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喫茶店百景(short version)-一枚目の-

 ひとつ前の記事で英語圏で使われる慣用句のことを書いたけど、今日はふと一枚目のパンケーキを思い出した。
 the first pancake.

 パンケーキの生地を準備して、フライパンを火にかけてバター(油)をひいて生地を流し込む。フライパンの温まり具合とかが今ひとつで、最初のパンケーキは失敗しやすいことから「失敗作」のことを言うみたい。
 海外ドラマを観ていたら出てきたやつで、ドラマの中ではゴタゴタの口げんかの時に、長男が母親に向かって「僕は一枚目のパンケーキ?」と嫌味を言ってておもしろい使いかただなとおもった(子育てにおいては悲惨であるが)。

 パンケーキに関する思い出(?)はないけれど、うちの両親がやっていた喫茶店ではクレープを出していた時期があった。生地はまとめて焼いておく。
 そういえば、クレープでも一枚目というのはほとんど使いものにならなかった。
 当時店で使っていたクレープパンは、フライパンを上下逆さまにしたみたいな、つまり焼成する面が盛り上がっている形状をしていた。同じカーブを持つ容器とセットになっていて、そこに生地を入れておいてパンをぺたっとつけて、ガスで焼く。そういうふうだった。
 熱が均等にまわってないとかの理由からか、クレープの表面がぼそぼそになって哀れな姿で焼き上がる。
 店では出せないその穴あきカリカリ生地を、焼きたてのほかほかで食べるのが好きだった。穴あきでなくても、焼きたての素クレープはおいしい。

 「クレープパン」で検索にかけてみると、店で使っていたようなのは出てこなかった。クレープの屋台とかで見るような、ターンテーブルみたいな形状のや、浅型の窪みがついた平べったいのばっかりだ。

 手軽で使いやすかったあのクレープパン、どこいったんだろう。

*

今日の「いやしんぼ」:パンケーキといえば絵本『ちびくろサンボ』のパンケーキは実においしそうですよね。あと『スプーンおばさん』の山積みパンケーキも魅力的です。
パンケーキはバターだけで食べるのが好き。

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