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転機の乗り越え方

  1. 転機とは
     転機とは、他の状況に変わるきっかけと言われています。
    「今思えば、あれが人生の転機だった」という感じで使われたりします。

転機には種類がある
 転機は要因で分けることがあります。
コロナやバブル崩壊のように、自分ではコントロールできない外的なことに起因する転機もあれば、独立や海外移住など、自らの行動により引き起こされる転機もあります。さらに、希望した会社に採用されないとか提携話がご破算になるなど、予定していた事が起こらないという転機もあります。
 また、転機は予期可能性で分けることもできます。
子供の進学や定年などのように、時期も予期できる転機もあれば、親の介護のように、いずれはと思っていても時期が明確でない転機もありますし、突発的な事故や病気、取引先の倒産のように、全く予期しない転機もあります。
 

予期できる転機には対処が可能
 大切なことは、時期が明確であれ不明確であれ、予期できる転機には、早期からいろいろなパターンを予想して万全の対処をしておくことが可能だといことです。最悪のバターンを予期して準備しておけば、それより軽く済んだ場合はもちろん、最悪の事態になっても、慌てずに落ち着いて対処できますし、心の余裕もできます。
 また、予期できる転機に必要なスキルや人脈、機関と早期に繋がっておくことで、予期せぬ転機が来た場合にも対処が容易になります。
 ご自身や自社を守る武器は、多い方が良いのです。

  1. 転機の乗り切り方
     転機を乗り切る方法として、ナンシー・シュロスバーグが、「4つのS」を提唱しました。
     1つ目は、「状況」。自分の過去の体験と、今回の転機の大きさを比較したり、社会の状況なども点検し、今回の転機の大きさや深刻度などを分析し、これを悲観的に捉えているか乗り越えられると捉えるのか等、その転機をどのように分析し、どう捉えているか、と言った事です。
     2つ目は、「自己」。過去に克服した体験やリソースを振り返り、現状を何とか乗り切る能力・ノウハウや覚悟や意欲があるかと言った事です。
     3つ目は、「支援」。今回の転機を乗り越えるための、人脈、資金、機関、などを含めて転機を乗り越える為の支援があるか、支援を引き出す為のスキルやノウハウ・信頼関係等があるかと言った事です。 
     4つ目は、「戦略」。今回の転機を乗り切るための具体的な戦略が描けているかと言った事です。

  2.  転機はストレスではあるが、ストレスは良薬でもある
     転機は、ストレスには違いありません。
    ただ、適度なストレスは、ストレスのない生き方よりも人を強くしますし、精神的にも安定感をもたらします。何より、ストレスを克服するたびに人も企業もひと回り大きく強く変化していきます。そのような変化をもたらしてくれるのもストレスなのです。天は、その人に乗り越えられないストレスは与えないと言われています。
     この場合の「適度」とは、ストレスが誰から見ても適度である必要はないのです。他人からは過剰と思えるストレスであっても、本人が「大したことはない。また乗り越えて見せる」と思えば、適度なストレスなのです。ストレスの大小の基準はその人が持つ器の大きさ次第なのです。

  3.  予期せぬ出来事を「好機」と捉え、むしろ自ら引き起こしていく
     また、クランボルツは、予期せぬ出来事はむしろチャンスと捉え、さらには、出来事を「自ら引き起こしていく」ことが成長につながるとしました。自分から積極的に転機を作っていこうとする考え方です。
     そして、そのためには、5つのスキルが必要だと説いています。①好奇心、②持続性、③楽観性、④柔軟性、⑤冒険心の5つです。
    これらを身につけている人は、人生をしなやかに楽しめる人です。そして、これは、認知症を遠ざけるスキルでもあると言えます。

  4.  転機の対処法は、昔からあった
     中国の易経にも「君子は治にいて乱を忘れず、乱にいて治を忘れず」という言葉がありますが、これも予期せぬ転機への対処法というか、どんなことも予期しておきなさいという戒めです。
     日本にも、「笑う門には福來る」という言葉があります。これも転機に遭遇した時の心構えや、楽観性を促しているような気がします。

  5.  今、転機を迎える事業主の方へ
     転機は、人にだけ起こるものではありません。
    企業などの組織にも何度も訪れます。それを不幸と捉えるか、チャンスと捉えるか、乗り越えるスキル・ノウハウ・人脈・機関を作り上げてきたか、何より経営者自身が転機に飲み込まれるのか、「面白いじゃないか、乗り切ってさらに大きくしてやる」と思えるのかによって、潰されたり他社に乗っ取られたり、転機を機により成長したりという事が起こります。
     バブル崩壊して潰れた企業と潰れなかった企業、そのバブル崩壊前のバブル最盛期に「いずれはこのバブルは崩壊する」と予測して手を打った社長と、バブルに浮かれて慣れない不動産投資に手を出した社長・・その時点でそれぞれの会社の未来は予期できていました。

  6.  転機を乗り切る知恵は風通しの良い環境作りから
     人は失敗からしか学べません。経営も事業承継も技術承継も人材育成も課題発見も行き詰まっておられるなら、もっと柔軟に、社員と一緒になって考えてみられては?
     社員は運命共同体であり、社員は会社の未来を一番良くしたい人達で、会社の行末が気になる身近な人脈です。覇気のない営業マンと思っていたら実はブログラミングが趣味だったり、事務の女性がSNSのフォロワー数が2万ということもあり得ます。そうでなくても、違う角度から見えるものもあるはずです。社員全員参加の提案会議なんかをしてみてもいいかもしれません。失敗したら次のことをまた考えればいいのです。その蓄積は、たとえ失敗の蓄積であっても貴社のノウハウ=知的資産になります。
     当事務所では、転機に対する対応のご相談にも応じています。

    ©️2023  ようてんとなーたん





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