劇的な展開が"無い"映画

普段映画を観ていて、特に内容がある訳ではないのに「あー映画だなー」と思える作品がある、たしかにどんでん返し!とか豪華キャスト勢揃い!とかそんな劇的に面白い映画もあるが、今回は偉そうに俺の好きな「劇的な展開が無い」好きな映画を紹介します。

1,オールドジョイ 2006年
まずはケリーライカートの中で1番に好きな映画、あらすじは男2人が天然の温泉を目指し歩いて行くっていうだけの話ではあるが、この2人の男の関係性が良い。特に仲良しって訳では無いしお互いを嫌っている訳でも無いだろう感じがリアルに感じ取れる、でもこういう関係性が本当にリアルでラストは共感できて少し寂しいような感情になる。短めの映画で音楽、ロケーションかなり素晴らしいので是非観て欲しい。

2.台北暮色 2017
一応台湾の現代社会を映画にしたような作品だがこれがほんとに良い、自分が台湾について強い憧れを持っているからそう感じるかもしれないが、中国、台湾の特有の湿っぽさだったり、人間のうるささだったりがある中で主人公やその周りの人物の繊細な人間味が感じ取れる、あらすじを読んだときはかなり面白そうだと思ったが、まあ実際はあってないようなものだったので雰囲気を楽しむ映画だと思って欲しい。
高速道路の夕暮れの景色って本当に良いよね。

3.5時から7時までのクレオ 1961年 
次はオールタイムベストの映画、シャンソン歌手のクレオがガン診断の結果を待つ2時間をほぼリアルタイムで描いた映画。まずクレオ役のコリーヌ•マルシャンが本当に美しい。白黒映画でこんなにも映える女性は他にいない。
この2時間の間になんか帽子買ったり、ピアノ弾いたり歌を歌ったりよく知らん男とデートしたりするのだがこれが本当に「どうでもいい」なんなら診断の結果すら最早どうでもよくなる、しかし良い映画だということは変わりない。
このコリーヌ•マルシャン、出演している映画が少なく同じ年の「LOLA」という映画にちょい役で出ていたがこっちはマジで内容覚えてないので気が向いたら見返そうと思う。

4.フランシス•ハ
うだつの上がらない女をよく演じるグレタガーウィグ脚本、主演の映画。
ダンサー役のグレタが恋人に振られ、仕事も上手くいかない、けど頑張る!みたいな映画。序盤からこの女ゼッテー好きになれないとか思ってるけど気づいたら応援しちゃってる、そんな感じ
でもラストでこのタイトルの意味が分かった瞬間に、良い意味で「あ〜別に人生こんなもんでいいよな」とか思えて前向きになれる、最高です


5.ストレンジャー•ザン•パラダイス 1984年
まあこの手の映画といえばジム•ジャームッシュは外せない。
表紙のこの3人の空気感がただただ自然なのに面白い映画だと思える。夜中にぼーっと観て余韻に浸るなんて小洒落た真似はしたくないがこれはそんな感じだった。これを退屈だとかいう言葉で片付ける人がいるならば俺がビンタしてやる。

6.ダウン•バイ• ロー 1986年
これもまたジムジャームッシュ、この監督といえば、「ナイトオンザプラネット」「パターソン」なんかが有名だが個人的ベストはこれ、話的には脱獄した3人組のロードムービーなのだが、まず脱獄の過程が流れないのが本当に良い。そんなものまずいらないから。ロードムービーは退屈になりがちだがこれは本当に心地良い。モノクロ映画だということも観ているうちに忘れさせてくれる。

7.ビフォア•サンライズ 恋人までの距離 1995年
次は恋愛映画の中でも結構評価が高いこの作品。
電車の中でたまたま出会った2人が徐々に惹かれ合っていくって感じの作品。まあ会話劇でお互いの価値観だったり人生感とかを話し合って徐々に恋愛感情抱くみたいな。
俺は恋愛映画や恋愛ドラマを観てて1番いらない感情は「共感」だと思ってるからこの映画は全然共感できなくて本当に良い。
そういえばこの作品3作続くんだけど2作しか観てないがもうどうでもいい、勝手にしろ!恋愛は怖い。

8.アニーホール 1977年
最後は大好きなウディ•アレン監督の作品。
ウディアレンがまあよく喋る、終始ニヤニヤしてちょっとイライラするような感じで本当に良い。
今でこそ監督自身の問題でいざこざはあるが、ウディアレンは間違い無く「映画」を作っているしどの作品も本当に素晴らしいと思う。この監督のユーモアとか映画的要素はもっと後世に残すべきだと思う。
ちなみにウディアレンで1番好きな映画は「世界中がアイ•ラブ・ユー•」だけどこれはちょっと毛色が違うのでまたいつか紹介します。

あざす。

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