ロード・クロス・ミニベロの選び方 2023

世間はコロナ明けとはいうものの、やはり体力は重要です。そこで移動手段でもあるスポーツ自転車でのサイクリングが日常的な運動として適しているのは言うまでもないことでしょう。
でも、一口にスポーツ自転車と言ってもロード、クロス、MTB、ミニベロのどれを選べば良いのか分からない、と言う人は多いのではないでしょうか。私が考えるスポーツ自転車の選び方をまとめてみました。

(※個人的にMTBはサスペンションに水が入るのが嫌なので除外します。)

ロードバイクは何が違うのか

ママチャリで立ち漕ぎしてハンドルを左右に振っても推進力にはなりませんよね。でも、ロードバイクはフレームのしなりが推進力になります。力がかかる点がダイヤモンドフレームの外周上に配置されるので、フレームのしなりを引き出してリズムよく走ることができます。

外周上に力がかかる点が配置されているので力が逃げない

フレームは、乗り手の動力を最大限に引き出せるようにサイズによってジオメトリが違い、ペース良く走るのがちょうどいい設計になっています。人間と自転車が接して力を伝えるポイントは主にはハンドルとペダルですが、サドルや左右のペダルの間隔(Qファクター)も関係します。軽さも特徴ではありますが、激坂で疲れ切った時でもない限り1kgの差は体感できないと思います。ですが転がりの良さは平地でずっと効いてきます。700cの高性能な完組みはすぐ体感できるくらい違います。

ロードバイク

普通はフロントダブルになるので、ビンディングペダルがないと坂がきついです。ドロップハンドルはブレーキが遠いので慣れが必要で、初心者の方はエイドレバー付きが無難です。不要だと思ったら外せばよいです。フロントフォークは普通カーボンですが、カーボンは日光に弱いので室内保管前提です。バーテープも雨に弱いので、屋外に置くならフラットバーロード一択になります。

安いアルミロードはしなりがほとんどないのですが、丈夫で軽いので初心者が乗り潰すにはピッタリです。ちょっとした傷は気にせずどんどん乗りましょう。1台目は数年で街乗り用にして、カーボン、クロモリ、チタンに買い換えることが多いようです。

フレームサイズ選びが非常に重要で、カタログの身長は参考にならないので店頭で確認しないと分かりません。意外と盲点なのがトウオーバーラップです。完成車であってもステムやシートは交換前提で予算を考えておくべきです。メーカーによりますが、XSサイズはジオメトリが違うことが多いのであまりお勧めできません。小柄な方は700cではなく650cの方が良いでしょう。クランクの長さも股下によって違います。最低限サドルが出てないと泥除けやサドルバッグが使えず不便です。

クロスバイク

フロントの変速がトリプルであればフラットペダルでも大体の坂は登れます。その代わりBB幅(Qファクター)は広いです。ロードより大きめのフレームで重くて硬いですが、700cであればロードのホイールやコンポを使えることが多いのでアップグレードは比較的容易です。街乗りならディスクブレーキは機械式で十分でしょう。フラットバーであれば屋根は欲しいものの屋外保管でもさほど問題ないですし、泥除けも装着できます。屋外に保管する場合は注油とディレイラー調整はこまめにやりましょう。2年ほどでチェーン、グリップ、ワイヤー類を交換すると快適に乗れます。

折りたたみ・ミニベロ

そもそも、ホイール径が小さいと漕ぎ出しは軽いですがスピードが乗らないのでずっと漕がないと速度を維持できません。さらにBBが前後のハブより高いので横から見てアーチ型の構造となっており、ねじれ剛性が低くて基本的にスポーツ向けではありません。したがって、明確な利用目的があるかどうかが選択のポイントになります。

折りたたみは力のかかる点が周上にないので力が逃げる

フロント変速は付いていないことが多く、チェーンラインが短いのでチェーンが外れやすい傾向があります。対策としてチェーンキャッチャーが付いていたりしますがあまり効果はありません。ナロー・ワイドのチェーンリングを装着しているものがおすすめです。少なくともPCD130のチェーンリングが装着できるものが良いでしょう。

折りたたみ部分が錆びたり軋んだりすることが多いので、屋内保管した方がいいです。また、力がかかるハンドル周辺も軋みやすいです。とはいえ乗らないロードよりいつでも乗れる折りたたみの方が使いやすいのは事実ですし、輪行できれば帰りの心配もいりません。ミニベロはホイールを外しても小さくならないのであまり輪行には向きません。
ホイールが小さいと置き場所を取らず、カッパを巻き込みづらい、大きいサドルバッグが使えるといったメリットは多々あります。

まとめ

このように、一見似たように見えるスポーツ自転車もさまざまな観点があります。サイクリングは道具を使うスポーツですので道具との対話も楽しみつつ、自分の生活スタイルに合った自転車を見つけましょう。