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「私のヒーロー」というお題。

日曜日の恒例番組を観て、パン屋さんで売っているちょっとお高めの食パンをトーストし、「ここの食パン甘いな」という感想を抱いたところで、友人とのグループラインからメッセージ。

『明日、「私のヒーロー」というお題で2分間位のスピーチしろって指示が来たんだけど・・・。意味わからん、拷問』

確かに、彼女は文章に関する仕事をしているわけでも、喋りが必要な仕事をしているわけでもない。パソコンスキル向上のための学校に通っているわけで、意図が不明だ。その学校も、習い事よりなので尚更頭に浮かぶクエスチョンマーク。

そこで、エアコンの効いている部屋で、ただダレながら洗濯機の終了音を待っているだけだった私は、彼女のお題に挑戦してみることにした。

♢ ♦︎ ♢

「私のヒーロー」
ヒーローというと、赤いマフラーをたなびかせ、颯爽とバイクにまたがり登場をする某昆虫をモチーフにしたあの人や、なぜか大抵五人組の色によってキャラクター性が確定している彼等を思い浮かべるかもしれない。
あるいは、可愛いステッキを振りかざし、それ戦闘に向いている?と疑問を投げかけたくなるような衣装チェンジをする彼女等を思い浮かべる人もいるだろう。

だが、私の場合そうではない。私にとってのヒーロー、それはどこにでもあるような、なんの変哲もないビニール傘である。

私は腰痛持ちなのだが、ある日勤務先に向かう道中で事件は起きた。予兆はあったのだ。予兆はあったのだが、見た目に反して真面目な私は、仕事があるからと真面目に出社していた。
それが良くなかったらしい。家で大人しくしとけばよかったものを無理を強いたあまり、腰が崩壊した。

駅のホームに向かう階段途中という、なんとも中途半端な場面で。
力の入らない腰は、踏ん張ることも出来ず、あわや落下というその瞬間。私は、ビニール傘に助けられたのだ。
ビニール傘が私の腰の代わりに私を支えてくれた。それは、もう地味に華麗に的確に。溺れるものは、藁をも掴む。落下するものは、ビニール傘ですら支えにする。

私のヒーロー。
あの時、どこにでもあるビニール傘は、確かに私のヒーローであった。

台風が過ぎ去った翌日、道路の脇に捨て置かれてしまう、
うつらうつらとしながら乗った車内に簡単に忘れ去られてしまう、
コンビニや居酒屋で持ち主が知らぬ間に入れ替わったりしてしまう、
普段全く重要視されていない、どこにでも存在するなんの変哲もないビニール傘。

ヒーローとは、案外そういったものなのかもしれない。

♢ ♦︎ ♢

その結果できたのが上記の作品である。
一応、2分程度でスピーチ出来る長さにし、きちんと彼女の特性「腰痛持ち」と過去に聞いた体験談も盛り込んでみた。

でもさ、思ったわけだ。

あれ、ていうか今の私がヒーローじゃない?
友人のピンチ(文章作ってスピーチとか拷問なんですけど・・・)に颯爽とスピーチのネタを提供する私。
代わりにっていうのは、教育上はよくないかもしれないが、お互い義務教育はとうの昔に抜け出した良い大人だ。自分でやるべき時はきちんとやる。

もうあれだ、私の友人には、上の文章の後に是非
「といった文章を代打で作成してくれた友人が、まさに私のヒーローだ。」
という一文を付け加えて発表していただきたい。

ユーモアが伝わる相手なら、それも許されるだろう。
もし明日、上記の文章を耳にした人がいるならば、ここでの内容をそっと胸に秘めておいてくれるとありがたい。

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