部員が全員帰り、私は先生と軽く談笑してから部室の鍵を閉めた。

「また明日ね！」

「さよーなら」

先生と別れ、私も帰ろうと足を一歩前へ進めた。

だが、窓の景色を見て止まった。

久しぶりに意識してみたかもしれない。

1年生の時からずっと見える景色。建ったり壊されたりがあった。少しは景色が変わっている。

ただの電気が、ここから見るとまるで万華鏡のように綺麗だ。

廊下を進んでいくと変わる景色。

「例えが突飛？」

でも、幼い時に見た万華鏡のような感動を感じたのだ。

1年の時にはあまり思わなかった。

「学校から夜景とかほんとに定時に来ちゃったんだな」と、軽く将来への不安を感じたくらいだ。

でも今はその不安もない。行きたい大学決めたからかな。

心に余裕が生まれて、綺麗に見えるようになったのかもしれない。

スマホで写真を撮っても、この綺麗さは写せなかった。カメラ部にいいカメラ借りてみよう。


「万華鏡どこしまったっけなあ」

（392文字）