平和運動における2つの視点

2つの平和運動について

平和運動は何のために行うか?と問うた時、それはしばしば、戦争を防ぐためとの答えが返ってくる。
いわば、戦争の予防としての平和運動である。

伝統的な平和運動の課題はこれで、この種の平和運動は、安保3文書策定、5年間で43兆円・GDP2%の軍事費、敵基地攻撃能力の整備、日本国の軍事要塞化などといった防衛政策が遂行される中、とても重要な平和運動であると言える。

ただ、平和運動にももう1種類あるのではないかと思われる。
それは、戦争に抵抗する平和運動だ。
どのようなものかというと、非協力や不服従などを通しての非武装闘争を行う平和運動だ。

これについて、前者は平時の平和運動、後者は戦時の平和運動と言えよう。

平和運動はこの2つの視点から展開される必要がある。

戦後平和運動を振り返りつつ

日本の平和運動を振り返ってみるに、前者の平和運動は優勢だが、後者についてはあまり顧みられなかったところがあるように思われる。

確かに、戦後日本はしばしばアメリカの戦争の出撃拠点となってくるなど、必ずしも戦争と無縁であったわけではない。
しかし、形式的にでも主権が独立していると他国から承認されているために、侵略されたとの意識はなく、戦時下という形で戦争を経験したという人は、冷戦を第三次世界大戦とするような歴史観に立たない限りはいないだろう。
また、戦争を仕掛けたというイメージもそれが正しいかはともかく、薄いものだ。

一応、日本に住む人々は曲がりなりにも平和を享受してきてはいたのだ。
だからこそ、平時の平和運動が盛んだったとも言える。

平和市民戦線は2つの平和運動を実践する

しかし、今の情勢、いつ何時、戦争という事態に至るかはわからない。
日本の振る舞いが戦争を煽るというような事例は今までより頻発することになるだろう。
また、戦争体験者が高齢化し、戦争への忌避感情が徐々に薄れてきているという現状も拍車をかけている。

そして、そうなったとき、日本国民は戦争にただ流されるだけで良いのか?

否!

戦争に立ち向かい抵抗する必要がある。

まさしく、この視点に立ってこそ戦時の平和運動が重要なのだ。

これは軍備肯定論者による攻められたらどうする?の一つの回答とも言える。
筆者が思うに日本国憲法を尊重する以上、政府はこの2つの平和運動を安全保障政策として行う義務さえあると思われる。

ここまで言ってしまうと極端に聞こえるかもしれない。
しかし、平和市民戦線はあくまで市民団体なので、市民レベルで行っていこうというものだ。
平和市民戦線はこの2つの平和運動を担う運動体として活動を展開したいと思う。

賛同者よ、今こそ立ち上がろう!

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