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Slapp Happy の 『Sort Of』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

イギリスの独立系レーベルRecommended Records系シリーズ!

今回は Slapp Happy の 『Sort Of』を聴いてみた編をお届けします。

Faustが演奏するジャジーでフォーキーでファンキーな演奏、シュールで遊び心溢れる歌詞、次々と表情を変える歌声。

前衛さとポップさが共存した一枚です。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

1. Just A Conversation

リラックスした雰囲気の牧歌。エレキギターがウニョウニョ。アコギもいる。ややファンキー。Faustが演奏してるの豪華だな。どういう関係性なんだろう。0:45〜お花畑みたいなコーラスが入ってくる。気になってはいたけど、左耳の方でずっと男性が何かを喋っている。1:50〜(想像の中の)故郷に帰りたい。3:52〜ギターがフォーキーなフレーズをピロピロ。

2. Paradise Express

予想もしていなかったブルース感のある男らしい豪快な歌声。サックスが動き回っている。サックス以外はみんな同じフレーズ、リズムを繰り返しているような感覚になる。耳にこびりつくリズム、このノリ。右手にデッカいビールのジョッキ持ってそう。

3. A Got Evil

怪しげフォーク。何の音なのかわからない音が空間に響き渡っている。ハーモニカ…?吹いて音を出す系の何かな気がする。歌声に哀愁がダダ漏れている。渋くて格好良い。

4. Little Girl’s World

爽やかで穏やか。男女のボーカルのユニゾン。曲によって見える牧場の情景が変わる。牧場は牧場だけど。タイトルもだけど歌詞がファンシー。パーカッションも可愛らしくて、おとぎの国感ある。

5. Tutankhamun

歌声、穏やかと豪快が交互に来る。今回は豪快。楽しげでウキウキなテンション。声のボリュームも心なしかデカい気がする。演奏も愉快。パーカッション楽しそう。ベースは意外と大人しい。黒いサングラスに太いタバコ、革ジャンが似合う歌声。

6. Mono Plane

「ウー!」とか「アハン」とか声を漏らしながらノリノリに進んでいく。くだけた感じの気怠いリズムが心地良い。ひょうきんだけどしっかり格好良い音を出しているギター。歌声いかつい。歌詞の内容が不思議すぎる。「We're fallin'〜fallin'〜」のフレーズが好き。4:51〜鳴るべくして鳴って、噛み合っていくような、音の隙間に遊びを感じる演奏。大人の余裕を感じる。

7. Blue Flower

良い天気すぎる。演奏が日曜日。機嫌が良い。ポカポカの陽。お花系の良い匂いがしそうな女性ボーカル。上品。ピアノの音がルンルンで可愛い。平和。みんな微笑みながら演奏していてほしい。歌詞は恋愛について歌っていて、こんなご機嫌サウンドなのに思いの外内容が切なかった…

8. I’m All Alone

しっとりでどこか切なげな雰囲気。タイトルめちゃくちゃひとりぼっちだった。ピッタリの寂しげサウンド。優しく寄り添うような女性ボーカル。2:00〜サックスがそっと歌ってくれる。温かな低音。なっている音全てに慰められる。

9. Who’s Gonna Help Me Now

牧歌楽園。カントリー。透き通った軽やかな歌声でふわふわな羊が見えた。こんなに穏やかな曲調なのに、「今、誰が私を助けてくれるの?」と深刻な問いをしていて情緒がめちゃくちゃ。歌詞がどの曲も曲調と合っているようで合っていない感じが絶妙にシュール。

10. Small Hands Of Stone

冬っぽい。ジャジー。ピアノとサックスが冬を感じさせている。と思ったら歌詞に雪が出てきた。男女混声。正装だけどリラックスはしている、みたいな雰囲気。ホットワイン飲みたくなってきた。

11. Sort Of

とっても楽しげ。冬から思いっきり気温上昇して、太陽燦々に照っている。ギターの音色がギラついている。ドラムも軽快。0:58〜ナイス哀愁。ダンディゾーン。インストだけど、ギターがすごくノリノリで歌声なくても満足感ある。

12. Heading For Kyoto

Kyotoって京都…!?突然日本に来てくれて嬉しい。歌詞も本当に京都に向かっている。予想もしていなかったような奇妙な世界観。ギターワウワウ。0:40〜高らかな歌声がシュビドゥビしてくれる。パーカッションとドラムが遊んでいるみたいに愉快な演奏を繰り広げていて可愛らしい。ギターがずっとワウワウしていて、意識もワウワウしてくる。

Slapp Happyは1972年にドイツで結成されたグループ。主なメンバーはAnthony Moore(G、keyboards、Vo)Peter Blegvad(G、sax、Vo)、Dagmar Krause(Vo、tambourine, piano)。メンバーは1974年にHenry Cowと合流したが、すぐに終わり、Slapp Happyは分裂。本作は1972年リリースのデビューアルバム。

●Recommended Records:1978に設立されたイギリスの独立系レコード、レーベル。主に「Rock in Opposition(反対派ロックや異端のロックという意味)」に分類されるような音楽を特集しているのが特徴。日本では、ここでリリースしたミュージシャンやバンド、こかでリリースされるような類の音源を「レコメンディッド系」や「レコメン系」と呼ぶことがある。


Slapp Happyって「ナイーブ・ロック」を自称しているそうです。

「ナイーブ・ロック」って言葉を初めて聞いたけど、Slapp Happyを表す言葉としてはしっくり来ます。

メンバーのAnthony Mooreと、Dagmar Krauseって夫婦なんだ…!!夫婦でバンド組むの格好良い…!

牧歌的なサウンドに癒されて、でも所々ひねりがあって、気まぐれな感じで愉快だったな〜

Dagmar Krauseの歌声が高らかでフォーキーなサウンドによく合っていて心地良かった〜!

Faustが演奏しているライブ映像を発見!こんな風に格好良く歳を重ねたいな…


次回からはHyperpopシリーズに突入します!

「Hyperpop」は幅広いマジックワード的なカテゴリということもあり体系化が難しいですが、ルーツや、Hyperpopと不可分のネットカルチャーを始めとした非音楽的側面とセットでレビューしていけたらと思っております…!勉強勉強!!!!

次回は Sophie の『Oil Of Every Pearl's Un-Insides』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに!

最後まで読んでくださり、有難うございました。


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