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ラグビー日本代表vsライオンズの舞台《スコットランド》関連の本を探す①〜70年代の子供達がイメージした『イギリス』〜

1.この試合の意味するもの

イギリス🇬🇧=イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿、スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿、ウェールズ🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿、北アイルランドの連合王国。血で血を洗う争いを、これでもかと繰り返して今に至る。

ラグビー日本代表は、既に試合の行われるスコットランドの首都エジンバラに到着、準備を進めている。対戦相手のライオンズとは、

ライオンズ=イギリス+アイルランドの連合チーム

の事。4年に一度オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカと対戦するラグビー界のドリームチーム。今年は南ア戦が組まれている。その準備としての相手に選ばれたのが日本、というのがこの試合の意味するところ。

イギリス連合チームが大きなインパクトを持つのは、現ラグビー普及国の多くが旧植民地だったことに由来するのだろう。その意味で日本は異色の存在かもしれない。

ライオンズは合同チームだからかなりのタレント揃いだ。サッカーイングランド代表のように

タレント揃い→高い前評判→本番で期待はずれの凡戦

的なことはない、と信じたい。

日本は歴史的にイギリスとは何ら支配従属関係にもなかったから(第二次大戦中の捕虜問題はあるが)、日本にとってもライオンズ構成国にとっても《こじれた因縁のない単なる国際試合》、ということになる。先日のEuro2020イングランドvsスコットランドがスコアレスドローだったから、ライオンズ内の雰囲気が険悪になることもないだろう。あの試合、相変わらずの《イングランドあるある負のループ》を披露してしまったが。

さて、イギリスの一部でありながら、1999年には独自の議会も認められ、強い自治権を持つスコットランド、再び独立の気配まで感じられる今日この頃ではあるが、

イングランドに併合されたのは1707年。

日本では江戸時代、将軍綱吉の治世。この年の10月西日本で大震災『宝永地震』が起こり、その2ヶ月後、今度は富士山の大噴火、と日本もかなり不穏な年だった。とはいえ、鎖国中の日本で、綱吉はこのヨーロッパのゴタゴタを知る由もない。

スコットランド併合(世界史の教科書では『合同』と表現。スコットランドは議会を解散、イングランド議会と合同して一つの議会を設立、スコットランドは政治的独立を失った。)から今年で314年、短いような長いような歳月を経て今日に至っている。

日本人から見たスコットランド、と言ったら、

スコッチウイスキー、タータンチェック、バグパイプ

というイメージだろうか。

この機会に、26日まで毎日一冊スコットランド関連の書籍をいくつか探してむりやり紹介してみることにした。

今日の一冊。

2、キャンディ キャンディ(いがらしゆみこ)

少女漫画の金字塔にして大ヒットアニメだったこの作品。

丘の上の王子様

なる不思議キャラは、タータンを身につけてバグパイプを吹いていた。

と言っても、この漫画の舞台は基本アメリカ。アメリカ→イギリス→再びアメリカと舞台は移る。最終回、アメリカに戻り生まれ育った孤児院『ポニーの家』に帰るキャンディ、目の前に現れたのは『丘の上の王子様』、いや、その姿をしたアルバートさんだった!というラストだった。

アルバートさんはアメリカ人、彼が総領として治める大富豪アードレー家のルーツがスコットランドにある、ということだったらしい。

ずっとイギリスの話だと思い込んでいた😨😨

ちなみに、スコットランドに行くと、丘の上の王子様風の路上ミュージシャンが観光地に必ずいる。これはネス湖のほとり。

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20年ほど前に訪れたスコットランド、着いてすぐ気がついた。

私の思い描いた『イギリス』だ❗️

幼い頃の記憶は鮮烈だ。あの丘の上の王子様が奏でる不思議な響きと独特の美しい衣装、あれが『イギリス』と思って成長した子供は私だけではないだろう。

この目で見たスコットランド。

ネス湖に浮かぶ古城はどこかはかなく、エジンバラの街は中世そのままの雰囲気をたたえていた。ロンドンのバッキンガム宮殿が意外と簡素なので、エジンバラ城はことさら趣深く辿った歴史の光と影を感じた。

イングランドとスコットランドは別の国、まとめてイギリス、と知るのは『キャンディ』を見てからずっと先の話。

この漫画は、《ヨーロッパ》がまだ遠く遥かな《おとぎの国》だった頃の私達にその微かな香りを届けてくれた。

『ハイジ』でスイス🇨🇭と溶けるチーズの塊を知り、『フランダースの犬』でオランダ🇳🇱ベルギー🇧🇪とフランドル絵画の巨匠ルーベンスを知った。

改めて思う、アニメの力恐るべし。







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