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オーストラリアカンガルー島でworkawayをした

1か月程前オーストラリアのカンガルー島で8日間work awayをした。
カンガルー島でのwork awayはほろ苦くて甘い思い出…。

フィリピンでの語学留学を終えてそのままオーストラリアへ。
カンガルー島はオーストラリアの中でもひときわ自然豊かで野生動物の楽園と言われている島。3回目となる今回のオーストラリア旅行では是非とも行ってみたい場所だった。
幸運にもwork awayで滞在させてくれるとホストの家からOKの返事をもらってアデレードからバスとフェリーを乗り継いで島へ。

今回はリズとスコットというご夫婦の家でwork away。
リズがフェリーターミナルまで迎えに来てくれた。
簡単な挨拶をした後リズはその日のこれからの予定を話し始めた。
”家に着いたら皆でランチを食べてその後…" 
…???嫌な予感がした。
リズが何を言っているのかあまり分からない…。
時々単語は聞き取れることはできても”会話をする”ということができない。
うん、うん、と頷いて時々質問されることに短く答えるのがやっと。
楽しみだったカンガルー島でのwork awayがどんどん不安に変わって行った。

リズとスコットの家は街から離れた場所にぽつんと一軒だけだった。
その代わりに広大な土地、必然的にプライベートになるビーチ、飼っている?と思ってしまうような野生のカンガルーが毎日やって来る素晴らしい場所だった。
また彼らはできることは自給自足の生活をしているようだった。
水は雨水を貯めてろ過して飲み水や生活用水に、ガーデンでは様々な野菜やフルーツの栽培、にわとりも飼っていて卵もある。
何棟かある建物の屋根にはすべてソーラーパネルが設置されていた。
リズとスコットは何年もかけてただの野原だった土地を自分達とヘルパー達とで開拓したらしい。

何棟かある建物すべてにソーラーパネルが設置されていた。
建物の後ろには雨水を貯めるための大きなタンクが。

今回はガーデンの手入れ、土地の整備、新しく作るというトイレの壁となる木材や自宅の屋根を支えている柱のペンキ塗りなどが仕事だった。
そこでは2人のwork awayerと一緒になった。
スウェーデンから来たというセラピストのシャーロットとメルボルンから来たという大学生のレナード。
レナードの話す英語はネイティブなのでやっぱり難しかった。
シャーロットの話す英語は分かりやすかった。彼女は英語は勉強中と言っていたがリズやスコットやレナードが話していることはほとんど理解できているようだった。
そんな中で私は彼らが話す英語をあまり聞き取ることができずどんどん落ち込んでいった。

仕事の指示の時は申し訳ないと思いながらも理解するまで何回か聞き直した。それでも不安な時はシャーロットやレナードに確認して何とかこなしていた。
しかし毎日のディナーの時間は正直言って苦痛だった。
ディナーは毎日1~2時間かけてゆっくりと皆で会話を楽しみながらという感じだった。それは英語ができればきっと楽しい時間だっただろうと思う。
でも私の英語力では皆の会話に入ることができずただただ辛い時間だった。
カンガルー島に着いたその日から仕事と自分の英語のできなさに自信を無くして疲れ切っていた。
”ここでやっていけるだろうか?””予定が変わったと言ってここを早く発とうか”次の日からそんなふうに考えるようになってしまっていた。
日本にいる娘にLINEで泣き言を言って慰めてもらうのが日課になった。
フィリピンでの語学留学時にお世話になった先生からもらった励ましのメールを毎朝見てその日その日を何とか過ごした。
”早く帰ることはできる、でももしそうしたら後からきっと後悔する。英語力は向上しないかもしれないけれど最後までやり遂げよう” そう思いながら毎日を過ごしていた。

毎日スコットがパンを焼いてくれた。
すごく美味しくて朝食に食べるのが楽しみだった。

そうして迎えた最終日。
朝早かったにもかかわらずリズが空港まで送ってくれた。(行きのフェリーがすごく揺れて辛かったので帰りは飛行機にした)
その車の中でたぶん初めてリズとゆっくり話をした。
お互いのこれまでのこと、私の子供のこと…。
リズとは話そうと思えば話す時間はあったのに私は消極的になっていてそれを避けていた。
”日本に帰ったらどうするの?”と聞かれて”仕事探さなくちゃ。でも見つかるかなぁ。もう若くないし”と言ったら”でも経験があるでしょ。若い時にはなかった、経験が。きっと大丈夫”とリズは言ってくれた。
そして空港に着いて私が無事搭乗手続きを済ませたのを確認するとリズは”じゃあ私は行くわね。マイコ、手伝ってくれてありがとう。またいつでも帰ってきて。待ってるわ。最後にハグさせて”と言って私に温かなハグをした。
その瞬間いろんな思いがこみ上げてきて涙があふれてきた。
私は自分の英語力の無さを気にし過ぎて他の良いところに目を向けられてなかったのだと気がついた。

スコットおすすめのビューポイント。
カンガルー島のビーチは自然そのままで素朴だった。

確かにディナーの時間はあまり楽しめなかったけどそれ以外ではなんとかみんなと話しをして楽しい時間もあったのだ。
スコットはいつも優しくて何かにつけて話しかけてくれたりおすすめのドライブルートに連れて行ってくれたりした。地元の人達が集う映画を楽しむ会みたいなのにも連れて行ってもらった。地元の人達と一緒に映画を楽しんで帰りに見上げた空の今にも降ってきそうな星でいっぱいの空を忘れることはないだろう。
そしてシャーロットやレナードともおしゃべりを楽しんだ。簡単な内容のおしゃべりだったけれどお互いの国の話をしたりして笑い合った時もあった。
私が気にするほど彼らは私の英語力がどうだとは思っていなかったのかもしれない。それよりも英語力が足りないからと後ろ向きになっている方が良くなかったのだどその時に分かった。

                  オーストラリアローカルフード  "ラップ”
リズとスコットが作ってくれる食事はどれも美味しかった

私は涙をこらえながらできるだけのお礼を言った。
”英語があまり話せない私を受け入れてくれてありがとう。カンガルー島に滞在できるとは思っていなかった。ここで過ごした時間は忘れません”と。
そしてリズの姿が見えなくなるまで手を振った。

私の滞在最終日。
皆でチーズフォンデュパーティーをした。










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