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誰かとともに暮らすということは、案外努力も必要らしい


二人で暮らすようになって半年が経った。
一緒に暮らすまでは「誰かと暮らすなんて!」とたった3年ちょっとの一人暮らしだったとしても、あの何をしても許すか許さないかは自分次第な自由奔放な生活を手放すのはちょっと惜しかった。引っ越し前は楽しみよりも、一人の時間が減ることの不安を口にすることも多かったっけ。
だけど、思った以上の心配は起きず(「たまに自分のこと嫌い?!って思う」と彼に言わせるほどいらいらが全面に出ていることはあるけど)、楽しい時間を過ごしていると思う。


好きな人と暮らしていたら楽しいだろう。
そう思うかもしれないけれど、半年間パートナーと暮らして思うのは、案外楽しい生活を維持するには努力が必要だということ。気を抜くと会話が減ったり、不満を溜め込むことになったりすることに最近気づいた。

一緒に暮らすまで近くで過ごしていたので、なんとなくの生活リズムも知ってたし着飾らない自分でいられるなあと思っていた。しかも私はかなりの慎重派なので価値観のすり合わせの時間は惜しまなかったし、彼のことも大体はわかっていて、この人とならと思った上で一緒に暮らすことを決めた、はずだった。

だけど、数日一緒にいることと生活を共にすることは全くの別物で、ちょっとした習慣の違いも思いやりの加減もふたりにとって心地よいところを模索しないといけない。最初こそ気をつけていたつもりだったけど、半年も経つと気も緩み、疲れているときは特に自分本位になっていた。

私が小さなことを疎かにしがちなのを気づいたきっかけは彼の言葉だ。生活リズムが違ってなかなか顔を合わせる機会がないから、面と向かって言い難いことを言えるように「大人の交換ノート」をしている。
その中で「何気ない挨拶とか大切にしたいね」と綴られていて、自分がそれらを疎かにしていたことに気づいた。言われないと気づかなかったのも恥ずかしい話だけど、実家でも目を見る、手を合わせるなど丁寧に挨拶する、そんなことは無意識に減っていたような…

なんとなーく起きて適当にごはんを済ませる私とは違って、彼はちゃんと「おはよう」と言ってくれるしごはんを食べる前には「いただきます」と言う。彼よりもごはんが少なく食べるのも早い私は食事が終わると早々にダイニングテーブルを立つ。
お互いの家を行き来してたときには、一緒にいる時間が貴重だからこそ待つ時間も惜しくなかったはずだけど。自分から彼が発している言葉をシャットアウトしていたみたいだ。本当は話せない日が続くともやもやするのに。

やはり「慣れ」があることは、それまでいくら取り繕っていたとしても本性が顔を出してしまうなと思う。

「何気ない挨拶」ってとても小さなことだし、慣れると疎かにしそうなこと代表なような気もする。そんな『少し忘れてしまいそうだけど大切なこと』に気づかないふりをした生活を続けていると、気を抜くと会話が減ったり不満を溜め込むことになったりすることもあって。長年一緒にいる熟年夫婦の会話が減り、相手が何をしてもいらいらするってこういうことなんだろうかと、ふと思うこともある。


低空飛行な生活って急にあるわけではなくって日々のいらいらが大きくなって、些細なことに感謝できなくなったり、口調がいつもきつかったり、挨拶しなかったり、顔を合わせる機会が減ったり…と小さなことを「まあいいか」と流してしまった結果のような。そうやって、すれ違いや不満が生まれて二人の隔たりがどんどん広がっていき、しまいには見えないところで大切なものも崩れる気がする。
それを未然に防ぐ努力なしには二人の生活は維持できないんだなと身に染みて感じた。


意識的に目を見ておはようと言いに行ったり、出かける前は玄関先まで見送りに行ったりするようになってから、少しパートナーとの距離感が近づいたようにも思う。
生活リズムがばらばらだと話をする時間がまとまって取れないことも多く、なんだか心の距離が離れてしまったようにも思ったけども、長い時間顔を合わせる時間の充実じゃなくて、日々短い時間の積み重ねだけでも、相手の調子を伺ったり気にかけたりできるんだなと思った。


私たちは特に生活のリズムも違っていて会話が少ないからこそ、顔を合わせている時間をいかに心地よく過ごすかということの大切さがわかる。
きっとそれは同居のパートナーだけでなく、友人や家族との付き合いにも言えることで、会話の端々に見え隠れするリスペクトを感じられない雰囲気だとかつまらないのかなと思うような行動を感じると、すっと身を引いてしまう。
「ほんの些細なこと」を大切にすることがどんな人間関係においてもキーになりそうだし、思いやりをもつことが不可欠なんだろうなあと思う。

まだまだふたりの生活は始まったばかり。
よい関係を維持できるように、気負いすぎない努力は続けていきたい気持ち。


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