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1万人の歌声・平和への祈り〜音楽以上の音楽へ🎶

12月3日、41回目の『サントリー1万人の第九』が今年も開催されました。
9月から始まった週イチのリアル練習、前日リハーサル、本番と無事参加をさせていただきました。
今年は初めて、47都道府県全てからの参加者が集まったそう。

でも1万人が一斉に出す歌声、を聴くことって普通は、ないですよね?


第4楽章のオーケストラの演奏が始まり、一斉に立ち上がる。
1万人が一同に、大ホール全体を震わすような歌声が聴こえた時、わけのわからない感動で泣きそうに。(リハーサルと本番、2回とも!)

大切な出だし、泣いてしまうと歌えないので、必死に我慢!

40年続いてきた『サントリー1万人の第九』、今年のメインパーソナリティは田中圭さん、ゲストはEXILE・TAKAHIROさん。

昨年はコロナ規制がまだ厳しく2000人の合唱で、風を上げるネックファンマスクが必須だった。
今年は4年ぶりに1万人に戻り、残りの客席に4000人ほどの観客。
そしてリハーサルと本番だけ、マスクを外せることに!(ネックファンは装着。)
マスクを外せたことで、当日の声量はかなり変わる。



『1万人の第九』には学生時代に舞台上の合唱団員として参加しただけで、一般応募で参加するのは今回が初めて。
百人単位の合唱団と違い、1万人で音は合うものなのか、ずっと心配していた。

大阪城ホールのアリーナ+スタンド席の3分の2ほどを使い、場所も広範囲になるため、音のズレはどうしても起こってしまう。

世界的な指揮者の佐渡 裕さんが、毎年こんなにハイリスクの演奏を続けていらっしゃる。
ウィーン在住で各地のコンサートでお忙しい中、毎年このイベントに、かなりの時間と体力を使っていることが想像できた。
(“佐渡錬”と呼ばれる100名単位の練習期間中、1日だけ40度の高熱でお休みされたけれど、次の日にはもう普段通りの練習に復帰!!)


山本直純さんからバトンを受け取った歴史あるイベントとはいえ、1999年から毎年、ボランティア精神だけでは続けられないはず。
この3年間はコロナで通常開催はできなくなったので、幕引きにする選択もあったのかも…。


ステージ上で佐渡さんは、そのことにもふれていらっしゃった。

『これから1万人がインターネット参加で10万人、100万人と世界中に広がっていく可能性もある。音楽以上の音楽を目指している。』

今のような不穏な時代だからこその『歓喜の歌』。
視点もスケールも違う“平和への祈り”、佐渡さんの熱量が伝わってきた。


それでも短時間の当日リハーサル練習のみで、1万人をひとつにまとめるなんて、誰にでもできることではないはず。

40周年記念の昨年は、布袋寅泰さんのエレキギターで始まる、エレキギター+オーケストラ・コラボの第九特別版だった。

今年は例年通りの第九に戻り、おなじみの『歓喜の歌』の前に第1~3楽章の、結構長いオーケストラ演奏がある。
合唱パートまで座って待つので、眠たくなる可能性もある時間なのだけれど、佐渡さんの指揮にひきつけられていた。

汗を飛ばしながら、渾身のタクトを振っていらっしゃった。
パワフルな姿を見ながら、魔法をかけられている気がした。
もう言葉はいらない。


リハーサルで心配していた部分も、本番は完璧!(に思えた。)
本番は今までで一番声が出たし、この1万人では、これ以上はないほどの出来だったのかも!

ひとりではなくみんなで歌うことで、自分以上の力を引き出してもらえる。
歌ってみないとわからないことだけれど、これが合唱のすごいところ。

私は中高6年合唱部+オーケストラ付属合唱団に1年だけ所属。(年末に違うホールで4回、第九の演奏に参加。)
経験はあっても長いブランクがあるので、ドイツ語の楽譜を12回の練習で、暗譜で(楽譜をはずして)歌うことには不安があった。

それなのに私の両脇で歌っていたお二人は、合唱も全く初めて、という方たち。
勇気を出して挑戦していることが、本当にすごいこと!

子どもも大人も、年齢も背景も違う1万人が、一緒に歌う!ことに意味のあるイベント。
参加できたことへの感謝と、歌声の力、音楽の力に、改めて感動した一日になった。

【TV放映】

●12月16日(土) 午後4時~ MBS・TBS系列JNN28局全国ネット放送

●12月28日(木) 午前10時30分~ MBS関西エリア



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