楽しんでいました。

※上記のレートは適当です。

(今回はちゃんと撮影できなかったので)10年前のプージャーの写真。このような儀式が毎日行われています。

しかし出発前の事前調査では「どうやらデビットカードからの現地通貨の引き出しが一番レートがいい」ということが判明。今回の旅では半信半疑のまま、試してみました。

まず、デビットカードはATMの調子が良いことが大前提になりますが、1分で現金を手に入れられます。いままで交渉に数十分の時間を費やしてきた身からすると、めちゃくちゃ楽でした。また、インドではボロボロのお金や破れたお金は受け取り拒否されるため、ババ抜きのババのように、人々の手を渡り歩いていきます。一度に大量の紙幣を渡される換金のタイミングはババを巧妙に手渡す絶好のチャンス。金額の確認とともに破れ紙幣のチェックも必要でしたが、ATMは金額をごまかすことも、ババを忍ばせてくる事もしません(笑)ストレスの無い取引と換金レートの良さに驚愕しました!!

しかし欲深い私は「デビットカードより良い、町の両替屋ならではの裏レートがあるんじゃないか!?」という疑惑を払拭することができず、ヴァラナシでいくつかの両替屋に確認しました。昔は沢山いた客引きもほとんど見かけないため、「EXCHANGE」の看板を頼りに、店に入り私は「換金したい」と告げました。※換金レートは適当です。

私「日本円を換金したいんだけど・・・」
店「Japanese Yenか、いくらだ?」
私「1万円を換金したい」
店「(パソコンをガチャガチャ叩く)ふん。5000ルピーだ。」
私「それはないだろう、5500ルピーはいけるはずだ」
⇒直感的には5300くらいを落としどころとして考え、デビットカードの換金率より良いレートを伝えてみる。
店「お前は何もわかってないみたいだが、円は今弱い。ネットを見てみろ。普通の換金率だ。無理だ!」
私「じゃぁ、2万円換金する」
⇒ここで私は増額するという手札を切り出します。これで大体良くなります!!

店「仕方ない10,100ルピーだ。」
私「えっそれだけ!?」
店「これもサービスだ。」
私「そうか・・・。じゃぁ今回は残念だが、止めようかな・・・。」
⇒奥の手、取引中止をにおわせると共にこの取引においてどちらが上かをわからせ、主導権を取り戻す為のアクションを取ってみる。
店「そうか!わかった。気に入らないなら他の店に行ってみろ!お前の好きにしろ!」

こんな経験は初めてでした。。。。完敗です。その後も何回か確認しましたが、基本デビットカードの換金率より悪く、店ごとの差はほぼないというものでした。この出来事でさすがの私も「あれ、なんか私の旅のスタイルは・・・・今のインドにあってないのかな!?」と気づき出しました。

ヴァラナシのイスラム人街でたべた久しぶりの鶏料理は、数日だけでも菜食料理が続いた我々にとっては最高のごちそうでした。

ホテルの宿泊料も、ネット予約の台頭で基本となる金額が明示され、結果どの町でも大きくダウンするという事はありませんでした。

20年前も宿泊料に関しては大幅に下がらないまでも、複数泊・長期泊などのオプション次第では結構下がってましたし、フロントの方にそれなりに決済がある(というか適当だった?)感じを受けていました。。。
しかし今回の旅で感じたのはホテル側は基準となる定価があり、人や交渉の仕方によって変わるという事はほぼ無いということでした。

落ち着いて考えれば当たり前で今はbooking.comやagodaなどに堂々と公明正大に金額が記載されています・・・。自分の感覚と手法の正当性を疑わず20年前のオールドスタイルで、しつこくプライスダウンの可能性を確認してくる輩(私)に対して、インドの方々は「おぉぉ、どうした話通じないのか?お前スマホ持ってるだろ、その目はお飾りなのか?予約サイト見てみろ!」という気持ちだったでしょう。。。。

※今回の旅行では子どももいたので、いずれの宿泊先も予約サイトに掲載されているホテルでの出来事でしたが、予約サイトなどに掲載されてないドミトリーや学生時代に泊まっていたような安宿は今回経験をしていないのでそういったところだと違かったかもしれません。

また闇の両替商に関しても、キャッシュレス決済の普及とデビットカードの引き出し等で旨味が少なくなり多分この20年の間に駆逐されていったんだと思いました(誤った情報だったらすみません<(_ _)>)。

ただしリキシャはとりあえず言うだけ2倍・3倍をふっかけるというオールドスタイルのままの方もいたので、少し安心をしました(笑)

インドでは多少の図々しさは必須ですが、デビットカード/クレジットカードの活用や各アプリを通しての予約の方が断然楽でストレスが少ない為、変なこだわりは捨てて時代に合わせた旅行が大事だよな。。。。と感じ、子ども達との旅行を楽しむためにも、変なこだわりは捨てる事にしました。

そういった事もあってか、20年前は約2週間に渡り滞在したほど好きだったこの町の熱量が、年のせいか合わず、なんかもっと静かで涼しいところに行きたいと考えるようになっていました。。。。

この後はアーグラ(タージマハルのある町)に訪れた後は、北の方にある町へ行くことを決めました。

※このnoteは2023年8月1日~8月5日までの出来事を記載しています。
※念のためですが、2023年現在のインドは世界の中でも旅がしやすく、子連れ旅行に適している国だよ!という事を伝えたいわけではないです。あくまで過去との比較に於いて、スマホのお陰でストレスが少なくなったよ!という話です。

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