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『わんだふるぷりきゅあ!』第1話を見てボロボロに泣いてしまった30代非婚女性の話


「犬が、プリキュアになる?」

2月に入ってすぐ、Xのタイムラインでふと見かけた情報。現代では犬もプリキュアになるのだと。
何それ絶対かわいいじゃん。姪っ子たち、知ってるかな。

とりあえず【プリキュア  犬】とサーチしたところ
なんとタイムリー、次の日曜からスタートの新シリーズのことだったらしい。

その名も『わんだふるぷりきゅあ!』。


マイファーストプリキュア


30代。幼少期のど真ん中は『セーラームーン』。
今やプリキュアのメイン視聴層の親として、育児に勤しむ方も多くいる世代。

一方こちら同世代、独身非婚女性のわたし。
社会人になってからのニチアサタイムは、専ら貴重な睡眠時間。
アニメ・特撮・アイドル等のジャンルには周囲よりちょっと通じているものの、能動的かつ情熱的にプリキュアを視聴する機会には恵まれず。なんとなく、プリキュアを通らない方の人生を送っていた。

そんなわたしに突如、革命的変化が訪れる。



姪っ子、爆誕。


相次いで爆誕してくれた、かわいいかわいい愛しき姪っ子たち(年子姉妹)。
彼女たちは日々すくすく成長し、あっという間にスペシャルキュートな4歳&3歳の幼稚園児となった

例に漏れず、彼女らはプリキュアにどハマり。
その影響もあり、2つ前の『デリシャスパーティ♡プリキュア』、前作『ひろがるスカイ!プリキュア』ではわたしも時折、受動プリキュアをしていた。
昨年シリーズ20周年だったことも知っている。なんだか界隈は煌めきだっていた。とても楽しそうだった。

なによりわたしにとって、愛しい姪っ子たちと共通の話題があることはもっと楽しい。
今回のプリキュア、キャラデザもかなり好みだ。
丁度いいタイミングだし、わたしも1話から追いかけてみようかな。

気まぐれにそんなことを思った30代。
これが、マイファースト(能動)プリキュアとの出会い。

全ては、ここから始まる。



第1話、放送前日。


土曜の夕方。
日課の姪っ子たちとのビデオ通話では、下の姪っ子(3)が「おみせであいことばいったらもらえたやつ」のチラシを参照しながら、これから発売予定のおもちゃについて精一杯の語彙で懸命に熱弁してくれていた

「あっ!みてこれ、めぇ〜っちゃかわいい〜!ほらぁこれも!かわいいよ!ねぇみて〜かわいい〜〜♡おけしょうだぁ〜〜〜♡」

…す、すごい。こんな小さなおもちゃの写真だけで、幼児がさっそくメロメロだ。初手で心、掴みすぎ。

彼女らの母であるわたしの実妹は、「7,480円…」と小さな悲鳴を上げていた。クリスマス、ひろプリ変身セットの入手に四苦八苦していたサンタの様子は記憶に新しい。


3歳児はその後まもなく、「ぬりえする!!」(※そのチラシに付いていた)と言ってわたしの映るスマホをほっぽっていった。
4歳児はというと、なんだかまだ“ましろちゃん”(※キュアプリズム)とのお別れがさみしい様子。新しいプリキュアの話題にはあんまり興味がなさそうだった。わかる、その気持ち。


それから姪っ子たちは、YouTubeでおひろめショー配信のアーカイブを見るとのこと。
そうか、ショーの配信とかあるんだ。すごいな。

わたしたちの時代では考えられないほど、ずっと多様な接点から“憧れの存在”にアクセスできるようになっていると知る。なんか、いい未来に来ちゃったな。


明日、楽しみだね〜!
そんなことを言いながら、通話を切った。


あくる日、日曜日の夜。


わたしは家にテレビを置いていないので、夜になってからのんびり第1話の視聴を試みた。本当に配信様様である。


一人暮らしの部屋で、ひとりきり。
画面に向かってじっとプリキュアを観た。




視聴後。
わたしはただ、ただそっと静かに、

ボロボロと泣いていた


何かが深く、わたしにぶっ刺さっていた。
わからない。なぜ、一体なにが?どこに?刺さっているの?

とにかく、めちゃくちゃによかった。
なんというかもう、あまりにもかわいくて。それだけで泣けるのだ
え、何これ、キュートアグレッションの亜種?

ーーこれが、プリキュアか。


極めて雑、だけどこれ以上でも以下でもない理由で自分を納得させて、とりあえず気が済むまで泣いた。
30も半ばにしてプリキュアで泣きじゃくる感性が残っている自分に冷静に驚く。感受性って据え置きなの?

もし姪っ子と一緒に視聴していたら…と思うと心底恐ろしい。変なトラウマを植え付けていたかもしれない。
大の大人が泣くのって、子供にとってはただ事じゃないから。


いや、わたしにとっても全然ただ事じゃないんですけどね?


