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デジタル骨董展の話

先日ふらりと立ち寄った原宿にて面白そうな展示を発見。
”デジタル骨董展”

骨董好きとしては思わず立ち止まってしまうタイトル。
しかしデジタルって…?
頭の中にハテナを浮かべながら会場に吸い込まれていった。

NFTアートと骨董の関係にフォーカスする「デジタル骨董展 -これからの価値と所有を考える」が、11月13日まで東京・原宿のBE AT STUDIO HARAJUKUで開催されている。

「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」の社会実装により、本来コピーが容易なデジタルデータに、唯一無二な資産的価値を付与して「デジタルアート」として販売することが可能となった今日。同展では、将来、デジタルアートや、日々生み出される無数の画像データですら、いわゆる「骨董品」と同じ価値をもつ「デジタル骨董」になりうるかもしれないとし、これからの「価値」と「所有」が果たしてどこへ向かうのかを考察する。

https://www.japandesign.ne.jp/news/2022/11/67958/

”骨董”というとむか~しむかしに手間を掛けて作られ、それが何十年もの年月を経て現代も美しい状態で残っている…そんな貴重なもの、というイメージ。
でもここでは、昨今話題のNFTアートについての考察がメイン。

物の価値と所有を考察しながら、襤褸布や金継ぎ、籠など先人の手仕事が輝く従来の骨董品とともに最先端のデジタルアートが展示されていた。

ヨーロッパのものかと思うパッチワークの布
最近流行りの金継ぎと、鎹(かすがい)継ぎ
めっちゃ味のある籠

その中で特におもしろいなと思ったのはバーチャルペットがスマホで買える、そして飼える。というMetaverse Petshopというインスタレーション。

檻の中のバーチャルペット…シュール。
廃棄…!!
ペットのスキン(柄)を使ったグッズ

バンバン新しいアニマルがつくられては廃棄され続ける様子を見つめながら(最終的に革になってカバンとかになってた、なんかせつない。)、デジタルなものって、緻密な計算やプログラミングはあるとしても人の手の体温みたいなものは感じられないから私はあまり惹かれないんだけど、これからの時代はこういうものが価値のあるものになるのかなぁ?と思ったり。

この展示ではNFTに焦点を当てていたけれど、
物質として、はたから見ればゴミのようなものでも一部の人にとっては唯一無二のたからもの。そんなものも骨董になり得るのか。
例えば私が後生大切に所持し続けている古着。空き箱。空き瓶。自作の謎のオブジェ(?)などなど。それらもすべて、私が死んだ後も誰かしらが受け継いでくれて大切にしてくれて骨董品!と言い張れば骨董になるのでは。

そして、まだまだ私は未来人の感覚には慣れないので過去にばかり恋焦がれている。

ものの価値って何だろう。
そんなことをぼんやりと考えながら、過去と未来に思いをはせる。
そんな不思議な体験ができる面白い展示だった。

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