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放っておいてくれと言われそうなささやかな疑問

 前回の記事で外海そとめのことをちょこっと書いたんだけど、昨日からは平戸の資料をあれこれ探して読んでいるところ。

 それぞれの地域に共通する信仰形態に「かくれキリシタン」がある。
 共通するとはいっても、成り立ちに違いがあって、それゆえ中身もけっこう違うものになっている。
 私はどちらにも詳しくはないのだけれど、とくに平戸方面のかくれのことはよく知ろうとしてこなかった。

 平戸島の北西部と、平戸島の北西にある生月島のエリアのこととなると、意識がなんとなく拒否をするし、そのあたりを訪ねたときどうもなんだかいい気もちがしなかった記憶(あるいはイメージ)がその理由かもしれない。 

 生月へは2度目の訪問のときに県外の友人を連れていたんだけど、友人は私よりも強くその土地への拒絶感を示していた。土地のエネルギーが暗くて重いと言っていた。
 このたびは調べものが主な目的なので、この際だしもう少し知ってみようと、自分を奮い立たせて(大げさ)読んでいる。

 まだ浅い知識で外海と平戸のかくれキリシタンの相違点を述べてみる。 カトリックに復帰しなかった理由のところで、外海は<先祖供養・庇護を受けた寺への恩・ある事件及び地区間における確執(感情的な対立)>が、平戸では<祟りへの恐れ・組織を抜けると村八分を受ける>がそれぞれあげられる。
 また、外海では前回の記事に出てきたバスチャンの予言の中に、「コンヘソーロ(告白を聞く司祭)が黒船に乗って来て、毎週でも告白ができるようになる」というのがあって、ほとんど予言どおりに7代あとに再びカトリックの司祭らと出合ったことから、復帰がスムーズだったという背景もあるという。
 ついでに五島についても言っておく。
 五島で開拓農民を必要としたとき(18世紀末)に、五島藩と大村藩とで協定を結んでそれがおこなわれた関係で、ここにひとつの流れができる。
 平戸からの移住もいくらかあったとはいえ、五島への移住者は外海地方からのそれがが圧倒的多数を占めたこともあって、五島地方でも同様の予言が広まっていて、やはり復帰が進んだらしい。

 禁教による迫害や弾圧が、信仰を続ける人々の潜伏のきっかけになったのは各地でみられる同様の流れだったといっても、そこからの成り立ちや形づくられていく過程が違ったというわけである。
 そういうところを現在の状況と照らし合わせてみると、なるほど教会の数がそのあたりの事情と合致していた。平戸北西部から生月にかけては、その他の地域と比べて教会が少ない。 その他にも平戸北西部には安満岳やすまんだけという山岳信仰の根強い山があって・・・と、気づいたことがまだあったんだけど、そういえば別に書きたいことがあったので、ここらへんでやめる。

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 平戸・生月のかくれキリシタンまわりのことが、どうしてだか苦手に感じると書いた。テキストを読むだけでなく、画像や映像で見るのもどこか気もちが落ち着かない。
 納戸に隠したかけ絵(謎の大和絵ふう)を拝む姿や、低い声で何事かを唱えながら米や酒といった神仏への供物を思わせるものを口に入れるしぐさ、神官を連れ殉教地や聖地とされる場所での儀式、和装で背中を丸めてそれらをおこなう様子を目にするのが私をそうさせる。
 そういうのは写真や映像に収めて公開するものではないとおもう。 外海でも平戸でも、かくれの人たちは取材や調査にとても頑なだったらしいけれど、当たり前といったら当たり前かもしれない。世界遺産(なんかの)ために、人目にさらされて気の毒だ。
 それぞれ、もうほとんど組織は残っていなくて、実質的には解散というのが実状のようである。

 ところで、実をいうと(何が?)とくに気になるのが、そういう儀式中の画像や映像を見ていると、どうしても「その最中に何をおもっているのか」というところだったりする。
 先祖が伝えてきたことだから義務感のようなものによっているのか、彼らなりの神に対する本意としての信仰なのか、ほんとうのところはもうやめようかなとおもっていたりするのか(つまり表面的にやってるだけ)、そこらへんがわかりかねて、あの儀式のときの彼らの頭の中がどうなってるのかが気になってしまう。
 そしてそれがわからないからといって、なぜ自分が不安や苦手をもよおすのかも気になる。

 これを書く時間を、仕上げなくちゃならないテキストのほうに使えばいいのに(ため息)。いつものように道草をしてしまった。

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今日の「相性」:コーヒーゼリーに合わせるのは何がベストなんでしょうか。この間作ったときは牛乳しかなかったから、牛乳とシロップで食べました。ゼリーがあっさりめの仕上がりだったから、これはバランスが良かったんですけど、バニラアイスだとゼリーとテクスチャが違いすぎて合わない気がします。生クリーム? やっぱり牛乳? 生クリームも液状なのかホイップなのかというところで分かれますね。うーむ。(どうでもいいね)

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