見出し画像

犯人捜しに意味はある?それより問題解決が先じゃない?~スピこと#4

何かトラブルが起きた時に、問題に対処することよりも、「誰が悪いのか」と犯人捜しにウエイトが置かれてしまう……。
うん、あるあるですよね。
OL時代、私もよくそんな場面に遭遇しました。

でもそれ、意味あります?
だって問題解決の方が、もっとずっと大事でしょ?


光の強い場所では影も濃くなるように、「絶対にこれが正しい」という姿勢は、相手の態度も固くしてしまいます。

そういう時に、

自分は正しさの押し売りをしたいのか?
それとも上手くいかないことを改善したいのか?


――そんな「そもそもの動機」を、ちょっとふり返ってみて欲しいのです。


このシリーズでは、様々な名言・格言・ことわざの中に見られる人生模様を、身近な出来事に例えて「プチスピ風味なエッセイ」としてお届けしています。

今回は、中国の前漢時代の歴史書『史記』が出典とされている、
「清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ)」というお題です。
それでは行ってみましょう!


白黒あった方がむしろ可愛いものもある、の図


「清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ)」

澄んで清らかなものも、濁っているものも、あるがままに受け入れて分け隔てしないこと。

『史記』(中国・前漢時代の歴史書)


浮気する側される側、どちらの相談にも乗るけれど


占い師という仕事柄、私の元には本当に様々なお客様が訪れます。

たとえば浮気。
されている側の方も来ますし、している側の方も来ます。
立場や思いはそれぞれ違いますが、「ずっとこのままでは、幸せにはなれない」という点においてはどちらも同じです。


全部が全部そうとは言い切れませんが、一般的には浮気は良くないこととされていますよね。
不誠実だし、周囲の反感も買うし、何よりパートナーの気持ちを傷付けます。

だから「浮気をし続けて、いいことなんて何もない」とだけは確かに言えます。

もしも私が「浮気は絶対にいけないこと」と断罪したら?


ただ、もしも私が「浮気は絶対にいけないこと」というスタンスでいたならどうでしょう?

善か悪かを決めつけ、浮気をした側を犯人に仕立ててしまったら、和解出来たはずのものも出来なくなってしまうかもしれません。
それでは、まるで正しさの押し売りですよね。

それで相談者は幸せになれるでしょうか?

ふっ、傷も人生(猫生)の味わいよな、の図


最終的に元さやに納まるのか、それとも別れてしまうのかはケースバイケースですが、
大切なのは「断罪すること」ではなくて、それぞれにとって一番いい着地点を見つけることです。

ここで犯人捜しをしても、何の解決にもなりません。
だから白黒つけるんじゃなくて、どちらも併せ呑む「グレーゾーンの領域」が必要になってくるんですね。


もちろん、これは占い師としての私のスタンスの話ですよ。
「善悪にこだわるあまり、本質を見失わないように」という話です。

だから当事者の方に「浮気を容認せよ」と言っている訳ではないし、「本気じゃないからセーフだよね?グレーゾーンだよね?」ということでもないので、そこは誤解なきように。

傷ついたなら素直にそう言っていいし、不実な事実をうやむやにだって、当然ながら出来ません。

決められないなら「とりあえず箱」に放り込んで寝かせておく


話は変わりますが、片づけの際になかなか捨てられないものって、皆さんどうしてます?
使う予定はないけれど、捨てるにはちょっと惜しいもの。
だからといって、取っておいても場所をふさぐだけだし……。

そういう時は、「とりあえず箱」を作って放り込み、半年~1年くらい寝かせておくといいですよね。
それでも使わなかったものは、多分この先もずっと使いません。
ここまで来たら、潔く処分できますよね。

白黒をとりあえず箱に入れておく、の図


今すぐ答えは出せないけど、いつかは出さざるを得ないこと。
考えても結論が出ないこと。
それらは一旦、保留にしておいてもいいんじゃないでしょうか。

人間の頭では答えが出せなくても、時間が解決してくれることも良くあります。それって、曖昧にしておくこと、つまりグレーゾーンの考え方と同じなんですね。

このお話のまとめ


何かトラブルが起きた時、その問題を解決したいのか、それとも裁きたいのか。
胸の中にある「そもそもの動機」に一旦立ち返ってみることは、とても大切だと思います。

光が強ければ、影もまた濃くなる。
白黒切り分けてしまうことは、それをする側も、影を生み出すことに加担してしまっているのかもしれません。 

犬猫入り乱れてるけどグレーゾーンだよ、の図


白黒つけたって何の解決にもならない。
それでは無意味に人を裁いてしまうだけ……。 

むしろ意識的にグレーゾーンを取り入れることで、「双方にベストな」最適解が見つかる可能性が高いのです。

(あ、グレーゾーンと言っても「どっちもおあいこね」みたいに白黒混ぜてグレーにする訳ではありませんよ。そんなことをしたら不公平極まりないことになっちゃいます。
あくまで【清濁併せ呑む】という意味ですから、お間違えなく)


――とまあ、そんな訳で、
長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございました!

この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

よろしければサポートをお願いします^^買い物で見切り品を一品、カゴに追加させて頂きます!