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だからなんだと言われそうなどうでもいい話

 車を運転するときにはいちおう音楽をかけるのが習慣というか、だいたい何かしら流している。といっても、古いiPhoneに入れっぱなしのいくつかを、その時々でてきとうに流してるだけだし、もうその中のデータは追加も削除もできない(つまりそれだけ古い機種ということ)。そろそろそんな環境をどうにかしたほうがいいよなあなどとおもいつつ、必要があれば現役iPhoneに入れているささやかなライブラリでよしとしているいい加減さである。

 この間、久しぶりにあのオルガンの音色を聴きたくなって、The Doorsドアーズのベスト・アルバムを選んだ。Light My Fireの途中、3分11秒を過ぎたあたりのギターソロのところで、最近どこかで耳にしたメロディに似ているなとおもった。なんだろう。どこで聴いたんだろう。

 数日経って、思いだした。Sugarという曲のなかのメロディだった。K市やF市でのジャズの演奏の場で、何度も耳にしていたんだった。思いだせてすっきりした。

 Light My Fireの録音は1966年、スタンリー・タレンタインというサックス奏者作曲のSugarのほうは1970年のリリース(アルバムだ)らしい。時代が近いですね。まあ、なんの関連性もないだろうけれど。

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 ジム・モリソンのことを知ったのはいつだったか思い出せないけれど、ドアーズというバンドの、初めて聴いた楽曲はLight My Fireだったとおもう。このバンドの曲はどれも独特で、新鮮で、衝撃的に感じられた。Light My Fireの邦題の「ハートに火をつけて」という甘いタイトルには、今でも違和感をおぼえる。
 オルガンの音色と、ジム・モリソンの歌声に、なんだか妙にひきつけられた。
 軍人の父をもち、フロリダのごく一般的な家庭の長男として生まれ、のちにロック・シンガーとして成長したジム・モリソンは、デビュー当時に生い立ちを尋ねられると「孤児」などと答えていたらしい。父親(家庭)に対する強い反抗心みたいなものを感じる。それはアルバム・ジャケットなどで見られる彼のポートレートからも何かそういう表情がみてとれる。
 酔っぱらったままレコーディングをしたり、公然わいせつの罪で逮捕されたり、わりとはでな人生を送った彼は、よく知られているように27歳のときにパリで薬物の過剰摂取(たぶん)でその人生を終えている。

 私の古い古いiPhoneに入っている、ドアーズのベスト・アルバムはたしか店の常連だった、歯科医でありミュージックバー経営者(当時)のKH氏がCDを貸してくれたんだった。父が聴かないようなジャンルの音源をたくさん持ってて、いろいろとよくしてもらった(元気だろうか)。

 久しぶりにアルバムをかけた日にはTouch Meという曲にとくにひかれて、何回もリピートで聴いたりした。ラストのブラス・セクションがいいとおもった。

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