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コラム♯5:シュライカー大阪vsFリーグ選抜マッチリポート~1期生が見せた実力~

勝敗を決定づけるゴールを挙げたのは、1期生の「先輩」だった。

後半10分半、昨シーズンはFリーグ選抜でプレーしたシュライカー大阪の齋藤(♯8)が、右斜め45度から対角にシュートを放った。一直線のきれいな弾道は、Fリーグ選抜2期生のゴレイロ・田淵(♯1)の手をすり抜け、ゴールに突き刺さった。

4-1となり、肩を落とすF選抜の選手たち。齋藤は看板を飛び越えてサポーター席の前でガッツポーズを決めた。

Fリーグディビジョン1のシュライカー大阪 vs Fリーグ選抜戦は8月17日、大阪府の岸和田市総合体育館で開かれ、大阪が6-1で勝利を収めた(記事は17日時点)。

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1巡目は大阪が2-0でF選抜を退けた。2巡目となる試合は、大阪が勝ち点24の4位(12チーム中)、F選抜が勝ち点10の10位で迎えた。

前半序盤は大阪が主導権を握った。Fリーグ選抜の積極的なプレスを大阪の加藤(♯8)と稲田(♯88)がドリブルでかわしたことで、強くプレスにいけなくなり、大阪が自在にパスを回す。2分には大阪の相井(♯10)が右足シュートのフェイントから左足を振り抜き、先制した。

大阪のプレスになかなか前進できないF選抜は、苦し紛れで出したピヴォへのパスを奪われ、何度もピンチを迎えたが、田淵が1対1をストップする活躍などで追加点は許さない。

前半の中終盤はF選抜もカウンターを中心に反撃、磯村(♯9)や高橋(♯7)がシュートまで持ち込んだが、良い体勢では打たせてもらえない。前半は1-0で折り返した。

後半1分半、大阪の小曽戸(♯12)が守備の連携ミスを逃さず、ゴールに流し込む。しかしF選抜も3分後に底辺でのパスミスを奪った松川(♯2)がゴール前でフリーの熊谷(♯6)にパスを出し、熊谷が落ち着いて決めた。2-1にして食らいつく。

F選抜の反撃ムードが高まったが、後半7分に大阪の稲田、そして10分半に齋藤がコースを狙った正確なシュートでネットを揺らし、力の差を見せつけた。さらにパワープレー返しなどで、結果は6-1と差が開いた。

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昨シーズンに、2020年、24年のフットサルワールドカップなどに向けて「若手選手の育成」の具体的な取り組みとして、誕生したチーム・Fリーグ選抜。Fリーグクラブの下部組織を中心に「集められた」19~22歳の若者たちはフットサル関係者を驚かせる結果を残す。

Fリーグでの経験がほとんどない選手ばかりで、シーズン前には最下位も予想されたが、10勝7分16負と勝ち点37を積み上げ、12チーム中8位でフィニッシュした。

名古屋市内の寮で生活をともにし、平日は2部練習に取り組んで公式戦を重ねるごとに躍動。思いっきりのいいシュート、スピード感あふれる攻守で観客を魅了した。勝利を貪欲に目指す若者たちの姿は、日本フットサル界の未来を期待させる明るいニュースとして注目された。

大阪の齋藤は、昨シーズン終盤にはF選抜の主力に成長した選手で、今シーズンは大阪に戻った。新たなメンバーで今シーズンに結成されたF選抜の2期生にとっては「先輩」にあたる。

この試合でも、俊敏性を生かしたドリブルでマークを外し、チームメイトの外国人選手にも遠慮しない堂々としたプレーで、輝きを放った。大阪には同じく昨シーズンにF選抜に所属し、大阪に戻った仁井(♯14)も試合に出場。F1で重ねた試合時間が能力向上につながったのは間違いなく、1期生がクオリティーを見せつけた。

17日のゲームは6-1で敗れたが、今シーズンのF選抜もすでに3勝を挙げている。元の所属チームがバラバラの選抜チームだけに、リーグ終盤に近づくにつれ、尻上がりに強くなるはずだ。一方で、2期生は1期生と同じ8月時点と比べて、連携はまだまだとの声もある。

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Fリーグ選抜の活動は今シーズンまでの2年間限定と決まっている。若手選手に最高峰の舞台が与えられる仕組みは、Fリーグから姿を消してしまう。サポーターも選手の親族が中心だが、応援する人も増えている。さみしい気持ちだ。

技術、強さ、精度、状況判断・・・。大阪の主力選手たちに見せつけられた差。試合後、F選抜選手たちの表情には悔しさがにじんでいた。「将来、日の丸を背負う選手になり、フットサルワールドカップで躍動してほしい」と願う。

19歳~23歳の選手たちは残り20試合で、どれほどの成長やドラマを見せてくれるのか。1つの敗戦から学び、上を目指していく若者に目が離せない。

(了)

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