デジタル骨董展の話
先日ふらりと立ち寄った原宿にて面白そうな展示を発見。
”デジタル骨董展”
骨董好きとしては思わず立ち止まってしまうタイトル。
しかしデジタルって…?
頭の中にハテナを浮かべながら会場に吸い込まれていった。
”骨董”というとむか~しむかしに手間を掛けて作られ、それが何十年もの年月を経て現代も美しい状態で残っている…そんな貴重なもの、というイメージ。
でもここでは、昨今話題のNFTアートについての考察がメイン。
物の価値と所有を考察しながら、襤褸布や金継ぎ、籠など先人の手仕事が輝く従来の骨董品とともに最先端のデジタルアートが展示されていた。
その中で特におもしろいなと思ったのはバーチャルペットがスマホで買える、そして飼える。というMetaverse Petshopというインスタレーション。
バンバン新しいアニマルがつくられては廃棄され続ける様子を見つめながら(最終的に革になってカバンとかになってた、なんかせつない。)、デジタルなものって、緻密な計算やプログラミングはあるとしても人の手の体温みたいなものは感じられないから私はあまり惹かれないんだけど、これからの時代はこういうものが価値のあるものになるのかなぁ?と思ったり。
この展示ではNFTに焦点を当てていたけれど、
物質として、はたから見ればゴミのようなものでも一部の人にとっては唯一無二のたからもの。そんなものも骨董になり得るのか。
例えば私が後生大切に所持し続けている古着。空き箱。空き瓶。自作の謎のオブジェ(?)などなど。それらもすべて、私が死んだ後も誰かしらが受け継いでくれて大切にしてくれて骨董品!と言い張れば骨董になるのでは。
そして、まだまだ私は未来人の感覚には慣れないので過去にばかり恋焦がれている。
ものの価値って何だろう。
そんなことをぼんやりと考えながら、過去と未来に思いをはせる。
そんな不思議な体験ができる面白い展示だった。
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