30代、涙の理由


泣けた理由は色々ある。
大人として思ったこと、元・子どもとして思ったこと。きっと半々。

当然だけど、これは悲しみの涙ではない。単純に“感動した”、というのとも少し違う。
ドパドパ湧き出すドーパミン的な何かに押し出され、それこそ何かが“浄化”されるような涙がぽつりぽつりと排出されてゆく。



少し落ち着いてから、ひとまず公式サイトにアクセスしてみた。何はともあれまずは公式様なのだ。
すると、“おうちのかたへ”という保護者向けのコンテンツをみつけた。

ちょっとのぞいてみた。
プリキュアを視聴する、わたしの保護者として。

おうちのかたへ

仲間を、友達を大切にする優しい心。
誰かのために、誰かを想い行動する温かな想い。
自分がみた夢のために、あきらめない凛々しい姿。

子供たちが映像を通して触れる、素敵な「あこがれのお姉さん」の姿。

2004年、子供たちに向け製作されたTVアニメ「ふたりはプリキュア」から始まった物語は、
お子さまの「あこがれ」の姿を描き続け、21年目を迎えます。

「わんだふるぷりきゅあ!」とは

シリーズ最新作は、主人公が飼っている犬・こむぎが人間の姿に変化し、
人間の言葉で飼い主であるいろはと会話をする。
そしてお互いの想いを伝えあい、より絆を深めていく物語です。

現実世界では、動物と人間は言葉を交わし合うことはできませんが、
大事なのは、相手のことを知ろうと努力すること。
その先に、相手の幸せを願う「思いやり」が生まれるのだと思います。
そして何より大事なのは、気持ちを押し付けず、理解し合うことです。

おうちのかたへ|わんだふるぷりきゅあ!


ああ、なんということだ。
大人がすぐに忘れてしまう大切なことが、丁寧でやさしい言葉で書いてある。
驚いた。だってこれ、人間が社会生活を営む上でもすっごく大事にしなきゃいけないことばかりだから

親の立場では、こういうことをよりわかりやすく、子どもに教えていかなければならないのだよなぁ。すごいなぁ。


さらにページ下部。
エグゼクティブプロデューサーの鷲尾天さんのコメントには、こんなことも記されていた。

子供の頃に触れたものは決して忘れません。
だからこそ「良いもの」を見せてあげたい。

あたたかい、だけど明確な“祈り”が込められた言葉。

そうか。
“何か”を通して子供たちに大切なことを伝える。
これは別に、親じゃなくたってできるのだ

誰かの親でなくとも、一人の大人として
自分はどうありたいだろうと考えた。

大人って、かっこいいなぁ。
なんだかまた、少し泣けた。


そもそも『プリキュア』って?


プリティー(PRETTY=かわいい)

キュア(CURE=癒す・治す)

これを合わせた造語が「プリキュア」なんだって。知らなかった。
ああそうか、なるほど。プリティーにキュアされて泣いちゃったんだね、わたし。

でも、正直ちょっと意外だった。

わたしの知るプリキュアシリーズは、いわゆる“ガチ”な戦闘シーン(神作画)が幅広い層の支持を受けていると認識していたから。

まさか“Cure”のキュアだったとは。
それならこの第1話、納得だ。


「あなた、苦しいの?」
「こうするとね、苦しいのがなくなるんだよ。」


予想を裏切る戦闘シーンだった。

第1話、人間の姿と言葉を手に入れた喜びで無邪気にはしゃぐキュアワンダフル。
遊ぼ遊ぼ!」と野を駆け回り、最後は優しいハグで羊のガルガル(敵)を“浄化”した。

そう、今回キュアワンダフルは、敵であるガルガルに対して一切のパンチやキックを繰り出さなかった。

これがまたなんだか、個人的にす〜〜〜ごくよかったのだ。それはもう泣けてくるほどに。
躍動感のある作画も本当に素晴らしかった。

とはいえ、プリキュアビギナーのわたしにはセオリー的なものがわからぬので、もしかしたら第1話ってのはだいたいいっつもこんな感じ、なのかもしれない。
今後ド派手な合体技で敵をボコボコにすることがあったらあったで、それでもいい。

だってわたしたちはもう、キュアワンダフルがどんな子なのか、ちゃんと知ることができたから。

最初にガルガルと対峙した時のこむぎは、小さな子犬の身体をぶるぶると震わせて、泣いていた。
得体の知れない、こちらに悪意を持つ大きな存在への恐怖。この時のこむぎは、言葉を発せない

怯えながらも絶対に退かないこむぎ。今まさに、窮地に陥ってしまったいろは(飼い主)を助けたい。ずっと一緒にいたい!その一心で叫ぶ。いろは!いろは!!

すると、キーアイテム『鏡石』によってその願いが叶えられるのだ。いろはと同じ人間になったこむぎは身を呈していろはを守り、誰かを癒し救う力を持つプリキュアへの変身を遂げた。

「いろはを傷つけちゃ、ダメ!!」

ガルガルもまた、言葉を発せない。
それでもこむぎは言葉をかける。「遊ぼう!」「追いかけっこだね!」「苦しいの?」と。きっと通じ合えると信じているから。
まっすぐに向かい合い、決して力で押しつけず、分かり合おうと努力する。
そして最後に、抱きしめる。


ああそうか。
これって全部、今までこむぎがいろはにやってもらっていたことなんだね。


「いろは!これで、いろはと一緒だよ!」


人間の姿になって心底嬉しそうなこむぎが、無邪気に放ったこのセリフ。
ここで完全に、わたしの涙腺が大崩壊した。良すぎ


「大好き」が、大騒ぎ!


