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自分を愛そうとする人は、みんなのことも愛せる人だ _(4)感情・思考の記録と、仕事・職場への思い

■読んでほしい人
・企業で管理監督者としてお仕事していて、家庭では家事・育児に奮闘している方

■このシリーズでいちばん伝えたいこと
・一番大切なのは、自分だ だからこそ家族や他者を大切にできる
・自分を愛そうとする人は、みんなのことも愛せる人だ

■読んだ後どうなってほしいか
・心軽く、心豊かに生活する工夫をみんなで楽しめるようになってほしい


>>>  たくさんのことを考えたいと思った

メンタルには、感情と思考の2つがあるらしい。

どうやらぼくは感情のほうは健常のままで、
思考の方がうまくいっていないようだった。

なので、ずーっとイライラしたり不安だったりということもなく
また、悲しいとか鬱々とした気分が続くということもなく、
感情面は以前の通りだと感じていた。

おくさんも、「頭痛がひどいときとかはしんどそうに見えるけど
そのほかは機嫌悪いとかはないね」と言ってくれていた。

一方で、思考や認知はうまくいかず、
例えば店員さんが話しかけてくれている内容が理解できなかったり
本を読もうとしてもまったく頭に入ってこず、2,3行を読み進めただけでクタクタになったりするのだった。

先生によるとブレインフォグという症状でもあるとのことで、
これは12月初旬まで続いた。

頭は回っていないんだけど、でも
ゆっくりでいいからたくさんのことを考えたいと思っていた。
いままでないがしろにしてきてしまった、自分のことについて。

>>>  考えたことと感情の記録

あるアプリを使って、思ったことや考えたことについて記録し始めた。
そこではどんな感情だったかも簡単に記録することができる。
例えば、「育児」というカテゴリを選択して「朝の準備がすんなりと進んだ」と記入し、「とても嬉しかった」と感情についても選びとる。
他にも「仕事」カテゴリで「うまくいかなかったことを思い出した」から「イライラした」などなど。

毎日毎日、アプリを開いては何度でも書いた。
歩いている途中でも立ち止まって書いた。
今までだったら他のことを優先してスルーしてしまっていたけれど、
文字通り立ち止まってきちんと残そうと思った。

家庭、仕事、育児、健康、自然、食、本、お金、自分、などなど
たくさんのカテゴリについて、思ったことを正直に書いた。
書くことでつじつまがあっていない部分も見つかったりして
また新しく考えたい事柄も発見できるという日々だった。

>>>  考え方のクセ メッキのポジティブさ

ぼくの考え方のクセについてもいくつか自覚し始めた。
いくつか発見したが、最も強いと感じたのは
どんなことでもポジティブに捉えようとする習慣だった。

一見、それこそポジティブでよさそうに思うが、
例えば、もうにっちもさっちも行っていなくてやめた方がよい物事であっても
何とかよいところを見出して継続させようとするし、
自分は本当はよいとは思っていなくても捉え方を無理やり変えて、
ときには押しつけられたものでも受け入れようとした。

自分では「メッキのポジティブさ」だったと表現して
無理してきた自分がかわいそうに思えたり、
ときには自分勝手に振舞っていた(ようにぼくは感じた)他者を心の中で責めたりもした。

その後、「人間の資質」や「アサーティブコミュニケーション」などを勉強して、
自分のポジティブさで周囲を明るくあたたかくしてこれたかも知れないことや、
自分が納得できていなければ他者を本当に納得させることにはつながらないことに気づき、自分のこの一面をメタ認知して扱うことができるようになってきた。

>>> 職場のみんなへの思い

アプリで記録していることは、カテゴリごとにどんな感情を持って記入していたかを振り返ることができるんだけど
仕事カテゴリについては、記入したほとんどに「曇り」や「雨」に分類される感情を伴っていた。

いきなりすべてを放り出した。みんなには何も言わずに飛び出してきた。
いろんなコンフリクトがあって、消えて無くなってしまえばいいなんて思ったこともあったけど、ぼくらの大切な仕事たちだった。

みんな、今頃ぼくのことをどう思っているかな。
いやいや、みんな目の前の業務に取り組むことに必死で、
去った者に費やす時間も心のすきまもないだろう。

穏やかに休んでいたいから、自分に言い聞かせるように
「だれもなんにも思っていないよ、気にするなよ、オレ」って思うようにしていた。

ただ、ぼくが休んだことで
みんなが自分を責めていなければいいな、とだけ思っていた。

9月に入ると人事担当から連絡があって、去就についての考えを聞かせて欲しいとのこと。
「もとの職場に帰りたいのかどうか」や「帰ってくるとしたらそれはいつか」が分からないことでみんなに不便をかけたくない。すでにあれこれと迷惑をかけているだろうけど、せめてこれだけでも避けたいと思った。もとの職場に帰るのか帰らないのかを早くはっきりさせること、これは休職中のぼくでもできることだと思った。

いまこの瞬間に精一杯できることがあるとしたら、マネジャーをおりて、かつ他部署への異動を申し出ることだ。言い換えれば「もうあいつはここへは帰ってこない」とはっきりさせることだ。

そのように人事に伝えて、休職期間中は人事預かりの一般社員となった。
ぼくが空席にしてしまったマネジャー席については、後輩が昇格して後を預かってくれた。それはだいぶあとになって知ったのだけど。

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ここまで読んでくれてありがとうございます。

これからこんなふうに続けていこうと思っています。
よければお付き合いください。
・(1)はじめに
・(2)診断・休職まで
・(3)休職のはじまり:しんどいよりも、痛くて重い
・(4)休職のはじまり:感情・思考の記録と、仕事・職場への思い(この記事)
・(5)休職のはじまり:ぼくの前にも後ろにも
・(6)お仕事でのたくさんのコンフリクトたち
・(7)仕事とプライベートのコンフリクト、だけではなかった
・(8)休職期間中に学んだこと・発火したこと
・(9)最後に

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