“やまと“の秋🍁【山の辺の道】大和神社から大神神社へ
奈良天理市・桜井市にある『山の辺の道』は、伊勢神宮へ続く旅の始まりの地(元伊勢)、天皇・皇后の古墳、空海さん創建の神宮寺など、古代日本の歴史がつまっている地域です。
「トレッキング」ルートなので、自然を感じながら歩ける人気の古道。
健脚な人は天理駅から大神神社まで歩くようなのですが、神社仏閣でゆっくりしたいので、中間地点の駅近にある大和神社からスタートしてみることにしました。
そして楽しみにしていたのは、空海さん創建の長岳寺と、元伊勢のはじまりとされている桧原神社。
春に大神神社から初めて歩き、目前にして諦めたので今回はリベンジです。
◆大和神社
JR長柄駅を降りて数分で、大和神社に到着。
おおやまと、と読むのですね。(そういえば大神神社もおおみわ、と読みますね。)
駅から見えている感じは、神社というより“古墳”?思っていたら、やはり『星塚古墳』と呼ばれる古墳の中にありました。
この古墳は、神武天皇皇后・媛蹈鞴五十鈴姫(ヒメタタラ イスズヒメ)の御陵との伝承があるそうです。
初代天皇の皇后さま!
調べてみるとその上、父は大神神社の祭神・大物主神!
三輪山に鎮座している神さまがお父さん、ってすごいお姫さまですね。
紀元前のかなり古い古墳ということになりますが、発掘調査はしたことがないそうなので、ぜひ調査をしていただきたいところです…。
『日本大國魂神』(倭大国魂神)について、全く知識がありませんでした。
第10代崇神天皇が、天照大御神と同じ宮中に祀るのはよくないと判断し、外でお祀りをすることになった強大な神さまということなのですが、有名な天照大御神とは対照的に謎が多いようです。
調べてみると東京の大國魂神社と同じ、出雲の大国主神の説もあるようです。
奈良時代に遣唐使が航海安全祈祷のために、必ずこの神社を訪れたとの由来から『戦艦大和』ゆかりの神社となったそうです。
やはり古代から、強い力を持つ神さまとして頼りにされていた。
火災による焼失やいろんな変遷があったようなので、本来はもっと大きな神社だったのかもしれません。
朝の大和神社は、とても神聖な空気に包まれていました。
調べてみると想像以上に、奥深かった大和神社。
この森全体がとても神聖な空気で、お参りできて良かったと感じました。
道路を渡り、山の辺の道へ向かいます。
山の辺の道にすぐたどり着けて、ひと安心。
道沿いには、このような無人販売所がたくさん。
荷物が重くなるので、どこで買うか迷いながら歩いていました。
結局、しばらく歩いてから柿・みかん・黒豆の枝豆を購入。
奈良の野菜・果物はいつもおいしいので、奈良に住みたくなります!
山の辺の道沿いは古墳だらけですが、こちらの古墳は墓地と果樹園になっているようです。
ここに表記の天照大御神を最初にお祀りした笠縫邑は、これから訪れる桧原神社の地域。
道沿いにはコスモスが咲いていて、蝶、トンボ、バッタもにぎやかに登場。
◆長岳寺
『824年に淳和天皇の勅願により、弘法大師・空海が大和神社の神宮寺として創建』と公式HPにありました。
天皇が空海さんに守るようお願いするほど、大和神社が大切な神さまだったということですね。
先に大和神社に訪れてから来てよかった、と感じました。
御朱印集めができる台紙プレゼントがあったので、社務所で購入。(御朱印各300円が必要。全部集められるかな?)
入口の鐘門は重要文化財で、『弘法大師創建当初の唯一の建物』。(1200年前の木造建築物。)
本殿ではちょうど『狩野山楽の地獄絵』を公開中で、解説もしていただきゆっくり拝見しました。
この空海さんのお顔は、飛鳥・岡寺(龍蓋寺)の『如意輪観音座像』(空海さんが日本・中国・インド三国の土で造ったと伝わる塑像)に似ているような気がしました。(お顔に虫がとまっていたので、アップは遠慮させていただきました!)
長岳寺の周囲にはこのような石仏の祠が88個あって、『八十八箇所石仏巡礼』ができるようでした。
途中まで進んでみましたが、通る人がいないのか草や木で塞がっていて、怖すぎたので断念。
昔は今よりずっと、広大なお寺だったようです。
出口にはトレイルセンターがあり、休憩をする人で賑わっていました。
◆崇神天皇陵・景行天皇陵
景行天皇は、日本武尊のお父さんとされているそうです。
◆桧原神社
長岳寺に長居したので、気づくと15時近くになっていました。
前回来れなかった、桧原神社にやっと到着。
崇神󠄀天皇が宮中でお祀りしていた天照大御神を皇女・豊鍬入姫命(初代斎王)に託し、最初にをお祀りをした笠縫邑の場所、と伝えられています。
この地域を出て、2代目斎王倭姫命(やまとひめのみこと)に引き継がれ、伊勢神宮までの旅が始まったのですね。
向かいにあるお店で、三輪素麺を食べることにしました。
冷やし素麺が好きなのですが、うっかり伝え忘れて今回はにゅうめん。
大神神社まであともう少し!
でもお天気は良いのに、山から雷の音がゴロゴロと聞こえてきました。
前回来た龗神社にも、ちょっとだけご挨拶。
管理の方も変なお天気~とおっしゃっていましたが、雷の音が近づいてきたので先を急ぎました。
◆大神神社
大神神社内の狭井神社に到着!
無事たどり着けてよかった~!
今回はちゃんとペットボトルを用意してきたので、霊水をいただいて帰りました。
天理駅から桜井駅までは、とても一日では歩けそうにありません。(寄り道が長いせいもありますが…。)
日暮れの光が美しいのですが、雷の音とともに雲が怪しくなってきました。
知らずにお参りをしていましたが、神宝神社では熊野三社をお祀りしてるそうです。
朝も良いですが、夕陽に照らされる境内も美しい~。(雷がゴロゴロ)
ついに参道で、雨が降り出す。
神社前で車誘導をしている方々も、慌ててカッパを着ていました。
帰宅してスマホの歩数計を見ると、初めての20km超えでした。
今回まとめていて改めて気になったのは、『やまと』という言葉。
古くは奈良の一部をやまとと呼んだことから始まり、“やまと魂”や“やまとなでしこ”、という言葉があることからも、地名がだんだん日本全体のことに広がっていったことがわかります。
漢字では、もともと“倭”と表記していたのが“大和”に変わり、“日本”をやまとを読むことにも広がったようです。
最初に訪れた大和神社を調べているうちに、どんどん長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
春に山の辺の道を歩いた時の記事はこちら ↓
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