第1話を3周ほどした後、YouTubeで配信されているオンライン会見も拝見した。

こむぎ役の長縄まりあさん、「こむぎの魅力は…っ、いろは、そしてキュアフレンディが!大ッ好きなところです!!!」と息絶え絶えで語る姿がとんでもなく愛らしくてひっくり返りそうだった。いや、あの、どこまでかわいいんだよ。そんなんありかよ

キュンとした。わかります。わかりました。すばらしい、すばらしかったです。好きです。ありがとう。伝わりました。か、かわいい〜〜。(泣)

いろは役の種崎敦美さんも素敵な方だった。
「語彙力なくてごめんなさい〜!」と前置きした後、いろはのことをズバリ端的に、“生きとし生けるものたらし”と称していた。
すごい、これ以上ないパワーワード。絞り出された真理。

生きとし生けるものたらし”、キュアフレンディ。まさにその名の通りの存在。さすがにちょっとワンダフルすぎない?


とんでもないコンテンツに出会ってしまった。

描かれる世界、全部かわいい!


いろは&こむぎはもう一挙一動が当然のようにかわいいのだけど、そんな2人を取り巻くすべてもかわいい!
もしかして、プリキュアって全部そうなんですか!?何なんですか!?

まずはきっとみんなスルーできない、いろはのパパ。かなりかわいい
筋骨隆々で逞しい体格の男性が、フリフリエプロンで朝ごはんを拵える。家事が得意とのこと。
ママのことを「陽子さ〜ん」とお名前で呼んでいたのもなんだか印象深かった。そして美人な陽子さん。歳近そう。(わたしと)

猫屋敷まゆちゃんと猫のユキちゃんもかわいい!
確定追加戦士たち。ちなみに4歳児は「『キュアニャミー』が好き〜!!!」と興奮気味に語ってくれたが、なんとこのプリキュア、まだアニメ本編には出ていない。4歳児の情報網&記憶力、あなどりがたし。
ちなみに妹はずっと『キュアニャオハ』と言いまちがえていた。それはポケモンです

兎山悟くんとウサギの大福ペアもかわいかったな!
鏡石の前で知識欲オバケの片鱗を見せる悟くん。かわいいね。君も追加戦士なのかい?そうであってくれ。
垂れ耳のウサギ・大福はむすっとしててかわいい。キャラ紹介には“勇敢な性格”と書いてあった。さては君、追加戦士だね?

そう言えばオンライン会見では、みんなが住むアニマルタウンに住みたい!というお話も出ていた。
わかる。なんだかとてもいい雰囲気の街なのだ。見ているだけで癒される。

それこそまさに、生きとし生けるものたちすべてが、笑顔で幸せそうに共存する世界。
これがまた、美しくて眩しくて泣けるのだ。

ここまで語って


ふと、セーラームーンで一番大好きなお話が『かぐや姫の恋人』だったことを思い出した。

かなり昔の作品(1994年)なので記憶が定かでは無いのだけど、もしかすると人生で初めて映画館で鑑賞した映画だったかもしれない
実家の本棚には今も尚、コミカライズ版が静かに眠っている。後にミュージカルにもなったらしい。

このお話は、セーラームーンの相棒である黒猫のルナが主役。
人間に恋をしてしまったルナが、『幻の銀水晶』の力を借りて人間の少女に姿を変えるお話なのだ。

この時のルナもまた、大好きな人を助けたくて人間の姿になった。
とても切ないお話で、当時幼かったわたしには少し難しかったと思うけど、ルナの想いに胸を打たれたことは覚えている。多分この時も、わけも分からず泣いた。


ちょっと詩的な表現だけど、なんだか今、あのころのわたしとまた会えたような気がした
感受性って据え置き?なんてふざけて言ったけど、結局のところ人間、どこまでいっても変わらないのだ。

あのころの小さなわたしへ。安心してほしい。
30年くらい先の未来でも、きみはきみが大好きだと思えるものに心を動かされてるよ。
大人になっても忘れないもの、ちゃんとまだ持ってる。

途中で引用させていただいた鷲尾天さんのコメントが、じわりと心に浮かんできた。

子供の頃に触れたものは決して忘れません。”



さて、こんな所まで

オタクの長文早口を読んでくださった方。

さぞかしお疲れになられたことでしょう。
本当にありがとうございました。
あなたのおかげでわたし、救われました。

よかったら是非こちらで、プリティにキュアされていってくださいね(公式YouTubeの第一話期間限定公開、終了だワン!)

「楽しいこと、嬉しいことがいっぱい!世界は素敵にわんだふる!なんだから!」

わんだふるぷりきゅあ!
第1話「はじまりは『わんだふる!』」


さあ、どうしよう。
ワンダフルな1年が確約されてしまった。

姪っ子ズよ、共に楽しもう!


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